Image: Marina Galperina / Gizmodo US


うっとうしいのに意外とやみつきに…?

ゲームや映画の没入感を高めるには、サイズの大きいTVを買ったり、部屋を暗くしたり、音響にこだわったり、VR化されたコンテンツを選んだりといろいろな方法があります。そんな中、最近Kickstarterから誕生した新たな没入ツールが「DreamScreen」です。DreamScreenは、TV本体の背面にテープ状のLEDライトを貼り、ライトの色をTVの映像にマッチさせることで、コンテンツの迫力を増強する(という触れ込みの)仕組みです。


Video: DreamScreen / YouTube


コンテンツの中身をいじるんじゃなくて外側に追加するっていう発想が斬新ですが、TVの周りが常時光ってたら普通にまぶしいんじゃないかとちょっと心配もあります。実際使ってみるとどんなものなんでしょうか? 米ギズモードのMarina Galperina記者が実際使ってレビューしていますので、以下どうぞ!
                                       

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豪華絢爛です。突然TVの裏側から光が放たれて、安っぽいタイトルシーケンスが良い意味でものすごいことになるんです。TVの没入感を高めるべく開発されたバックライティングシステム「DreamScreen」は、私にとってはまったく不必要なガジェットです。開発元の謳い文句によれば、このライトはTV画面上のピクセルに基づいて色を変えて、「没入感ある劇場のような体験」を作り出します。でも実際は、刺激が強すぎるし、気が散るし、何なら吐き気すらもよおす変なガジェットですが、だからこそやみつきになる魅力があります。

私はPhilipsのワイヤレスLEDライト・Hueを愛用していて、スマホから部屋の色を変えられるのっていいよね、とか思っています。DreamScreenはHueのいとこ的なAmbiluxTVをざっくりと模したものであり、同じ匂いがするなと思ってました。あと私はサムスンの55インチ曲面TVも買ってしまってたので、DreamScreenを使えばさらなる没入感実現!と思ってました。

でもその考えは、浅はかでした。私は、私がこのガジェットに対して抱く愛憎悲喜こもごもの複雑な心境を予測できていませんでした。

Image: Marina Galperina / Gizmodo USアンボックスするとこんな感じです。


DreamScreenのキット内容は、それにつなげるTVのスペックによって違っていて、価格も150ドル(約1万7000円)〜305ドル(約3万4000円)と幅があります。セットアップ自体がやや大げさで、TVの裏に貼り付けるLEDテープもごっついし、HDMIスプリッタの入力側にはビデオソース、出力側はTVにつながなきゃいけないし、スマートフォンアプリをダウンロードして設定しなきゃいけません。さらに、TVからちょっと離して使うオプションの「サイドキック」ライトもあり、そちらはひとつ66ドル(約7300円)で別売りです。そしてそれらを相互につなぐ大量のケーブルが必要です。電源だけでも3つも必要です。

実際使ってみると、DreamScreenのサイトに書かれているように、たしかにTVが「大きく、明るく」感じられます。でももちろん、画面の面積自体が広がるわけではありません。それはときには画面の色を反響し、ときには画面の端のピクセルの色を再現することで、テレビの裏から壁一面に、映像の中身に随時合わせた光を輝かせます。


Image: Marina Galperina / Gizmodo USひとつ残念なのは、壁がつやつやすぎたことです。


上のGIFでわかるように、ドラマチックな爆発シーンではなかなかうまく機能していて、まるで家の壁までもが燃えているかのようです。上の動画は『ツイン・ピークス The Return』の一部ですが、DreamScreenはこういう印象的な映像とか、『2001年宇宙の旅』のサイケなシーンとかで真価を発揮するようです。


Image: Marina Galperina / Gizmodo USサイドキックをふたつ置いたところ。このレイアウトはいまいちですが。


でもドラマチックじゃない場面では、人物の服みたいな動きのないものが明るくぼけたピクセルが反響するだけで、 全然盛り上がりません。日中とか白黒の場面では、青白い後光が差すのみです。あとはレターボックスサイズの映像を見た場合も、当然といえば当然ですが、画面の隅の黒い部分が目立つだけでした。

そして特に強調したいのは、見た目のうるささです。サイドキックは使わず、さらに明るさを最小にしても、DreamScreenはすごくまぶしいです。私は映画見るとき部屋を真っ暗にして画面に集中したいんですが、DreamScreenがあると部屋全体まで照らされて、すみっこにある洗濯物なんかが目についてしまいます。それから映像にこだわりのある人なら、中身が枠からにじみ出て、制作側の意図しない見え方になるのが気になるかもしれません。

あとDreamScreenは一応「健康上のメリット」なるものも謳っていて、何かっていうと「疲れ目を軽減」するそうです。この主張は2006年に発表された(たったひとつの)論文に裏付けられていて、そこでは「被験者は、TVを取り囲む照明がある方が、体や目の疲れを感じにくかった」とされています。つまりライトが追加されることで、TVによる疲れ目が軽減されるんだそうです。でもこの論文では、これらの結果は「控えめ」なもので、中には逆の結果になる場合もあったとも言っています。私個人の体験から言えば、TVがまぶしいと疲れるし、実際しばらく目が痛くなりました。


Image: Marina Galperina / Gizmodo USDreamScreenでのゲームは、特に画面の近くに座れば、最高です。


DreamScreenがその真価を発揮するのは、ゲームです。私はゲームのときはTVの近くに座って画面の狭い範囲に集中するのが常なんですが、これでDreamScreenを使うと、画面の端の方とDreamScreenの光が混ざり合って、まさにねらい通りの没入感でした。画面全体が見えないので、LEDライトのつぎはぎな感じも問題になりません。上のGIFみたいに、光がビュンビュン飛び交う臨場感が味わえます。

Image: Marina Galperina / Gizmodo USTVの裏のLEDテープ。


それ以外のコンテンツでも、没入感はまああるんですが、それより光が気になるし、目を細めたくなるし、目が泳ぎ始めるしで、むしろ気が散る面もあります。自分自身に、これ本当に使いたい? 楽しい? なんでやってるの? と問いかけたくなるかもしれません。


Image: Marina Galperina / Gizmodo US白黒や日中の場面では、青白い光になります。


でも、やり過ぎだとか、変だとか、そういうのは何かを試すのにはむしろ完ぺきな理由です。一方で、お腹いっぱいになって飽きてしまったら、使わなくなっても仕方ないでしょう。ただそうなる前に、全く必要ないんだけど存在に慣れきってしまうってことがあります。

たとえばちょっと前、私はWonder Womanを4DXで見たんです。4DXとは3D+αってことで、上映中に席がガタガタ揺れたり、髪に水をかけられたりしてきました。それは、映画を楽しむために必要不可欠では全然ありません。それでも今、4DXがそんなに好きかどうかもよくわからないにもかかわらず、これから映画で席が揺れたり匂いがしたり、そういうのがないとつまらないなって感じが出てきてます。

人生何事も完ぺきということはなく、多くのものは、良いものだとすら言えません。DreamScreenはイマイチであると同時に、良いものでもあると思います。これを心底必要としている人はいないんですが、慣れてしまうのは恐ろしく簡単です。今やDreamScreenなしで映像を見ると、寂しい気持ちになってしまいます。TVを見ていないときにはアンビエントライトとして使えるので、「Rainbow」とか「Fireside」みたいなテーマでライトを光らせちゃってるくらいなんです。

■まとめ
・電源が3つ必要です。
・本当に明るくて、ドラマチックです。
・ゲームとか派手な爆発シーンとかには良いですが、レスペクトする映画を見るのには向いてないと思います。
・これを好きになれるかどうかは、何を持って「没入」とするかで違うはずです。
・否定するのは簡単ですが、使ってみるとやみつきになります。


Image & Video: Marina Galperina / Gizmodo US, DreamScreen / YouTube
Reference: Gizmodo US, DreamScreen、Journal of Applied Science, YouTube

Marina Galperina - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)