人間の代わりに単純でわずらわしい作業をしてくれる様々なロボットが開発されていますが、アメリカでは「服を着せてくれるロボット」が開発されています。機械学習技術を使うことで、「人間が快適に感じる服の着せ方」を爆速で理解しています。

Robot Teaches Itself How to Dress People
http://www.news.gatech.edu/2018/05/14/robot-teaches-itself-how-dress-people

安全かつスムーズに服を着せてくれるロボットは、以下のムービーで確認できます。

Robot Puts Hospital Gown on a Person - YouTube

腕を差し出した人の向こうでシャツを持っているのが、服を着せてくれるロボット「PR2」

ゆっくりとした動きで、シャツを腕に通すことに成功。

PR2は1万回以上も実験されたロボットアームによる着衣テストの結果を機械学習することで、最適な服の着せ方(正確には腕の通し方)を習得したとのこと。

洋服を引っ張る位置やスピード、リズムによっては、シャツが腕に引っ掛かるものですが、PR2はゆっくりとした動きではあるものの、極めてスムーズにシャツを腕に通していきます。

PR2を開発したのはジョージア工科大学のザッコリー・エリクソンさんの研究チーム。

すでに行われていた(PDFファイル)「ロボットアームによって服を着せる」研究の実験結果を流用することで、ロボットに服の着せ方を学習させたとのこと。

1万1000回行われた従来の実験における、力の入れ方によって変わる「着衣の快適度」の関係性に関するデータを機械学習させたところ、わずか1日のデータ解析によってDP2は人間が快適と感じる「服の着せ方」を理解することに成功したそうです。

エリクソンさんによると「人間は試行錯誤しつつ新しいスキルを体得するものですが、これと同じ機会をPR2に与えた」とのこと。また、研究ではロボットの思考時間の最適化についても探られており、次の動きを予想するまでの時間が0.5秒以下では失敗する確率が高まることがわかったそうです。

「ロボットが私たちのことを学べば学ぶほど、ロボットはより上手に手助けできるようになるでしょう」とジョージア工科大学のチャーリー・ケンプ准教授は述べています。

PR2が腕にシャツを通すのには、まだ10秒ほどの時間がかかります。また、記事作成時点でできるのは腕1本にシャツを通せることだけだとのこと。正確かつ安全に着衣補助を最後まで行ってくれるロボットの実用化までの道のりは遠そうですが、「服を着せてくれるロボット」は医療機関や介護施設などで人間の負担を大きく減らしてくれると期待されています。