暑い夏を乗り切るにはエアコンなどの文明の利器を使用するだけでなく、さまざまなアイデアを活用する必要があります。そんな夏の夜、寝苦しさを解消するために就寝時に扇風機を回しておくことがありますが、これは体に悪いと睡眠の専門家が指摘しています。

Will Sleeping With A Fan Make You Sick? - The Full Effects Explained
https://www.sleepadvisor.org/sleeping-with-a-fan-on/

UK weather: Sleeping with a fan in your room could be bad for your health | indy100
https://www.indy100.com/article/uk-heatwave-cool-down-sleeping-fan-room-bad-health-8464436

扇風機は「暖かい部屋を低コストで冷やす」ことができる機器です。エアコンほど室内を冷たく保つことはできませんが、工夫次第ではただ回すよりもはるかに室温を低く保つことができます。その方法は、まずペットボトル4〜6本分の水を用意し、その中にティースプーン2〜3杯分の塩を加えます。そして、これを冷凍庫で凍らせ、就寝時に凍らせたペットボトルをトレイの上に置きます。このトレイを扇風機の前に置くことで、就寝時に冷たい風を浴びることができるようになるわけです。

しかし、就寝時に常に扇風機を回したままでいることは、さまざまな理由から人間の健康にとって有益なものにはならないと睡眠専門家のマーク・レディック氏が指摘しています。

扇風機を使用すると室内の空気が循環します。すると、塵や花粉が飛び散るため、アレルギーやぜん息を持っている人、さらには花粉症になりがちな人は、発作を起こしたり各症状を悪化させたりする可能性があります。加えて、扇風機の羽根部分にほこりがたまっている場合は、細かなほこりが空気と一緒に流れてくることになり、アレルギー反応などを起こすことがあるとレディック氏。

さらに、就寝時に扇風機を使用していると、体に空気が絶え間なく吹き付けることとなります。これでは肌が乾燥してしまうため、寝る際にはローションや保湿液を使用することが推奨されています。また、一部の人は目を開いたまま寝るため、扇風機による送風で目が乾燥してしまう可能性が危惧されています。もしもコンタクトレンズをしたまま就寝してしまい、開いた目に風が送り続けられてしまうと、大きな問題になる可能性があるとレディック氏は指摘。口を開けたまま寝る人の場合は、扇風機による送風が口や喉を乾燥させてしまい、風邪などにつながる可能性も指摘されています。


他にも、扇風機による空気の流れは一定しているため、鼻腔が乾燥しやすくなるという問題があります。乾燥が極端な場合、過剰な粘液が生成されてしまい、鼻づまりや痛みといった、副鼻腔炎の症状が出る可能性もあるとのこと。

扇風機からの風を直接体に当てて寝ている場合、筋肉が痛んで目を覚ますことがあります。これは濃縮された冷たい空気が筋肉を緊張・痙攣させることがあるためで、こういった症状は顔や首の近くで見られるそうです。朝起きて首の筋肉が硬くなっている場合、これは扇風機による風が原因かもしれないとレディック氏。

ただし、扇風機を使うことが乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐ役割を果たすことも研究から明らかになっています。SIDSの主な原因は気温と二酸化炭素レベルの上昇にあるため、扇風機を使って室内の空気を循環させることで、気温と二酸化炭素濃度を低下させることが可能となり、SIDSの予防につながるというわけです。


睡眠専門家のレディック氏は、「就寝時に扇風機を使用すべきでない人」として、「アレルギーやぜん息を持つ人」を挙げています。また、皮膚や鼻腔などを乾燥させると、花粉などが体内に過剰に蓄積してしまうケースもあるため、そういった症状に心当たりのある人は扇風機の使用に関して見直す必要がある模様。

それでも扇風機は暑い夏の睡眠の質を向上させるための「最も費用対効果の高い機器」とレディック氏は語っており、適切に使用するために首振り機能やタイマー機能を駆使することを勧めています。

Photo by Charles Deluvio