GoogleがメールサービスにもAMP機能を拡張する「AMP for Email」を発表しましたが、メールサービスを提供するFastMailは、「これはメールが持つ本来の価値を損なうものであり、FastMailはAMP対応を見送る」と発表しました。

Email is your electronic memory | FastMail Blog
https://blog.fastmail.com/2018/02/14/email-is-your-electronic-memory/

「AMP for Email」によってメールサービスがどう変わり得るのかは、以下の記事を見れば良く分かります。

Googleが推進するウェブ高速化フレームワークのAMPが電子メールに対応、2018年後半にGmailにも導入へ - GIGAZINE

「AMP for Email」はAMPをメールサービスにも拡張する機能で、メールによりインタラクティブな機能を持たせることができるようになります。例えば、旅行予約サービスからのセールメールが届いた場合に、メールを開封する時点ではセール商品がすべて完売、ということはよくあり、これではユーザーの体験を損なってしまいます。AMP for Emailではメール本文にインタラクティブな情報を埋め込めるため、メールを閲覧した時点での最新情報を表示させられます。

一見、メールサービスがより機能的で便利なものに変わる素晴らしい改良にも思えるAMP for Emailですが、FastMailのブロン・ゴンドワナCEOは、メールが持つ価値を損なう良くないアイデアだと指摘しています。

ゴンドワナCEOが指摘する「メールの価値」とは、「メール内容が変わらない」ということです。ゴンドワナCEOによると、メッセージを伝達するコンテンツはメール以外にもチャットやSNSなどありますが、メールほど内容が変わらない(正確には、変えられない)サービスはないとのこと。そして、この内容が変わらないという性質のおかげで、曖昧な記憶をたどるためのツールとして機能したり、交渉や契約などのビジネスシーンで活用できたり、場合によっては法的な証拠として機能し得るのであり、これはメールがもつ重要な価値だとゴンドワナCEOは考えています。Googleはインタラクティブに変化することをメリットとしてアピールしますが、それはむしろデメリットにもなり得るというわけです。

ゴンドワナCEOにとって、メールが静的で不変であることは非常に重要な価値であり、FastMailにとってもこれは同じだとのこと。ユーザーのデータ(メール内容)はユーザーのものであり、それを保護し変わらないことを担保することは、メールサービスとして守らなければならない約束だと考えるFastMailは、メールの価値を突然変えるような変更については懐疑的なスタンスをとるとのこと。そのため、AMP for Emailへの対応には慎重な姿勢をとるそうです。もしも、FastMailの考えが間違いであることがユーザーの声から判明した場合には柔軟に対応する方針ですが、現時点ではAMP for Emailへ対応する予定はないそうです。