ある調査によるとアメリカ人の大部分は朝食にシリアルを食べるそうですが、西アフリカのブルキナファソでは雑穀のおかゆを食べるそうです。他にもジャマイカではオオバコ・ピーナッツ・コーンミールなどをすりつぶしたもの、ニュージーランドではトーストにベジマイトを塗ったもの、キューバやブラジルなどのラテンアメリカでは朝からミルク入りのコーヒーを飲む子どもも多く、国々の特色が子どもの朝ごはんにも色濃く反映されています。ただし、大抵の場合は朝ごはんにほんのり温かい発酵食品や風味の良いものが食べられており、味としては酸っぱいものが多い、とのことです。

What Kids Around the World Eat for Breakfast - NYTimes.com
http://www.nytimes.com/interactive/2014/10/08/magazine/eaters-all-over.html

妊婦が食べる食品の中に含まれる化合物は、羊水を通じて赤ん坊が摂取することになります。そして出産後、赤ん坊は子宮内で摂取した食べ物を好むようになるそうで、この現象を科学者は「出生前の風味学習」と呼んでいます。

しかし、出生前に風味を学習した食べ物でも、子どもが初めて食べた際においしく感じるかどうかは別物です。韓国では多くの人がキムチを食べ、小さな子どもも朝食にキムチを食べるそうですが、初めてキムチを食べる際には驚いたり嫌がったりすることも多いそうです。

韓国では子どもが初めてキムチを食べることがある種の通過儀礼のようなものとなっているそうで、その際の様子がYouTube上にもたくさんアップされています。

The First Day When Yebin Ate Kimchi - YouTube

人間や混合食動物の子どもは、一般的に未知の食べ物を初めて食べる際はこれらを拒絶しがちです。しかし、繰り返し食べさせられたり、周りの模倣をしたりする中で徐々に新しい食べ物に慣れていきます。また、例えばワッフルにピクルスを載せて食べたりはしないように、食べ物に関するルールや文化のようなものも日々の食生活の中で育んでいき、同様に「味覚」も日々の食生活の中で形成されていきます。

フィリピンでは朝の6時からニンニクを使ったチャーハンと塩漬けの魚を食べるそうですが、朝からこういった食事をとることに抵抗のある人が日本には多いはずです。このように、日頃食べているものが後々の味覚や食に対する考えに大きく影響してくることは明白なので、これらを念頭に置いて世界中の朝ごはんメニューを見ると、感じることも大きく異なってくるはずです。

・日本、東京のスズキ・サキちゃん(2歳9カ月)

生後7カ月の頃、サキちゃんは納豆を食べてはき出してしまったそうですが、現在では毎朝食べるお気に入りのおかずになっているそうです。彼女の朝ごはんは、白米とみそ汁、カボチャの煮付け、キュウリの漬け物、卵焼き、鮭の塩焼き、納豆の7品。

・トルコ、イスタンブールのDoga Gunce Gursoyちゃん(8歳)

Dogaちゃんの朝食は、トーストとトーストに塗る蜂蜜とカイマク、オリーブ、目玉焼きとスパイシーソーセージ、バター、固ゆで卵、ブドウシロップのペクメズ、ごまペーストを加工したタヒーニ、羊・ヤギ・牛の乳から作ったチーズ、マルメロとブラックベリーのジャム、ペイストリーとパン、トマト・キュウリ・ラディッシュなどの生野菜、焼いた赤唐辛子から作るペーストソース、ヘーゼルナッツ味のハルヴァ、牛乳、オレンジジュースとかなり豪勢。

これは土曜日の朝食であり、平日の朝食よりも多くの料理が並んでいるとのことですが、このように多彩な食材が並ぶのが典型的なトルコ人の朝食だそうです。

・フランス、パリのNathanaël Witschi Picardくん(6歳)

Nathanaëlくんの朝ごはんメニューは、父親が一緒の場合は決まってキウイ、バターの塗られたバケット、祖母お手製のブラックベリージャムが塗られたバケット、シリアル、オレンジジュースというセット。Nathanaëlくん自身はクレープとホットチョコレートが好みだそうですが、Nathanaëlくんの父親は健康に対する意識が高く、朝食をバランスのとれたメニューにしているそうです。

なお、多くのフランス人の場合は幼少期の朝ごはんに、ホットチョコレートとバタートーストを食べるそうです。

・マラウイ、ChitedzeのEmily Kathumbaちゃん(7歳)

Emilyちゃんの朝ごはんは、「phala」と呼ばれるコーンミールの粥と、コーンミール・タマネギ・ニンニク・チリソースを高温の油で揚げたもの、ふかした芋とカボチャ、ハイビスカスの花と砂糖から作った赤黒いジュースの5品。

ただし、マラウイの子どもの半分は栄養不足気味で、Emilyちゃんのような朝ごはんは食べられていません。

・アイスランド、レイキャヴィークのBirta Gudrun Brynjarsdottirちゃん(3歳6カ月)

Birtaちゃんの朝食は、アイスランドの朝食として一般的な「Hafragrautur」と呼ばれるオートミール。これは水または牛乳、ざらめ・メープルシロップ・バター、フルーツもしくはサワーミルクで調理されます。これと、魚油もしくは肝油を飲むのがBirtaちゃんスタイルの朝食とのこと。

太陽は人間にとって重要なビタミンD源ですが、アイスランドではこれが非常に微弱なので、Birtaちゃん一家では魚油を飲むようにしているそうです。なお、アイスランドの多くの保育園や幼稚園でも、午前中に肝油を子どもに摂取させることが多い、とのこと。

・オランダ、アムステルダムのViv Bourdrezちゃん(5歳)

Vivちゃんの朝ごはんは、1杯の牛乳とパンのみ。ただし、パンは無塩バターとさまざまな風味のチョコスプレーを大量に振りかける「Hagelslag」というスタイルで食べます。

観光事業をプロモーションするオランダ政府のウェブサイトでは、「オランダでは毎日75万枚以上のパンに大量のチョコレートが載っけられ、そして食べられている」と自慢気に書かれており、オランダの人口が約1700万人であることを考えると、パンの年間消費量は3億枚程度になるそうです。

・ブラジル、サンパウロのAricia Domenica Ferreiraちゃん(4歳)とHakim Jorge Ferreira Gomesくん(2歳)

2人の朝ごはんはハムとチーズ、そしてパンにバターを塗ったもの。これに加えて、Ariciaちゃんはチョコレートミルク、Hakimくんはミルク入りのコーヒーを飲みます。

ブラジルでは、コーヒーには酸化防止剤とビタミンが含まれており、少量のミルクを一緒に摂取することで子どもが小学校の午前中の授業により集中できるようになる、と考えられています。

・マラウイ、ChitedzeのPhillip Kamtengoくん(4歳)と、Shelleen Kamtengoちゃん(4歳)

PhillipくんとShelleenちゃんの朝ごはんは、「chikondamoyo」と呼ばれる甘いトウモロコシのようなケーキと、ふかした芋、スプーン2杯分の砂糖を入れた紅茶といったシンプルなもの。

・日本、東京のハヤシ・コーキくん(4歳)

コーキくんの朝は、白米、みそ汁、ピーマンをちりめんじゃこ・醤油・ごまと一緒に炒めたもの、生卵、きんぴらゴボウ、ブドウと梨、牛乳というヘルシーながらも品数は多めの朝食。なお、生卵は醤油をかけて卵かけご飯にして食べるというスタイルです。

・トルコ、イスタンブールのOyku Ozarslanちゃん(9歳)

Oykuちゃんの朝ごはんは、パンとオリーブ、ヌテラ、スライストマト、固ゆで卵、イチゴジャム、はちみつに漬けたバター、そして各種トルコチーズ。

・ブラジル、サンパウロのTiago Bueno Youngくん(3歳)

Tiagoくんの朝食は、コーンフレーク、バナナケーキ、「bisnaguinha」と呼ばれるブラジルの子どもに人気な甘いパン、「requeijao」と呼ばれるマイルドなクリームチーズ、そしてチョコレートミルク。

国や地域、家庭によって朝ごはんのスタイルにはかなりのばらつきがありますが、ほとんどの国で複数の品目が朝食に並んでいることを見ると、万国共通で母親の偉大さを感じられます。

Photo By Jodimichelle