太陽系外惑星の「海洋」のことはまだあまり詳しくわかっていませんが、太陽系外惑星の海洋循環を調べている研究者によると、生命が存在可能であると考えられている「ハビタブルゾーン」の一部の惑星では、地球よりも生命が繁栄できるぐらいの好条件がそろっている可能性があるとのことです。

Goldschmidt2019: Abstract Details - Exo-Oceanography and the Search for Life in Uncharted Waters
https://goldschmidt.info/2019/abstracts/abstractView?id=2019002009

Upwelling Oceans: Modeling Exoplanet Habitability
https://www.centauri-dreams.org/2019/08/27/upwelling-oceans-modeling-exoplanet-habitability/

There Could be Planets Out There Which are Even More Habitable than Earth - Universe Today
https://www.universetoday.com/143229/there-could-be-planets-out-there-which-are-even-more-habitable-than-earth/

これは、シカゴ大学のステファニー・オルソン博士がゴールドシュミット地球化学会議の基調講演で発表したもの。

NASAでは「生命の居住可能な惑星」の基準を地球に置いて、「地球のような環境の星」の探索を行ってきました。しかし、遠方にある太陽系外惑星が地球のような環境かどうか、直接調べる方法はないため、惑星の気候と進化をモデル化し、大気中の生命の痕跡(バイオシグネチャ)を求めてきました。

オルソン博士らの研究チームは、こうした従来の調査について、太陽系外惑星における海洋循環が熱輸送と気候変動の点でしか考慮されていない一方、地球の海洋では、海水が深層から表層に湧き上がる「湧昇」によって多くの栄養補給が行われ生物の活性が増していることから、「湧昇」も考慮すべきであると指摘。

実際に研究チームが海洋循環モデルを使用してどの惑星に効果的な湧昇流があるかを計算したところ、大気密度が高く、自転速度が遅く、大陸が存在する惑星で高速な湧昇流が存在することがわかりました。オルソン博士によれば、生命の居住においては地球が最適な環境というわけではなく、地球よりも生命が繁栄している惑星が存在する可能性もあるとのこと。


ただ、適切な太陽系外惑星を識別した上で、オルソン博士らの仮説を調査できるような宇宙望遠鏡は存在しておらず、NASAが開発を進めている多波長宇宙観測所「LUVOIR」や太陽系外惑星用望遠鏡「HabEx」などに託される課題となりそうです。

Photo by JanBaby