全世界で1日に1億2600万人が利用しているTwitterについて、利用することで成績優秀な人ほど悪影響を受けて読解力・暗記力を問うテストの結果が悪化することがわかりました。

Let’s tweet again? The impact of social networks on literature achievement in high school students: Evidence from a randomized controlled trial
(PDFファイル)https://dipartimenti.unicatt.it/economia-finanza-def081.pdf

Twitter is not making you smarter and hurting your intelligence, new study finds - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/nation/2019/05/30/twitter-hurting-intelligence-not-smart-study/

これはイタリア・ミラノにあるサクロ・クオーレ・カトリック大学経済学部のジャン・パオロ・バルベッタ教授らの研究チームが発表したもの。

バルベッタ教授らは2016年から2017年にかけて、イタリアの高校70校に通う約1500名の生徒を対象に、ノーベル文学賞作家ルイージ・ピランデッロの小説「生きていたパスカル(Il fu Mattia Pascal)」を読んでもらいました。生徒たちのうち半分はTwitterを利用して、小説を引用しつつ自分の意見を発信し、他人のツイートに返信でコメントするというオンラインディスカッションを実施。残り半分は、従来通り教室で教えるという形態を取りました。そして最後に、「生きていたパスカル」についての理解を確かめる試験を行いました。

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試験の結果、Twitterを利用していたグループは全体的にマイナスの影響を受けており、テストの平均点が標準偏差の約25〜40%分低下。特に成績が優秀な生徒で「女性」「イタリア生まれ」「ベースラインテストの点数が高い」ほど成績低下の傾向が顕著だったそうです。

バルベッタ教授は、Twitterを利用した生徒の成績が下がったことについて、「本の内容に関するツイートをRTすることで、本の内容を吸収できたと誤解したこと」「本を読む時間がSNSを費やす時間に取って代わったこと」の2つの原因があると指摘しました。

なお、バルベッタ教授はもともと、この研究ではTwitterの利用はポジティブな結果を生むと考えていたそうです。この結果を受けて、バルベッタ教授は「Twitterの悪影響」についての結論を出すにはもっと多くの結果が必要であるものの、「SNSをどう利用するかについて、もっと慎重になるべき」と述べています。

by Marten Bjork

ちなみに、サンノゼ州立大学のLiu Ziming教授による2016年の研究で、PCモニターやスマートフォンなどの画面で電子文書を読む機会が増えたことによって読書行動に変化が起きており、詳細な読み取り・集中的な読み取りに費やされる時間が減少し、持続的注意力が低下していることが指摘されています。

Reading behavior in the digital environment | Changes in reading behavior over the past ten years | Journal of Documentation | Vol 61, No 6
https://www.emeraldinsight.com/doi/abs/10.1108/00220410510632040

Photo by Banter Snaps