「地球は球体ではなく平らな板状である」ことを主張する地球平面論者の存在は当初は「ネタか?」とも思われていたのですが、徐々に地球平面論者はアメリカ国内で存在感を増しており、その状況を真剣に案ずる見方も強まっています。テレビなどで活躍する科学者ニール・ドグラース・タイソン氏もそんな一人で、最新のインタビューの中で地球平面論者の存在を「アメリカの学校教育が失敗したことを表している」と語っています。

Neil deGrasse Tyson: The existence of ‘flat earthers’ proves American schools have failed
https://www.rawstory.com/2018/03/neil-degrasse-tyson-existence-flat-earthers-proves-american-schools-failed/

このインタビューは、サイエンスとポップカルチャーをマッチングさせるYouTubeチャンネルStarTalkの中で行われたもの。タイソン氏がコメディアンのチャック・ナイス氏と語り合う形式で収録されています。

ムービーは以下から。

Neil deGrasse Tyson Proves the Earth is Round - YouTube

地球が平らであると考える人の存在感に危機感すら感じるタイソン氏は、「地球平面論者の興味深いところは、他の星は球体であると思っているのに地球だけが平らだと思っているところにある」と語ります。他の星であれば遠くから星全体を見ることができるのに対し、地球は自分との距離が近すぎるために、その全体像を理解することが難しいのかもしれません。

地球が丸いことを知る別の方法は、月食の際に観察できる「地球の影」の形であるとタイソン氏は語ります。丸い地球によって太陽光線が遮られることで、月には以下のような地球の影が投影されますが……

もし地球が円盤状だったとしたら、月に落ちる地球の影は細い帯状のものとなるでしょう。

これは、2017年11月のツイートでも同様の説明が述べられています。
A Lunar Eclipse flat-Earther’s have never seen. pic.twitter.com/HuApDwa85n— Neil deGrasse Tyson (@neiltyson) 2017年11月26日

このツイートについては以下の記事も参照してみてください。

「地球は球体ではなく平面」と考える地球平面論者を黙らせる写真付きツイートを天体物理学者が投稿 - GIGAZINE

また、地表にある井戸にできる影が場所によって異なるのも、地表が湾曲していることを示す証拠の一つ。もし地球が平らだったとしたら、世界中どこにいても井戸にできる影の形は全く同じにならないと理屈が成り立ちません。

そして、遠ざかる船が水平線の向こうに沈んでいくのも、地球が丸いことを示す現象だというわけです。

タイソン氏は地球平面論者が存在することは2つのことを意味していると語ります。一つは「アメリカには言論の自由がある」ということ。そしてもう一つについては「私たちは教育システムが失敗した国に住んでいる」ということだと厳しい見方を示します。タイソン氏はまた、「教育システムは『何を知るべきか』を教えるだけではなく、『情報や知識、エビデンスについてどう考えるか』を教えなければならない」と教育のあるべき姿について語っていました。

アメリカの地球平面論者でよく知られている人物の一人が、"マッド"マイク・ヒューズ氏。ヒューズ氏は自ら「地球は平らである」ことを確認するために、自作のロケットに自ら乗り込んで地球を上空から観察するための取り組みを進めています。その活動はFacebookのページでも公表されていますが、自作ロケットが上昇できるのはわずか数百〜数千メートルの高さまでなので、「旅客機に乗った方がマシ」と揶揄するコメントも寄せられています。

「地球は平ら」を証明するロケット打ち上げが未遂に終わった男が新たに改良型ロケットでの再挑戦を発表 - GIGAZINE

また、地球平面論者の多くは単純に「地球は平らである」と信じているというよりも、「世界は誰かに操られている」という陰謀論者であることも注目すべきポイントです。誰かに聞かされたことをそのまま信じ込むべきではない、という考えが根底にあるというわけですが、実際の観測などで確認されたエビデンスとの整合性がどの程度整理されているのかについては意見を聞いてみたいところです。

「地球は球体である」という説を否定する「地球平面論者」は「日食」をこのように解釈している - GIGAZINE