Photo: GENE TV


ぜひとも諸アイドルに振るっていただきたいのです。

2016年6月末にZOOMが発売したパフォーマンス楽器「ARQ Aero RhythmTrak AR-96(以下、ARQ)」は、その特異過ぎる見てくれで大きな衝撃を与えました。新型の蛍光灯なんスよと言っても信じてもらえそうな、およそ楽器とは結びつかぬその容姿です。輝くトラペゾ蛍光灯です。

ARQは、ドラムマシン、シーケンサー、ルーパー、シンセサイザーを搭載した電子楽器。ベース部分のAR-69と、取り外しが可能でAR-96とBluetooth LEで連携するリング状コントローラーAR-96cの2パーツから成ります。といってもどうやってこれでトラックメイクをしていくのか、見た目からはイメージしづらいですよね。できた人は空想力A++です。


Photo: 山田ユウス型


実はそのARQが発売から一年たった今年2017年6月に、大幅アップデート(フォームウェアバージョン2.0)を実施しました。これにより使いやすさがググっと向上し、僕が去年の楽器フェアで触った時の使いやすさを10とするなら15.8くらいまでアップしたんです。それを実感すべく数日間自宅で使い倒してみました。


Photo: GENE TV


まずはARQの一番面白いところに触れるため、デフォルトで入っているプリセットパターンを呼び出して再生してみましょう。この状態でリングコントローラーのAR-96cを取り外して動かします。すると…。


Video: GENE TV/YouTube


このように、動かしてエフェクトをかけることができるんです。AR-96cには3軸加速度センサーが内蔵されており、立体的に動かすことでフィルター、リバーブ、ディレイ、インサートFXなどのエフェクトの流量をコントロールできます。しかもシーケンスに合わせてLEDが光るのでパフォーマンス性も高し。暗がりで振り回せばそれだけで絵になります! 楽しい!


Photo: GENE TV


ではトラックはどうやって打ち込んでいくのかというと、AR-96c自体がパッドコントローラーのようになっているんです(PADレイアウト)。AR-96cを本体にセットすると32個のLEDが確認できると思いますが、それぞればパッドになっていて叩くことでアサインした音を鳴らすことができます。AR-96cは硬めのゴムのような質感で、叩き&触り心地も良い感じ。打面はわりと狭いですけどね。


Photo: GENE TV


INSTモードにしてRECを始めると、メトロノームとともにリングの上面を光が回転します。その状態でそれぞれのパッドを叩くとリアルタイム入力ができるという次第。ベロシティにも対応しているので、メトロに合わせてドラム音源を叩けばグルーヴィなドラムパターンの完成というワケです。仕組みがわかればわりと直感的に感じられました。

サンプルと違って、シンセサイザーの入力はちょっと複雑です。まず音色にシンセサイザーをアサインしたパッドを選択した状態でセレクトノブを押し込んでPADレイアウトからSCALEレイアウトに変更します。この状態だとそれぞれのパッドがスケールになり、ドレミファ〜という感じで音を出せるようになるんです。スケールはメジャー、マイナー、ペンタ、ドリアンといった設定も可能で、ポリフォニックによる和音入力もできます。ベースシンセの打ち込みをするならこのモード!

もう1つの入力方法はステップ入力。本体左下のSTEPを押すとそれぞれのPADにアサインされた音源をDAWの打ち込みのように入力できます。ガッツリ作り込むこともできるし、リアルタイム入力したものをSTEPで軽くエディットしてもOK。複雑なシンセメロはこのモードで作ると良いかも。


Photo: GENE TV


アサインしている音色はEDITで編集が可能。エフェクトやノイズのほかにも、シンセ音源の場合はサイン波やパルス波、ADSRなども変更できます。AR-96cを動かした時のそれぞれの音色に対するエフェクトのオンオフや流量値もここで調整できるので、スネアにだけリバーブをかけたい時はここで設定しておけばOKです。

リアルタイム入力やステップ入力を駆使してトラックを構築、ある程度かたちになったら蛍光灯、もといAR-96cを取り外してエフェクトで遊んでみる、というのが一通りの流れかなと思います。では、ここまでのおさらいがてらパターンメイクからディスコタイムといってみましょう!


Video: GENE TV/YouTube


いやー、楽しい。インターフェイスが変われば捉え方も変わるので、アプローチそのものがとっても新鮮です。しかもMIDIコントローラーとしても使えるんですから、凝り固まったDAW環境を打破する未来エッセンスとしても強力なのではないでしょうか。

他にもCAPTUREボタンで外部音源や内蔵音源を取り込んでエディットしたり、LOOPERモードでパターンやWAVファイルをシーケンスとして曲にしたり、まだまだ可能性を秘めています。ここで紹介した機能も文字通り氷山の一角なので、このマシンを前にしたときにどんなインスピレーションが引き出されるのか、まさにアイディア次第な楽器ですね。

電子楽器は、先進的なイメージがありながら同時に保守的な面も持っています。それは鍵盤だったり弦だったり、数世紀前の楽器のかたちを今も踏襲しているというところにもあるんですが、なじみあるインターフェイスから離れることで遭遇できるアイディアがあるのもまた事実。ZOOM、よくぞやったなと心から称賛します。


Photo: GENE TV


というわけで、この未来的インストゥルメントが映えるシーンの1つとして、ディスコよろしく蛍光灯を振り回すアイドルDJを見てみたいなーと思ってやまないこの頃なのですが、どうでしょうか。「ハート描くから写真撮ってねー!」とか盛り上がると思うんですがどうでしょうか!


以下の表示価格は執筆現在のもの。変更の可能性もありますので、販売ページでご確認ください。



Photo: GENE TV, 山田ユウス型
Souce: Zoom, YouTube 1, 2, Amazon

(ヤマダユウス型)