Photo: 小暮ひさのり


思わずポチりたくなる完成度でした。これはヤバイ……。

Surfaceのラインナップとしては、初のラップトップスタイルの「Surface Laptop」や、デスクトップ機「Surface Studio」など、新しいスタイルの機種に注目が集まりがち。そのため、Surfaceシリーズの順当進化系とも言えるこの「Surface Pro」は若干影が薄くなっている気もします。

でも、順当進化系なんです。これまでSurfaceというブランドを持って育ってきた物の最新形態。発表以来、これぞ!と注目していたのです。そして、触ってみて素直に感心したのです。こりゃ売れるよね!と。


完璧なヒンジ構造による無段階キックスタンド


Photo: 小暮ひさのり


まず、Surfaceといえば背面のキックスタンド。閉じた状態ではタブレットとして、開くとラップトップ的に使えるキックスタンドは、この機種から一新された特殊なヒンジ構造によって無段階で角度調節可能。


Photo: 小暮ひさのり


前モデルのPro 4からの大きく進化した部分は、キックスタンドを165度までベタッと傾けることができること。そのスタイルは「Studio Mode」と呼ばれています。確かにこの角度まで倒せるというのは驚きですし、なによりこの角度のまま手を置いてペンでお絵かきといった事もできちゃいます。手を置いたらバキッ!といかないのかな……。と不安になったのですが、ヒンジの剛性はかなり高く、杞憂に終わりました。


Photo: 小暮ひさのり


ヒンジ部は本当によくできていますね。グラつきもせず、硬すぎもせずベストな調整です。90度以上開くことができるこの構造を考えた人は天才ではなかろうかと。いや、それほどによくできているんです。このパーツの品質こそが、SurfaceがSurfaceたる所以ではないでしょうか。


美しく、広く、鋭敏な12.3インチ PixelSense ディスプレイ


Photo: 小暮ひさのり


画面解像度は2,736 × 1,824(267 PPI)で、標準では200%スケーリング。色の再現度も高く、sRGBモードに切り替える事ができるため、写真を見る、編集するといった用途に応えられるディスプレイですね。もちろん、10点マルチタッチ対応で、ペンがなくともタッチ操作OKです。


タブレットモード


Photo: 小暮ひさのり


重量はCore i7モデルが782g。

タブレットとして片手で持つ分にはかなりズッシリしますけど、調べ物などのWebブラウジングや動画閲覧に関しては大画面の恩恵を受けることができます。AndroidタブレットやiPadのような専用のタブレット端末と比べたら、やはり厚みや重さはあるものの、フルWindowsが搭載されているのは強みです。


Surface Pro Signature タイプ カバー


Photo: 小暮ひさのり


ラップトップモードで集中して仕事や作業をしたいときには、別売の「Surface Pro Signature タイプ カバー」がマストです。

底部にカチっと装着され、電源は不要。ファブリック地の手触りの良いキーボードカバーとなっていて、バックライトも付いていますよ。


Photo: 小暮ひさのり


キータッチもほぼノートパソコンのそれと変わりません。膝の上で使うとなると、キックスタンドのエッジが若干痛いかな?と思いますけど、不安定ということもありません。なにより、ももがPCの熱でじんわり汗ばむということもなく快適です。

Surface Pro Signature タイプ カバーの重量は310gあるため、Surface Pro本体と合計したシステム重量が1kgを超えます。軽さを求めるのであれば、他の選択肢もあるかもしれませんけど、とはいえトータルでの利便性を考えたら、これが正義であることは明らかです。

ただ、この正義は2万952円するので、Surface本体の価格に+2万円は覚悟しておきましょう。


Surface PenとSurface Dial


Photo: 小暮ひさのり


「Surface Pen」は筆圧感知能力が旧モデルの1,024段階から4,096段階に向上しています。こちらはPhotoshopなどの対応するアプリがあれば、その恩恵を受けることができるでしょう。また、標準の「ペイント3D」でもペン入力や、ダイアル型入力デバイス「Surface Dial」による操作ができました。

実際にペンで何か描いてもよいのですが、4歳の娘と良い勝負、と呼ばれる僕の絵心でそれを表現するのは難しかったので、かつてファンブックを作って売る的なイベントに熱心だった妻に軽く触ってもらいました。その感想としては、


Photo: 小暮ひさのり


「デジタルよりも紙派だった身としては直感的で使いやすい」

とのこと。この例で利用したソフトがペイント3Dなので、ペンやダイアルの実力を最大限に発揮できていないと思われますが、それでも直感的に操れるというのは、物理的な専用デバイスの恩恵を受け取れるということに違いありません。


Photo: 小暮ひさのり


写真のようにSurface Proでは、画面にダイアルを貼り付けて操作することも可能です。絵を描くのに特化するならば、Surface Dial対応アプリとして「Sketchable」があります。また「ペイント3D」では、3DオブジェクトのZ軸移動にもダイアル操作が割り振ることができるので、3Dオブジェクトの描画・調整にも便利に感じました。もちろんそのほかにも、いろいろなアクションをダイヤルに割り振ることができますよ。

ただSurface Dialはやっぱり、クリエイターに向けたデバイスですね。ブラウザのEdgeやOfficeでも使えますが、その効率化のためだけに購入するのはややもったいない気がします。


Core i7のスペック/使用感


さて、こちらも気になると思うのでスペックの話をしましょう。

CPUラインナップはCore m3/Core i5/Core i7の3つ。いずれも第7世代のCoreプロセッサー(Kaby Lake)。試用したのはCore i7シリーズの中堅機でメモリ16GB、SSD512GBモデルで、ストアでのお値段は税込み28万584円。この上のモデルはSSDが1TBになるだけで、動作や使用感などは変わらないと思われます。

その上でのこのモデルの使用感ですが、何の不満もありません。まぁ、仕様自体は最上位機種なのでさもありなんといったところですけど、すべての動作においてキビキビと良いレスポンスを返してくれますし、3DゲームベンチマークなどのスコアもモバイルPCとしては優秀です。


Screenshot: 小暮ひさのり via ドラゴンクエストX/スクエア・エニックス


こちら、個人的に楽しんでいる『ドラゴンクエストX』のベンチマークですが、外部GPUを搭載しないモデルでこの数値は心強いものがあります。

メモリ多めの機種を選べば、レイヤーをたくさん使って絵を描きたい!といったニーズにも応えられるでしょう。しかもSurfaceなら、どこにでも持ち運んでそういった作業ができるわけです。


まとめ「Surface」というジャンルにおける現時点での完成形



世の中に「モバイル用パソコン」は多々あります。

それらの中にはMacも含まれますし、Windows2in1タブレットもそうですし、さまざまなものが広い意味でパソコンです。しかし、自分のブランド名を主張できるほどの存在感がある製品は限られています。そういった意味では、Surfaceは間違いなく「これはSurfaceである」という主張ができるモデル。僕らの視点でいうと、所有感=ドヤ感があるPCです。

その主張を行なえる理由は、やはりユーザーニーズへの対応・利用シーン・上質感の3つの要素を満たす質実剛健さ。初代Surfaceで提案された2in1というコンセプトが順当に進化し、モバイルに対しての現段階での最適解として送り出されたものこそがSurface Proです。

それは、普段僕が「こう使いたい」といったニーズに対し、すべてを高得点で返してくれました。トータルコストの高さを除けば、そこから得られる体験として欠点らしい欠点が見当たらないのです。今後テクノロジーの発展と、ユーザーニーズの変遷によりパソコンに求められる機能が変わっていくでしょう。しかし、それに応えるMicrosoftなりの最適解が、Surfaceとして登場し続けていくのだと期待させる1台。

今、Windowsパソコンが手元に必要になったら、僕は間違いなくこれを選びます。


Photo: 小暮ひさのり
Source: Microsoft

(小暮ひさのり)