ウェブサイトが無断でユーザーの情報をトラッキングするのが嫌な人のために、多くのブラウザでは「トラッキング拒否機能(Do Not Track)」の設定を行うことができます。しかし、「このトラッキング拒否機能には実際のところほとんど意味がない」と、プライバシー保護を掲げる検索エンジンである「DuckDuckGo」の公式ブログが指摘しました。

The "Do Not Track" Setting Doesn't Stop You from Being Tracked
https://spreadprivacy.com/do-not-track/

トラッキング拒否機能は「インターネットブラウジング中に遭遇するウェブサイト、情報分析企業、広告ネットワーク、プロバイダ、ネットサービスなどがあなたの行動を追跡するのを防ぎます」という名目で、ChromeやFirefoxなどのブラウザに用意されています。

個々のサービスでプライバシーの設定を確認しなくても、ブラウザ自体の機能としてトラッキングを拒否できるのは非常に便利ですが、DuckDuckGoによれば残念なことにブラウザのトラッキング拒否機能は効果的でないとのこと。実は、トラッキング拒否機能はそれ自体がトラッキングを防ぐ機能を持っているのではなく、ウェブサイトに「このユーザーはトラッキングを拒否しています」というシグナルを自発的に送信するだけだそうです。

それにも関わらず、多くのユーザーはブラウザ上でトラッキング拒否機能を設定しています。トラッキング拒否機能はデフォルトだとオフになっていることが多いものですが、2018年11月にDuckDuckGoが503人の成人したアメリカ人にアンケートを実施したところ、23.1%もの人々がトラッキング拒否機能をオンにしていると回答しました。

多くの人々がトラッキング拒否機能をオンにしているものの、トラッキング拒否機能は単にシグナルを送っているだけだという事実を知っている人は多くありません。トラッキング拒否機能について聞いたことがあり、「少しなじみがある」あるいはそれ以上になじみがあると回答した人でさえ、44.4%はトラッキング拒否機能がシグナルを送るだけだと知りませんでした。

DuckDuckGoはこのトラッキング拒否機能の性質について、「ブラインドを上げた状態で『私の家を見ないでください』という看板を庭に設置する」のと同じようなものだと指摘。実際に、GoogleやFacebook、Twitterといった大手IT企業はトラッキング拒否機能のシグナルを無視しているとのこと。

トラッキング拒否機能という名称に対して実際に行っている行動がほとんど効力を持たない点は、ユーザーに対し大きな誤解を招くとDuckDuckGoは主張しています。また、アンケート調査に回答者にトラッキング拒否機能が実際に行う行動について教えた後で、「トラッキング拒否機能のシグナルをIT企業が尊重するべきだと思うか」と尋ねたところ、75.5%の人々は「トラッキング拒否機能のシグナルを尊重することが非常に重要」または「重要」だと回答しました。

さらに、政府による「企業はユーザーが設定したトラッキング拒否機能を尊重しなくてはならない」という規制が必要だと思うかどうかを尋ねると、71.9%の人々が必要だと思うと答えたそうです。

DuckDuckGoは政府がトラッキング拒否機能に関する企業への義務を設けることを期待していますが、Appleが開発するウェブブラウザのSafariからは、トラッキング拒否機能自体が削除されてしまいました。この流れはトラッキング拒否機能が機能しておらず、無意味なものになっている現状を反映しているのかもしれません。

Apple Is Removing 'Do Not Track' From Safari
https://gizmodo.com/apple-is-removing-do-not-track-from-safari-1832400768

Photo by Startup Stock Photos