ゲーミングPCって、今はちょっと微妙な立ち位置。かつてはPCゲームとコンソールのゲームは遊べるタイトルに結構な隔たりがあったし、マシンの性能にも差があったりしましたが、が、今はそこそこな値段でハイスペックなコンソールが買えてしまう時代。

ゲームソフトだってコンソール版もPC版も同時発売が多く(しかもローカライズもバッチリされてる!)、インディーゲームもコンソールで遊べるようになってきたし、しかもXbox Oneなら「Xbox Play Anywhere」で対応するゲームがXboxでもPCでも遊べるという状態に。

こんないい時代に、あえてゲーミングPCを買うんだったら、コンソールを置き去りにするくらいにパワフルなマシンが欲しくなりますよね。

80年代風のメタリックなロゴが似合う名前だぜ image: Retro Wave

今回はそんなゲーマーの思いに答えてくれそうな、定価が税込48万5784円からという超高価格帯のノートPC『The New Razer Blade Pro V2』をRazer社からお借りして、試してみました。「レーザーブレイド」って「ナイトライダー」や、「エアーウルフ」、「ハッカーマン」みたいな80年代っぽいイカしたネーミングですが、一体どんな奴なのか!

ゲームとは思えないクールなルックス

隣りにあるのはMacBook Proの13インチ。指紋が目立つのが玉にキズ。

まずはそのルックスから。ブラックなボディにRazer社のかっこいいマークが入り、厚さは22.5mmとゲーミングPCにしてはかなり薄型。ゲーミングPCというとSF感あふれるゴツゴツしたデザインを想像するかもしれませんが、非常にスッキリとした作り。

こいつがあれば、君もクールなノマドゲーマーだ!

一見ゲーミングPCに見えないルックスなので、カフェで仕事をしながら息抜きでゲームをするなんていうクールな使い方も可能。なんなら仕事をしてる風で全力でゲームもできちゃう。ランチついでに「ドン勝」も悪くない。

そしてキーボード部分にはゲーミングPCのお楽しみ要素でもある、イカしたLED内蔵。設定を変えれば、こんな風に光りが波打つようなエフェクトを持たせることも。ゲームで遊ぶ上でまったく必要ない要素だけど、楽しい。しかし、実際使うと時にはオフにしてしまうかも。

キーボード自体はかなりクリック感が強い仕様。押すときにメリハリがあるのでゲームでは使いやすい。かなりハードなクリック音がするので、カチャカチャターンと音と立ててハリウッド映画っぽいハッカー感を味わいたい層にはプラスな要素。

面白いのはタッチパネルの位置。ノートPCの多くはシフトキーの下あたりにタッチパネルがあるけど、こいつは右側にあるという仕様。ゲーム中に間違えて触ってしまわないのでこれはいい位置。しかし、タッチパネルをゲームに使うには困難なので、素直にゲーミングマウスかコントローラーを用意するかしたほうが良いでしょう。Windowsですから、Xbox Oneのパッドがそのままペアリングできますし。

値段を裏切らないパワー!

そして気になる性能ですが、主なスペックはこんな感じ。

モニタ:17.3インチ アスペクト比 16:9、解像度 3840×2160、静電容量方式マルチタッチ

グラフィックス::NVIDIA® GeForce® GTX 1080 (8GB GDDR5X VRAM)

CPU:Core i7-7820HK オーバークロック版クワッドコア プロセッサー 2.9GHz / 3.9GHz / 4.3GHz (定格/TB時/OC時)

メモリー:32GB デュアルチャンネルメモリー (DDR4、2,667MHz)

OS:Windows 10 (64ビット)

ストレージ:512GB SSD RAID 0(2x 256GB PCIe M.2)もしくは1TB SSD RAID 0

(2x 512GB PCIe M.2)

GTX 1080は、ノートPC向けでありながらデスクトップ向けと同等パワーが出せるということが売りの高性能GPU。それが同じく高性能なCPUと沢山のメモリーのおかげで、ハイスペックを要求するゲームでもガッツリ楽しむことができます。ストレージもSSDなので、ローディングがかなり早いのも魅力。

今回は『ARK』なんかも試して見ましたが、モニタは4K解像度に対応しており高画質な過酷な大自然と獰猛な恐竜、そして人間も恐竜も等しく量産し続ける排泄物を堪能できました。恐竜のフンだって4Kさ。

さらにティアリングやカク付きを抑える「NVIDIA G-SYNC」にも対応しており、かなり美しい映像を堪能することができます。ディスプレイはグレア仕様で鮮やか。グレアは長時間のゲームには向かないですが、やっぱり色がキレイなのはいい。

ゲーミングPCとしてはあんまり用途が思いつかないけど、ディスプレイは一応タッチパネルにもなっています。触ると指紋がメチャクチャ目立つので、個人的にはなるべく触りたくないけどね。

またもう一つの大きな特徴は音響。スピーカーは映画館でみたことがあるに違いないTHX社との共同開発でかなり迫力のある音質。ゲームをする時はヘッドセットで遊ぶという人が多いと思うので聞く機会は少ないかもしれないですが、のんびり映画を観たりするには便利。

モンスターを圧縮した代償

というわけで、スリムなルックスも最新ゲームもらくらく動かせるパワーもすごくいい。しかし、モンスターマシンを薄型にした代償は大きかった……!

まず一番気になったのが、騒音。2個ついた小型ファンはゲームを始めたとたん小さめの掃除機くらいの音がして、隣の部屋でもドアを聞こえるレベル。そしてキーボードのカチカチ音もかなり目立つ。

どちらもゲーム内で無音のシーンとかだとヘッドセットをしていても音が聞こえるレベルなので気になる人はかなり気になるはず。LANパーティーに持ち込むと、その轟音で「薄型なのにやべぇ音……奴のマシン、一体どんな化物なんだ!」とライバルを戦慄させられるかもしれませんが、カフェや職場でクールにゲームしたい時には大問題。

もう一つ気になるのが熱。ブラウジングなんかをしている時は問題がないんだけど、ゲームに熱中し始めるに連れて、ボディも轟音と共にグングン熱を感じるようになってくる。

冬場にあえてカフェテラスで遊ぶときには暖が取れていいかもしれませんが、結構熱くてとてもクールには遊べない。熱はPCの天敵なので内部パーツの寿命も心配に。自宅ならデカいファンのついた冷却台がほしい。

熱と言えば、ACアダプタもかなり気になる。収納しやすい薄型デザインだけど、外で遊んでいて、いざカバンにしまおうという時に心配になる熱さ。

また本体は3.4kgあり、ACアダプタを含めるとサイズと重量は結構なもの。持ち運びにはバックパックが必須となるのですが、17インチというフットプリントがとにかくデカくて、これが入るパックパックを家の中で探す必要がありました。はっきり言って、アメリカンなクルマ文化でないと、これを「モバイル」とは呼べないような。

現実的な事を言うと、モバイル・ゲーミングPCというよりは省スペース・ゲーミングPCであり、家の中でPCやモニタを常時おいておく固定スペースが取れないけど、最高の品質でゲームがしたいという人にはアリな選択肢なのではないでしょうか。

『The New Razer Blade Pro V2』はSSDが512GBのモデルが税込48万5784円、SSDが1Tのモデルが税込53万9784円で販売中。

image: Razer、Retro Wave
source: Razer

(傭兵ペンギン)