人は絶えず新しい家・新しいレストラン・新しいバーといったお気に入りの場所を探すものの、1つの時点において定期的に訪れる場所の数は常に「25箇所」までに保たれることが判明しました。「新しい場所」がリストに入ると、それまで訪れていた場所がリストから削除される仕組みとなっているそうです。

Evidence for a conserved quantity in human mobility | Nature Human Behaviour
https://www.nature.com/articles/s41562-018-0364-x

At any point in life, people spend their time in 25 places
https://phys.org/news/2018-06-life-people.html

People Ration Where They Roam - Scientific American
https://www.scientificamerican.com/podcast/episode/people-ration-where-they-roam/

Nature Human Behaviourに発表された研究では、研究者が4つのデータセットから集められた4万人の行動を分析。研究を行ったロンドン大学シティ校で応用数学の研究者として勤めるLaura Alessandretti氏とAndrea Baronchelli氏は、デンマーク工科大学で物理・社会学・コンピューター科学の関わりについて研究するSune Lehmann氏と、ソニーモバイルコミュニケーションズの研究者と共にプロジェクトを行いました。

Alessandretti氏によると、当初の研究は大学生1000人を対象にしたデータセットを分析するものでした。この調査によって「訪れる場所は変わっても、人は限られた数の場所にしか向かわない」ということが示されたため、「より幅広い被験者を対象にすれば、異なった結果が示されるだろう」と予測して4万人規模のデータ分析を行ったとのこと。しかし、調査を行ったところ、異なる慣習や性別を持つ世界中の人4万人を対象としても、最初と同じ結果が示されたのです。


「人は、常に好奇心と怠惰の間でバランスを取っています」「レストランやジムについて考えてみてください。私たちが常に1つの場所を受け入れ、1つの場所を捨てているのがわかるはず。このような人の行動が、『私たちは常に一定数の場所を訪れていて、しかもそれは時間が足りないためではない』という予測しなかった結果を導きました」「また、私たちは、この研究結果が『1度に持てる社会関係の数』といったことと関係している可能性を示す証拠を見つけましたが、この点を確かめるにはさらなる研究が必要です」とBaronchelli氏は語っています。これまでの研究で、進化生物学者のRobin Dunbar氏は「人間にとって、平均約150人(100〜230人)が、それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限である」ということを示していました。

「私たちの研究は、人間の移動性と認知のつながりを公式に示した初めてのものです。このつながりを明らかにしていくことで、より優れたパブリックスペースや輸送機関のデザインができるでしょう。最終的には、我々全員にとってより持続可能で健康的な都会の環境を作り出すことを促進すると考えています」とBaronchelli氏は述べました。

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