インターネットの世界では著作権法に従わない者を「Pirate(海賊)」と呼称します。しかし、「世界各国の現行著作権法がインターネット社会の実体にそぐわないので大改正が必要だ」という主義のもと、確信犯として海賊行為を行う人や集団が現れており、その中でも「政党」という公の組織を構築するのが「海賊党」です。国際的な活動を行う海賊党への支持は徐々に拡大してきており、なんとアイスランドで第2政党の地位に躍進する可能性が高まっています。

Vísir - The Pirate Party is now measured as the biggest political party in Iceland
http://www.visir.is/the-pirate-party-is-now-measured-as-the-biggest-party-in-iceland/article/2015150318848

アイスランドでは2013年4月に行われた議会選挙で、アイスランド海賊党が3議席を獲得しました。アイスランドでは「Alþing(全部の意)」と呼ばれる一院制を採っており、定数は全部で63議席。そのため、3議席を得たアイスランド海賊党はアイスランド国民約32万人の約5%の意見を代弁する紛れもない政党になりました。なお、この時点でアイスランド海賊党は結党からわずか半年でした。

それから約2年たった今、アイスランドの調査会社MMRの最新調査によると、アイスランド海賊党の支持率は23.9%にまで上昇。2年前まで弱小政党に過ぎなかったアイスランド海賊党ですが、ついに支持率No.1の政党に躍り出ました。なお、2017年に行われる次回の議会選挙でアイスランド海賊党が第2党に躍り出る可能性があるとMMRは予想しています。

アイスランド海賊党を結党したビルギッタ・ヨンスドッティル議員は、高い支持率について「私たちはこの結果を喜ぶだけでなく謙虚に受け止める必要があります。この結果は、旧態然とするの政治に対する不信を反映していると受け止めています。伝統的な政党は何らの進歩を見せていないと国民にあきれられています。国民は変化を求めているのです」と述べています。

NSAによる情報収集活動を暴露してアメリカを追われたエドワード・スノーデン氏は、当初、アイスランドへの亡命を希望していました。しかし、アイスランド政府は非公式の接触の存在は認めましたが、正式な要請を受け取っていないと事実上、亡命要請を断ったという経緯があります。もしも、次回の選挙でアイスランド海賊党が議席数を大きく伸ばすとすれば、スノーデン氏にアイスランドの市民権が与えられる可能性があると指摘する見解もあります。

なお、記事作成時点で、海賊党として国政選挙や地方選挙など何らかの公的選挙で当選者を出した国は、オーストリア、チェコ、ドイツ、スペイン、スウェーデン、スイスとなっています。