Image: X-ray: NASA/CXC/University of Michigan/J-T Li et al.; Optical: NASA/STScI ピンクがかった紫色のスーパーバブル

宇宙の神秘…。

妖しげに光る銀河を捉えたこの画像には、ふたつの「スーパーバブル」が写っています。ひとつは幅が4900光年、もうひとつは幅3500光年以上で、地球から6700万光年離れたNGC 3079銀河の中心に存在しています。

ブラックホールとスターバーストが魅せる

スーパーバブルは、ブラックホールがの物質を飲み込む際の噴出、あるいは短期間に大量の星が形成される現象であるスターバーストから形成されます。泡のような形状は、衝撃波と冷たいガスの圧縮によるもの。電子が円運動をするときに高エネルギーX線を発するシンクロトロン放射という現象がありますが、不思議なことに小さなバブルからその現象が見られるものの、大きなバブルからは観測されていません。

このようなバブルは、宇宙から地球に入射する宇宙線と呼ばれる高エネルギー粒子の発生源かもしれないとされています。そしてThe Astrophysical Journalに掲載された論文によれば、これらは超高エネルギー宇宙線の発生源でもあるかもしれないとのこと。X線のエネルギーやロケーションが、粒子加速が起きたのは銀河の中心というよりバブルの外縁だと示しているんです。

Image: NASA/CXC/University of Michigan/J-T Li et al

36時間も見つめた衛星のおかげ

この画像のX線部分を捉えるのに、チャンドラX線観測衛星は2001年を始めに4回の観測を行ない、その合計時間は36時間近くになりました。

もし肉眼でNGC 3079銀河を観測しようとしても、トップの画像のようには見えません。これはおよそ36時間の観測を組み合わせ、X線の周波数は紫とピンク(チャンドラが観測)、可視光線の周波数は赤と青(ハッブルが観測)で色分けした合成画像です。一般に公開される天体画像はこういった処理がされているもの。宇宙で起きている素晴らしいことすべてを捉えるには、人間の目は限界がありますからね。

高エネルギー放出の発生源と思われる場所は観測できましたが、なぜシンクロトロン放射が上ではなく下のバブルからのみだったのかをはじめ、まだ多くの疑問が残っています。その解明やバブル形成の深い理解などは、この先の望遠鏡を使ったキャンペーンで明かされる日が来るかもしれません。

Source: The Astrophysical Journal, Chandra