ストリーミングサービスのNetflixは月額800円、1200円、1800円という3種類の利用プランを用意していますが、さらなるユーザー獲得のために、インドなどの成長市場でより安価な会員プランを提供すると発表しています。

Netflix will roll out a lower-priced subscription plan in India | TechCrunch
https://techcrunch.com/2019/07/17/netflix-lower-price-india-plan/

Netflixの2019年第2四半期決算報告によると、同サービスの新規会員数は270万人増加したものの、これは2019年当初に予測していた「500万人」という数字よりもはるかに少ないものだそうです。

そこで、Netflixは月額800円の利用プランをさらに安くすることで、インドなどの成長市場でより多くのユーザーを獲得することを目指すと発表しています。この新しい利用プランは2019年の第3四半期にインドで利用可能になる予定です。なお、第三者機関の調査によれば、Netflixはインドで200万人未満の会員しか獲得できておらず、これを増加させることが当面の課題となる模様。


Netflixはすでに2018年末からインドとアジアのいくつかの市場でより低価格な会員プランのテストを行っています。テストされたプランはNetflixを利用可能な端末はモバイルデバイス1台のみで、映像の解像度は最大480p、月額は4ドル(約430円)というもの。また、テスト期間中、Netflixは月単位の会員プランではなく、週単位の会員プランを提供するというオプションも試していたそうです。

Netflixは2019年第2四半期決算報告の中で、インドで展開予定の格安プランについて「数か月のテストの後、我々は既存のプランを補完するためにインドで低価格帯のモバイル端末向けのプランを提供することを決めました。2019年の第3四半期から提供されるこのプランは、インドのより多くの人々をNetflixにいざない、有料テレビのARPUが低い(5ドル:約540円以下)インド市場で、当社の事業をさらに拡大するための効果的な方法となるだろう」と記しています。

Netflixはこの格安プランが月額いくらから利用できるようになるかは明かしておらず、他の市場にも導入する予定があるのかどうかについても考えを明らかにしていません。海外メディアのTechCrunchはNetflixにインド市場向けの新しい格安プランについて質問したそうですが、回答は得られていません。


1人当たりのGDPが2000ドル(約22万円)未満というインドで娯楽サービスを販売することは非常に困難です。インド国内で高い業績を上げている企業の多くは非常に低い価格で製品やサービスを提供しています。音楽ストリーミングサービスのSpotifyも、インド市場では無料でユーザーにサービスを提供しており、高品質の音楽再生が可能なプレミアムプランも月額119ルピー(約190円)という安価で提供されています。

しかし、成功例がないというわけではありません。ディズニーが所有するストリーミングサービスのHotstarは、実に80%ものコンテンツを無料で提供しており、その結果、毎月3億人以上のアクティブユーザーを集めることに成功しています。調査レポートによると、インドのインターネットユーザーの総数は約5億人であるため、かなり多くのユーザーがHotstarを使用していることがわかります。Hotstarが提供する無料プランには広告が表示されますが、この広告を非表示にするには年間999ルピー(約1600円)の費用が必要となる模様。

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Netflixはインドでより安価なプランを提供すると発表したわけですが、世界中の多くの地域では提供プランの値上げを行っており、2019年1月にアメリカで最大18%の値上げを行っています。

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なお、Netflixのリード・ヘイスティングスCEOは、インドは新しく1億人のユーザーを獲得することもできる市場であると語り、今後のインド市場での展開に期待を込めています。

Photo by Thibault Penin