Photo: ギズモード・ジャパン編集部


ウェアラブルは腕時計型、眼鏡型から、シャツ・パンツ・グローブ型に変わっていくのかも。

CES2016に展示されたIoTセンサーシャツ「e-skin」。そのコンシューマー版が日本で発表されました。こちらはコンピュータグラフィックに関するカンファレンス「SIGGRAPH 2017」のタイミングに合わせて、アメリカ西海岸時間8月1日9時(日本時間8月2日1時)から、Kickstarterに登場します。


Photo: ギズモード・ジャパン編集部


初めてこの製品を知ったときは、モーションキャプチャ用のセンサーシャツだと思っていたんです。が、違いました。このe-skinには、ゲームのコントローラ、スポーツのフォーム検出センサー、熟練の職人の技を数値化するためのセンサーなど、多くの用途で使える機能が備わっています。


Video: ギズモード・ジャパン/YouTubee-skinの機能を使って遊ぶゲームのデモ


胸の中央にあるハブには加速度センサーとジャイロセンサーが組み込まれており、シャツの表面(肩、肩甲骨、手首、肘、脇下、胸、背筋の7カ所×2)にはライン状の歪みセンサーが内蔵。関節部の動きだけではなく、筋のひねるような動きも検出できるシャツなんですね。


Image: © 2015 Xenoma Inc. via Xenoma


この捻れを数値化できるというのがポイント。例えばゴルフの場合、オーバーザトップ、肘が曲がっている、インパクトで力んでいる、上半身が開いているなどのスイングのくせを90%以上検出できるとのこと。

フォームの判別にはビッグデータを用いたディープラーニングを使っており、データが用意できるのであれば、ゴルフのスイング以外にも使えます。例えば、野球のバッティング、テニスのスイング、アーチェリーにダンスのフォームの崩れも、e-skinが教えてくれるようになるのかもしれません。

ちなみに、服の表面にあるセンサーと回路部は普通の布と同じように伸び縮んで、くしゃっとつぶすこともできます。耐水性もあって、真ん中のハブを取り外せば洗濯もOK!


Video: Xenoma/YouTubee-skinを着ながら体を動かすことで、Hololens内に映るアバターを操作するというデモ


また、ユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)に対応しているところにも注目です。PC本体を介さず、HoloLensのようなデバイスにBluetoothで直接つなげることができます。


Photo: ギズモード・ジャパン編集部


現状はフォームを検出できるデータが少ないため、JINS MEMEのように、e-skinを使って新たな使い方を試したい人に向けたプロダクトとなりそうです。本当の意味でコンシューマー用となるまでには、まだ時間がかかるかもしれません。

しかしデータが集まっていったらどうなるでしょうか。想像にすぎませんが、肩こりの具合を図ることができるかもしれませんし、体幹バランスの崩れからくる麻痺の兆候を知ることも可能になるかも。身体全体からバイタルサインをとることができるメリットは、その先に広がる先制医療の市場の到来を強く予感できるものです。


Image: © 2015 Xenoma Inc. via Xenoma


このシャツは上半身しかないから、できないことも多い? いや、技術的にはズボン型も手袋型も可能です。また歪みセンサーの感度を増減させることできるようです。

Kickstarterでは、シャツ、ハブ、開発用SDK、専用アプリケーション1つで479ドル(約5万4000円)から提供開始となります。また今回のモデルは低価格でリリースするための第一号機にすぎず、今後は他の仕様のモデル展開も考えているそうです。

「e-skin」を開発した東大発ベンチャー、Xenoma代表取締役CEOの網盛さんいわく「こういう服が、ユニクロの棚に陳列されるような未来を期待したい」とのこと。もともとB2B用に開発した初期の「e-skin」は数千ドルもの価格でしたが、量産効果によって低価格を実現できたとのこと。服にセンサーを縫い付けているという未来が当たり前になるころには、もっと安い価格で提供できるようになるのでしょうね。

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Image: © 2015 Xenoma Inc. via Xenoma
Source: Xenoma

(武者良太)