企業が優秀な人材を採るために少なからず評価の指針としているのが、学歴であるといえます。「学力の高い学校に入れたのだからパフォーマンスが高いはず」「学校で周囲の環境から良い刺激をもらっているはず」などというのがその根拠であるわけですが、コンピューターエンジニアの能力について調査された結果からは、実は高学歴であることと能力の高さにはまったく関係がないことが明らかになっています。

We looked at how a thousand college students performed in technical interviews to see if where they went to school mattered. It didn’t. – interviewing.io blog
http://blog.interviewing.io/we-looked-at-how-a-thousand-college-students-performed-in-technical-interviews-to-see-if-where-they-went-to-school-mattered-it-didnt/

この調査を行ったのは、オンラインで企業の採用担当者と求人者が匿名で面接を行えるプラットフォームinterviewing.ioです。このサービスはGoogleやFacebook、Twitter、Amazon Web Services(AWS)、Microsoftといった企業の採用担当者が実際に活用しているというもので、主にプログラマーとしての仕事を探す求人者と採用担当者がスキルだけをもとにマッチングすることを可能にしているものです。そのため、企業は高いスキルを持つ人を幅広く、しかも効率的に集められる一方、求人者は学歴に左右されがちな選考レースを自分の実力だけで勝ち上がれるというメリットが存在しています。

free anonymous technical interview practice | free anonymous technical interview practice | interviewing.io
https://interviewing.io/

このようにして学歴や人種、性別の垣根を取り払うことを可能にしているinterviewing.ioは、実際にエンジニアとしてのスキルと学歴にどれほどの相関関係があるのかを調査しました。同社ではまず、アメリカにある大学を「エリート」「トップ15」「トップ50」「残り」の4つに分類し、それぞれのクラスターに属する人物に対してどのような評価が下されたのかについて統計を取りました。4クラスターの内訳は以下のようなものとなっています。

・Elite(エリート):MIT(マサチューセッツ工科大学)、スタンフォード大学、カーネギーメロン大学、カリフォルニア大学バークレー校、など
・Top 15(トップ15):ウィスコンシン大学、コーネル大学、コロンビア大学、など
・Top 50(トップ50):オハイオ州立大学、ニューヨーク大学、アリゾナ州立大学、など
・The rest(残り):ミシガン州立大学、ヴァンダービルト大学、ノースイースタン大学、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、など

さらに調査では、それぞれのクラスターを「Junior」(現役学生・インターン)と「Senior」(新卒者)に分けて統計を取っています。評価の方法は、まずinterviewing.ioの初期テストに合格した人物が次に起業の面接を受けます。この面接は完全非対面・匿名で行われるため、企業側はスキル以外の相手の素性を知ることができません。面接後、企業の面接官は応募者の評価を低い方から1〜4の4段階で評価します。

このようにして行われた評価を、4つのクラスターごとにプロットしたのが次のグラフ。まず、Junior(現役学生・インターン)の評価を4つ並べてみると、見事にどのクラスターも「評価3」の数が最も多いことがわかります。また、数の多い順に評価を並べると、どのクラスターでも「3→2→4→1」と見事にそろっているのも興味深いところです。

次に、Senior(新卒者)のグラフはこんな感じ。Juniorよりも「3」の比率が増え、「2」と「4」の差が小さくなってはいますが、基本的な傾向はJuniorとほぼ一緒といって差し支えないレベル。

この評価方法で重要なのは、グラフが示しているのはそれぞれのクラスターの中での分布を見る偏差値ではなく、企業側が下した絶対的な評価であるという点。つまり、実は求人応募者のスキルは学歴にはほとんど左右されず、どの学歴クラスターに属していても優秀な人は同じように存在しているということが明らかになっているというわけです。

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