Illustration: Benjamin Currie via Gizmodo US

ひと〜つ、我々が抱く「新年の抱負」とは、必ずや自分を裏切る虚言である。

ふた〜つ、我々はそう簡単には変われないのである。

以上!

…と高らかに宣言している米ギズモードのDaniel Kolitz記者ですが、もしかしたら食事の習慣は変えられるかもね?とも言っています。

強い意志と、フレッシュな食材と、なんでもジュースにしちゃうミキサーかなにかがあれば、食生活をヘルシーな方向に持って行けるかも。でもネットで「健康食品」なんて検索し出したら最後、おかしな意見や、相反する体験談、完全にトチ狂ったアドバイスばかりが横行していてなんの役にも立ちません。

ということで、今回の「Giz Asks」シリーズは「ヘルシーな食べものを教えて!」です。各分野の専門家は、どう答えてくれるのでしょうか?以下、新年のご参考までに。

Frank B. Hu

ハーバード大学公衆衛生大学院教授

このような質問は「スーパーフード」の領域ですが、そもそも「スーパーフード」とはポピュラーながらも非常にゆるい定義の言葉で、栄養指導のためというよりは、マーケティング戦略に使われることが多いのも事実です。

「スーパーフード」と呼ばれている食物の多くは体に良いとされている栄養価に富み、なかには特定の病気を予防する効果が認められているものもあります。しかし、ほかにも同じぐらい栄養価があるのに脚光を浴びない食物もたくさんあるんです。

食習慣で大事なのは多様性。いろいろな種類を食べることで体が必要としているビタミンやミネラルを幅広く取り入れられますし、特定の栄養分の過剰(または過少)摂取も防いでくれます。もちろん、味のバリエーションが食事そのものを豊かにしてくれます。

個々の食材にフォーカスするのではなく、食生活全体を見渡す広い視野を持って、なにを食べ過ぎているのか、または食べ足りていないのかを考えてみましょう。

一般的に健康な食生活は、豊富な量の野菜・果物・全粒粉の食品・豆類・ナッツ類、適度な量の海産食品・鶏肉・乳製品と、少量の赤身肉・加工肉・加糖された食品や飲み物・精製食品から構成されると言われています。これに当てはまるのは伝統的な地中海料理ですが、もっと広範囲な選択肢を取り入れて、好きな味や好きな料理を加えていってOK。長い目で見たら、一番ヘルシーな食生活とは、一番しっくり馴染んで継続できるものですから!

Eric B. Rimm

ハーバード大学公衆衛生大学院教授

テレビ局御用達の医療系セレブたちが大好きなあの言葉、「スーパーフード」。大げさで無駄な言葉がはびこるこのご時世に、私がもっとも快く思っていないあの言葉、「スーパーフード」。皮肉なことに、「スーパーフード」のように体に良いとされている食材に執着するよりも、避けるべき食物を特定しておいたほうがよっぽど健康のためにいいかもしれないんですよ。

たとえば、いくらベリー系をふんだんに取り入れたヘルシーな食生活を心がけていたとしても、夕飯に食べたケチャップべったりのダブルベーコンチーズバーガーと、フライドポテト山盛りと、あま〜い炭酸飲料が体に与えるインパクトを相殺してくれるわけではありません。

食品は医薬品のようにターゲット細胞に直接はたらきかけて功能を発揮するわけではないんです。食べ物の中には何百という物質が含まれており、そこから何千という生物学的な効果が生まれるからこそすばらしいのです。

さらに、同じブルーベリーを食べるにしても、あなたと私とでは腸内環境が異なっているため、体に異なった影響が出ます。そもそも、私が低脂肪ヨーグルトと玄米フレークの上にブルーベリーをトッピングしているのに対して、もしあなたがチョコレートシロップと生クリームをかけた脂肪分こってりのいちごアイスクリームパフェにブルーベリーをトッピングしているとしたら?

でもね、おもしろいことに、既存のテクノロジーと研究に基づいて言うならば、私とあなたのどちらがよりブルーベリーの恩恵を多く受けられるかはわからないんですよ。どちらが楽しく食事できるかもね!

Christopher D. Gardner

スタンフォード大学予防研究センター医師

「これが体に一番いい食べ物だ」と単純化しすぎると、逆に何を食べていいのかわかりにくくなったり、物議を醸すことになりかねません。なぜなら、食習慣をゲームのように捉え、一日に一回この「一番いい食べ物」さえ食べていればほかの食事はテキトーでもいいだろうと考えてしまいがちだからです。

穀物・赤身肉・乳製品などの摂取の是非についていちいち議論しているよりも、もっと向上心ある捉え方をしてみましょう。

食生活を考えるとき、人の健康はひとつの側面でしかありません。味の良さも非常に大事ですし、もっと美味しいものを食べる喜びにフォーカスしていいはずです。

環境衛生も大事です。食品研究者の間では地球温暖化ガス・水資源の確保・土地利用・生物多様性などの諸問題が近年どんどん注目されるようになってきています。

さらに、社会的正義(social justice)の問題も考えなければいけません。農業に従事する人々は公正な賃金を払われているのか。と殺場でのアニマルウェルフェアは守られているのか。

私が目指しているのは、食物のこうした異なる側面がすべて交差する「美味しいスポット」を消費者がそれぞれ見つけ出してくれることです。フェアで、文句なく美味しくて、環境にも人にもやさしい食べ物…。それはきっと住んでいる場所によって何百とおりものソリューションがあるでしょう。もちろん、生産者の顔が見える食品でなければ、実現はむずかしいのですが。

Marion Nestle

ニューヨーク大学公衆栄養学教授。著書に『フード・ポリティクス-肥満社会と食品産業』 ほか

健康的な食生活の要は多様性です。比較的未加工で、なるべく多い種類の食物を摂取しましょう。すべての栄養所要量を満たしている食材などありません。

中にはほかよりも栄養価が高い食物がありますから、いろいろなものをうまく組み合わせることが大事です。…といいつつも、やっぱり野菜!好きなものからどんどん食べましょう。

Daphne Miller

カリフォルニア大学サンフランシスコ校臨床学教授、カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生大学院研究員。「Health from the Soil Up Initiative」創設者

あなたの庭です。

レシピはかんたん。まず、除草剤と化学肥料を使うのをやめましょう。次に、Toby Hemenway著「Gaia's Garden: A Guide to Home-Scale Permaculture(邦題:ガイアの庭〜家庭でのパーマカルチャー入門)」を読みましょう。土づくりの基礎がわかり、あなたの家の前の花壇が、炭素に富んだ肥沃な土壌へと早変わりします。必要なのは肥やしと、落ち葉と、あなたのお隣さんが放置しているアマゾンの空箱と水のみ。

それから、庭を作りましょう。

なにを植えるべきか?

オレガノやタイムといったスパイス類は、抗酸化物質に富んでいるので、そこらじゅうに植えましょう。害虫除けにも一役買ってくれます。

トマトはリコピン(前立腺がん・乳がんに有効)がたっぷり入っているし、ニンジンにはルテイン(目に良い成分)、ケールには鉄分が豊富なほか、腸内細菌にとってのごちそうともなります。

細かいことは考えずに虹色の庭を作りましょう。雑草は心配ご無用。実は、雑草のほとんどがふつうの野菜よりも体にいいんですから。

よく見かけるカタバミはちょっとすっぱい味がしますがビタミンCが豊富。

同じく雑草扱いされているアオイにはケールよりも多いカルシウムが含まれていて、とっても美味ですよ!

自分の庭で採れた野菜がなぜ体にいいのか?コロラド大学の研究者によれば、家庭菜園は地域社会の活性化にもつながるそうです。犯罪率が下がり、「集合的効力感(collective efficacy)」を強化するそう。

それに自分が育てた野菜ならば、薬品が混入することもありませんし、オーガニックな食品のほうが栄養価が高いことも知られています。

さらに、持続可能な農業に携わっている家庭に育った子どもたちは、湿疹・アレルギー・ぜんそくなどを発症するリスクが減少するという研究結果も。あなたの庭が同じメリットをもたらさないはずはありません。

健康な土壌に住む微生物の一種が気分を明るくして自尊心を高めてくれるという研究結果もあるんですよ。土を耕すといい運動にもなりますしね。

ということで、どんどん耕しましょう!

カタバミ Image: Shutterstock アオイ Image: Shutterstock