ハッカーでありファッションデザイナーでもあるケイト・ローズ氏は、2019年8月8日(木)から8月11日(日)までラスベガスで開催されたセキュリティイベント「DEFCON27」で、「Adversarial Fashion(敵対的ファッション)」というオリジナルブランドを発表しました。Adversarial Fashionの服は自治体や政府が設置している監視システムに干渉するようなデザインとなっていて、監視カメラから個人の特定を防ぐことができるとのことです。

Adversarial Fashion
https://adversarialfashion.com/

The fashion line designed to trick surveillance cameras | World news | The Guardian
https://profile.theguardian.com/privacy-settings

ローズ氏が発表した服が以下。服にはびっしりとナンバープレートや回路図のような模様が描かれています。

監視カメラのセキュリティシステムには、画像認識によって車のナンバープレートを自動で捕捉して車を識別するALPR(Automated License Plate Readers、自動ナンバープレート読み取り)と呼ばれる機能が搭載されています。

このALPRは街角に設置された監視カメラのほか、警察の車両に搭載されたカメラでも機能するとのこと。The Atlanticの報道によると、実際に警察によって運用されているセキュリティシステムのALPRは1分間に最大1800枚と、ミリ秒単位でナンバープレートを認識することができるそうです。

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こうした監視カメラと顔認識技術の進歩と普及は犯罪抑止に役立つ一方で、個人のセキュリティーやプライバシーを脅かすものになっていると懸念する声もあがっています。実際に、そういった批判を受けて、布に印刷できる「顔認識を防ぐための特殊な模様」が開発されたこともありました。

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Adversarial Fashionの服は、大量のナンバープレート模様が描かれたデザインとなっていて、服を着た人物はセキュリティシステムから車であると判断されてしまうという仕組みです。実際にALPRで認識したところが以下の画像で、一人の体からいくつものナンバープレートが識別されてしまい、そこには存在しない乗り物を認識してしまっています

ローズ氏が用意したデザインは、車のナンバープレートと電子回路のような模様が入り混ざった「ダイアモンドリピート」

ナンバープレートが互い違いになるように組み合わされて描かれた「ハーフブリックパターン」

アメリカの権利章典修正第4条にある「不合理な捜索および押収に対し、身体、家屋、書類および所有物の安全を保障されるという人民の権利は、これを侵してはならない」という文面をそのままナンバープレートにしてプリントしたデザイン「4th Amendment Print(修正第4条柄)」が用意されています。

Adversarial Fashionの服は、公式サイトでも取り扱われていて、Tシャツやスカート、パーカー、ハーフトップ、ジャケットなどが販売されています。価格は24.99ドル(約2650円)から49.99ドル(約5300円)ですが、日本への発送も可能かどうかは不明です。