Googleが主にAndroid端末向けにアプリやコンテンツを提供する配信サービス「Google Play」では、サードパーティーの開発者も自作のアプリを公開し、アプリの購入料や課金などで利益を得ることが可能です。しかし、Google Play向けのアプリで生計を立てていた開発者が、理由を知らされることもなく突如としてアカウントを削除されるという事態が発生。開発者は「一夜にして全てを失った」と訴えています。

How Google Play “Terminated” a Developer for No Reason
https://medium.com/@tokata/how-google-play-terminated-a-developer-for-no-reason-e4d760e9f472

フリーランスのアプリ開発者であるパトリック・ゴドー氏は、TokataSoft名義でGoogle PlayやApp Storeに8つのアプリを配信し、Google Playを中心に合計数百万ダウンロードを記録するほどの人気アプリ開発者です。

ゴドー氏が開発したアプリの中で代表的なのが、好きな背景画像を使って映画「スター・ウォーズ」風のオープニングロールが作れる「Star Words」です。
Did you know? You can add custom background images with the menu Settings > Background image > Add...
Have fun with Star Words app, and may the Force be with you!#StarWars #StarWarsCelebration #StarWarsFan #StarWarsIX pic.twitter.com/1nmgiXymAm— Tokata (@TokataSoft) 2019年7月12日

ほかにも、こんな感じで銀河を延々とズームして星空を楽しめる「Cozmic Zoom Lite」などもリリースしていました。
#BlackHole approaching... In the meantime, here is a zoom to the center of the Milky Way <3 (Video by ESO from Cozmic Zoom app.)#BlackHoleDay #EHTBlackHole #EHT pic.twitter.com/VTHnPacNoa— Tokata (@TokataSoft) 2019年4月10日

しかし、2019年7月31日に突然Googleからゴドー氏のもとに「Star Wordsが悪意ある動作をしているため、ポリシー違反とみなしGoogle Playから削除しました」とのメッセージが届きました。そして、同日のうちにGoogle Playの開発者アカウントまで閉鎖され、ゴドー氏が配信していたアプリも全て消えてしまいました。

ゴドー氏がアプリの削除を経験したのはこれが初めてではありませんが、これまでは無事に問題を解決することができています。最初の事例は2017年にTokataSoft初のアプリ「Jimi Guitar」を配信した時のこと。人気を博したJimi Guitarが中国で大量にコピーされているのを見たゴドー氏は、Googleがエンジニア向けに推奨している「アプリケーション改ざん防止技術」を導入し、著作権侵害を食い止めようとしました。

しかし、その技術を導入したStar WordsとCozmic Zoom Liteがウイルス対策アプリ「F-Secure Mobile Security」よりブロックされるとユーザーから報告を受けたため、ゴドー氏はすぐさまF-Secureのサポートに連絡して誤検知している旨を通告。2日後にはウイルス対策アプリから「安全」だと判定されるようになり、事なきを得ました。


また、2018年6月にCozmic Zoom Liteが突然削除された時には、Googleから「アプリによるYouTubeアクセスに関連している可能性がある」と情報提供がありました。ゴドー氏はこれについて、Cozmic Zoom LiteがYouTubeにアップロードされたパブリックドメインのムービーを使用していることと関係があるのではないかと考えましたが、結局具体的な問題を突き止めることはできませんでした。

しかし、ゴドー氏がアプリを再度配信したいとGoogleに申請したところ、別のアプリとして配信することを条件に申請が受理されたため、それまでのダウンロード数はリセットされてしまったもののCozmic Zoom Liteは無事に再配信にこぎつけています。

今回のアプリ削除やアカウント凍結も「きっと何かの間違いだろう」と考えたゴドー氏は、すぐさまGoogleに問い合わせをしましたが、有効な返答はないばかりか、もう二度と開発者アカウントを登録できないことや、アカウント登録料の返金はされないことなどが書かれた返事が届いただけだったとのこと。

ゴドー氏はMediumの記事に、「Googleのメールを受け取った時のわたしの様子」とスター・ウォーズに登場するハン・ソロがカーボン凍結されたシーンの画像を掲載していますが、記事作成時点で、TokataSoftの公式Twitterアカウントのプロフィール画像もこの画像になっています。

ゴドー氏は、Googleに対して「悪意あるアプリからシステムを保護し、ユーザーの信頼を守る必要があることは承知しています。しかし、一夜にしてすべてを失うことを心配しなくても済むという、開発者の最低限度の信頼も必要ではありませんか」と訴えています。

また、これまでアプリを愛用してくれたユーザーには「もしアプリが単なる暇つぶしのおもちゃだったとしても、そのアプリのバックグラウンドにはそのアプリを開発するために日夜心血を注いだ人がいることを忘れないでください」と述べて、今回のような事例があることを広めて欲しいと呼びかけていました。
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