Photo: Joanna Nelius - Gizmodo US

見つけたら買っちゃってOK。

AMDから新グラフィックカードRadeon RX 6700 XTが発売されました。海外では案の定一瞬で売り切れてしまったようなんですが、米GizmodoのJoanna Nelius記者が独自に徹底ベンチマークしてますので、以下どうぞ!

AMD RX 6800 XT・RX 6800には、すごく興奮しました。AMDがついにレイトレに対応しただけでなく、Nvidia最新のGPUよりさらに高速にしてきたんです。といってもRX 6800のほうはどんなケースでも速いわけでもなく、レイトレに関してはむしろ遅かったんですが、AMDがベースのパフォーマンスで見せたスピード、そして手頃な価格には心が動きました。それはRX 6700 XTでも同じです。

RX 6700 XTはRX 6800と同じRDNA2アーキテクチャ採用なので高いパフォーマンスは予想してましたが、やっぱり期待通りでした。AMDはRX 6700 XTで1440pでのゲーミングを実現してると言ってますが、それは冗談じゃありません。ベースのパフォーマンスではNvidiaのGeForce RTX 3060 Tiを上回り、ときにはRTX 3070までも超えていたんです。

グラフィックカードは品薄続きなので、転売の場合も含めた価格と性能のバランス、性能はSmart Access Memoryみたいな機能を使うとどうなるか、とかを総合的に考えなきゃいけなくなってます。今ほんとに在庫がなくて阿鼻叫喚なので、人によっては次世代のAMDかNvidiaのカードが出るまで待とうと思うかもしれません。RX 6700 XTは性能的にも十分、価格も十分リーズナブルなので、Nvidiaから乗り換える人もいるでしょう(買えれば、ですが)。メーカー想定価格でRX 6700 XTを買うか、Nvidia RTX 3060 Tiを転売ヤーから1,000ドル(約11万円)で買うか? 私ならRX 6700 XTを選びます。

AMD RX 6700 XT

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これは何?:AMD Radeonファミリーに加わった最新ミッドレンジGPU

価格:479ドル(約5万2000円)

好きなところ:ベースのパフォーマンス、Smart Access Memoryのパフォーマンス

好きじゃないところ:レイトレのパフォーマンス、あとはもう少し安ければと。

なおSmart Access Memory比較以外のベンチマークは、以下の構成のテストPCで動かしました。

CPU:Intel Core i9-10900K

マザーボード:Asus ROG Maximus Extreme XII

DRAM:G.Skill Trident Z Royal DDR4-3600 16GB (2 x 8)

SSD:Samsung 970 Evo NVMe M.2 500GB

PSU:Seasonic Focus GX-1000

CPUクーラー:Corsair H150i Pro RGB 360mm AIO

価格と性能のバランス

下のグラフでわかるんですが、479ドル(約5万2000円)のRX 6700 XTは、ゲームによって違いますが、400ドル(約4万4000円)のRTX 3060 Tiまたは500ドル(約5万5000円)のRTX 3070と同等のパフォーマンスです。ただしベースのゲームベンチマークと価格以外にも考えることはたくさんあり、レイトレやSmart Access Memory(フレームレートを上げるBIOSレベル機能の、AMDでの呼び名)を使った場合にどうなるか、とかも要チェックです。

そのへんのオプション機能を使う場合のRX 6700 XTの性能はよいケースも悪いケースもあり、479ドルでもいいかと思える面と、高くない? と思ってしまう面と両方あります。在庫が十分にあればこの価格も正当化しやすいんですが、そうじゃなく全部転売ヤーに買い占められてしまったら厳しいですね…。

でも一瞬、RX 6700 XTの在庫が十分あって、メーカー想定価格で買えるものと仮定してみます。であれば私個人的には、ハイエンド寄りのミッドレンジGPUとして、RX 6700 XTは「買い」です。ベースのパフォーマンスから考えて、NvidiaのRTX 3060より、RX 6700 XTを選びます。ただNvidia RTX 3070と比べると、レイトレ性能が気になるので、RX 6700 XTは選びません。RTX 3060 Tiと比べるなら…五分五分です。

レイトレ性能は残念だけどInfinity Cacheがカバー

ただRX 6700 XTは、RTX 3060 Tiみたいに新ミッドレンジのチャンピオンと言い切れない部分があります。いい線いってはいるんですが、パフォーマンス的に見劣りする部分があります。NvidiaのRTX 3060 Tiと同等またはベターなんですが、それでもレイトレに関しては、RX 6800と同じように遅れを取っています。

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この性能差は、AMDとNvidiaのGPUアーキテクチャの違いを見ると説明がつきます。AMDのRadeon 6000シリーズのカードがレイトレ以外で高パフォーマンスなのは、Infinity Cacheによるものです。Infinity Cacheはテンポラリの小さなメモリストレージとして機能し、ビジュアルデータの処理負担を軽減する機能で、RX 6700 XTでは96MB分積んでいます。

RX 6700 XTのメモリバス幅は192bitと狭く、対するNvidia製品は256bitなので、後者の方が有利です。でもRX 6700 XTにはInfinity Cacheがあることで、高フレームレートが得られます(レイトレを使わないときは)。あとはGDDR6メモリは、RX 6700 XTが12GBなのに対し、RTX 3060 Tiは8GBだけです。

なのでこの96MBのInfinity Cacheと12GBのメモリという組み合わせによって、RX 6700 XTはよりバス幅の大きいRTX 3060 Tiと同等のパフォーマンスを実現できているんです。192bitのバス・12GBメモリというのはRTX 3060も同じなんですが、RX 6700 XTのほうが(RTX 3060 Tiがそうであるように)ずっと速くなっています。Infinity Cacheがなければ、RX 6700 XTのパフォーマンスはRTX 3060にもっと近くなっていた可能性が高いでしょう。

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AMDのレイトレに足りないもの

でもAMDのGPUには、Nvidiaが使ってるようなレイトレ専用コアがありません。Nvidiaのレイトレ用コア(RT)はGPU自体に載っているハードウェアで、光の動きをより速く処理できます。AMDにもレイアクセラレーターというレイトレ用ハードウェアがありますが、それは単体のコンポーネントにはなってなくて、GPUを構成する大きな計算ユニットの一部という形です。

Nvidiaのレイトレアーキテクチャ・Ampereの作りはAMDのものより効率がよく、ベンチマークでも好結果が出ています。RX 6700 XTがレイトレではRTX 3060 TiやRTX 3060にかなわない要因には、このアーキテクチャの違いがあります。

でもInfinity Cacheがなければ、パフォーマンスはもっと悪かったかもしれません。RX 6700 XTはデフォルトなら完ぺきな1440pのGPUかもしれませんが、美麗グラフィックスのゲームでレイトレを使う場合、よくても1080pまでです。

Smart Access Memoryの効果

AMDの技術では、Smart Access Memory(以下SAM)も役に立ちます。Radeon RX 6800 XTとRX 6800のレビューでSAMを使ったときは、解像度次第でフレームレートが10〜30fps向上しました。でも全ゲームで有効だったわけじゃないんですが、RX 6700 XTでも同じことが言えます。

SAMにフォーカスした以下のベンチマークでは、以下の構成を使いました。

マザーボード:Asus ROG Crosshair VIII Hero

DRAM:G.Skill Trident Z Royal DDR4-3600 16GB (2 x 8)

SSD:Samsung 970 Evo NVMe M.2 500GB

PSU:Seasonic Focus GX-1000

CPUクーラー:Corsair H150i Pro RGB 360mm AIO

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たとえば『Borderlands 3』で、1080p・ウルトラ設定でSAMをオンにしてみると、RX 6800ではフレームレートが18fps向上し、RX 6700 XTでも13fpsの向上でした。ただしこの数字は、Intelのテストベンチを使った場合です。

同じベンチマークをAMDのテストベンチで動かすと、もっとはっきりした結果が出ました。AMDのCPU・GPUコンボで上と同じグラフィックス設定の場合、デフォルトでは95fpsだったフレームレートが、SAMを有効化すると135fpsになり、40fpsも向上しました。SAMが使える他のゲームでも同じことが言えるはずです。AMDのCPUとGPUのコンボ、プラスSAMで、RX 6700 XTのベースのパフォーマンスはRTX 3070とRTX 3080の中間にまで上がります。

見つけたら買っちゃってOK

それで結局、RX 6700 XTはどういう位置にあるでしょうか? Intelのプロセッサを組み合わせると「ベター」くらいですが、AMDのCPUを使ってSAMをオンすればさらによくなります。同じテストベンチではRTX 3060 Tiと同等またはベターですが、レイトレでのパフォーマンスはRTX 3060と同じです。価格はRTX 3060 Tiより79ドル(約8,600円)高いんですが、RTX 3070よりは21ドル(約2,300円)安くなります。

そんなわけでRX 6700 XTは素晴らしいんですが、他との比較はちょっとややこしいグラフィックスカードです。でも品薄が続く現状では、転売ヤーでなくても入手できる程度に在庫がそろってさえいれば、すごく有望です。だからもし店頭で見かけたら、買うべきでしょうか? ええ、ぜひに。

まとめ

・ベースのパフォーマンスがとんでもない。

・Smart Access Memoryを使えば、さらにとんでもない。

・レイトレ性能がそこそこなわりに、ちょっとお高め。

・一瞬で売り切れました。