Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo

ついに姿を現したApple(アップル)の忘れ物防止タグ、AirTag。最近ゴルフ場ではヘッドカバーをなくし、日常ではサングラスをなくしがちな米Gizmodo編集部のCaitlin記者は、こういったものにAirTagはピッタリと思ったそうです。

しかし彼女は長いロックダウンで不規則な生活を送り続けた結果、カバンを持つ機会も減り、社員証や財布に関してはレギンスのポケットに入れて持ち運ぶようになってしまったとのこと。そのため安心して外に出られるような生活が戻ってきたところで、レストランや空港などで忘れ物をしてしまうのではないかと不安になったようです。

そこでCaitlin記者は規則正しい生活に戻れるかも兼ねて、さまざまなシーンでAirTagを試してみました。

はたしてAirTagを使って本当に落とし物を見つけることはできるのか? また気になるプライバシー面は? Caitlin記者によるAirTagのレビューをどうぞ。

AirTag

これは何?:Apple製忘れ物防止タグ

価格:1個29ドル(日本価格税込3,800円)、4個入り99ドル(日本価格税込1万2,800円)

好きなところ:Appleの「探す」ネットワークがAirTagの位置情報を常に更新してくれて場所も正確なところ。あと設定が楽なのも素晴らしい

好きじゃないところ:ストーキング被害を防ぐためにも追跡防止機能の早急な改善が必要

設定は驚くほどシンプル

どのApple製品にも言えますが、AirTagも設定はとても簡単です。まずAirTagのパッケージを開けたら付属のビニールを取り除きます。するとAirTagが鳴り出すので、iPhoneを近づけてペアリングします。成功するとiPhoneにAirTagの設定画面が表示されるので、画面の指示に従い必要事項を入力していきます。この設定画面ではAirTagを取り付けるアイテムを選んだり、自分のApple IDと紐付けたりする作業を行ないます。

なお、AirTagを使用するにはiPhoneまたはiPadがiOS14.5/iPadOS 14.5以上にアップデートされている必要があります。

設定を一通り終えたら、今度はiPhoneまたはiPadの「探す」アプリを開いて「持ち物を探す」タブをタップします。AirTagが取り付けられたアイテムがマップ上に絵文字で表示されるはずです(「探す」アプリに対応するChipoloやBelkinなどのサードパーティ製タグもここに表示されます)。

AirTagを探す方法とその仕組み

AirTagを使って自分の持ち物を探す方法はいくつかあります。

AirTagを取り付けたアイテムが近くにあると思ったら、Siriに尋ねてみるのもひとつの手です。Bluetoohが届く範囲なら、コマンドに応じてAirTagが鳴り出します(わざわざSiriに聞かなくても「探す」アプリからいつでも音は鳴らせます)。

AirTagにはAppleが設計したU1チップが内蔵されています。U1チップには超広帯域無線テクノロジー(UWB)が使われていて、空間認識を用いてU1チップを搭載したほかのApple製デバイスの位置を誤差数cmレベルで特定することができます。

iPhoneに関しては11、12シリーズがU1チップを搭載しているので、「探す」アプリを使うことでより正確にAirTagを見つけ出すことができるわけです。しかし、UWBの力が発揮されるのはAirTagが近くにある場合のみ。iPhoneから数m以内にAirTagがある場合は「探す」アプリに「探すボタン」が出現します。そのボタンをタップすると、AirTagまでの距離と進む方向が表示されます。iPhoneの画面も緑色に切り替わり、振動も伝わってきます。そのため落とし物を見つけた際には宝探しのような達成感を味わうことができるでしょう(これが「正確な場所を見つける」機能です)。

私は自分の家の周りにAirTagを置いて本当に見つかるか何度か試してみましたが、「正確な場所を見つける」機能や音を鳴らすことで無事にすべてのAirTagを見つけることができました!

Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo

世界中のApple製品が「探す」手助けをしてくれる

では仮に家の中ではなく、外出中にAirTagを取り付けたアイテムをなくしてしまった場合、どのように探すのでしょうか? Appleによると、世界中にある数億台のiPhone、iPad、Macデバイスの「探す」ネットワークがAirTagを見つけるお手伝いをしてくれるとのこと。つまり、たまたまiPhoneユーザーがAirTagの近くを通ったとき、iPhoneはAirTagからのBluetooh信号を受信し、AirTagの位置情報をiCloudに送信することで、AirTagの持ち主は「探す」アプリを開けばいつでも最新の位置情報を確認できるというわけです。

さらにここにはAppleらしい配慮もされていて、一連のプロセスは情報が暗号化され匿名で行なわれるので、AppleでさえユーザーのAirTagがどこにあるのか、また、探す手伝いをしたデバイスが誰のものなのかを知ることができません。

Q. 広い場所でもAirTagはすぐに見つけられる?

次に私は屋外でもAirTagを見つけられるかテストするため夫に協力してもらい、屋外のある施設にAirTagを隠しに行ってもらいました。夫の帰宅後、私は「探す」アプリでAirTagの紛失モードをオンにし、検出時に通知もオンにしました。これでAirTagが少しでも動いたら私のiPhoneに通知が届くようになります。

早速「探す」アプリでAirTagの位置を確認してみたところ、最後に検知された場所はどうやらショッピングセンターのようです。そのため私は車で回収に向かい、現場に到着後「探す」アプリを開いてみましたが、近くにAirTagがある様子はなく、音を鳴らしても聞こえず、「正確な場所を見つける」機能も反応がなかったため、数分間ショッピングモールを歩き回るハメになりました。

しかしその数分後、困った様子を見た夫が「AirTagはあの店の中に隠した」とヒントをくれました。そこで私は店の中に入り、「正確な場所を見つける」機能を使ってAirTagを探すことにしました。すると、AirTagから3m以内の距離に近づいたところでiPhoneの画面が緑色に切り変わり矢印が表示されました。それから矢印に従い歩いてみると、最終的にジーンズを履いたマネキンに辿り着き、ポケットに隠されたAirTagを無事見つけることができました。

A. 場所によっては見つけるのに時間がかかりそう

AirTagはGPSトラッカーとは異なるため、自分のiPhoneがAirTagからの電波をキャッチしない限り「正確な場所を見つける」機能を使うことができません。そのためショッピングモールのような広い場所で物をなくしてしまうと、AirTagから発信されるBluetoothの電波を探すため歩き回ることになるかもしれません。

今回私が夫のヒントなしにショッピングモールでAirTagを見つけられたか? と聞かれたら、残念ながら答えはNoです。

Androidユーザーも「探す」手助けをしてくれるかも

どうしてもAirTagが見つからない場合は、こんな方法も試してみてください。「探す」アプリで紛失モードをオンにすると、自分の電話番号を入力する画面が表示されます。入力を終えると紛失モードが有効になるので、あとはNFC対応スマートフォンユーザーがAirTagを拾って白い表面にかざしてくれることを願うばかりです。

私もNFC対応のAndroidスマートフォンでAirTagが反応するのかテストしてみました。実際スマートフォンがAirTagを認識するまで数回タップする必要がありましたが、結果は大成功。Pixelの画面上に私の電話番号や持ち主に返却する方法などが表示されましたよ。

Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo

バッテリー持ちはGood

AirTagはApple製品の中でも珍しい充電不要のデバイスです。バッテリーはボタン電池で1年以上と長持ち。さらにクルッと回せば裏蓋が外れるので、電池の交換も楽々です。AirTagのバッテリー残量は「探す」アプリからいつでも確認できます。

追跡防止機能は早急な改善が必要

Appleは、AirTagにはプライバシーを守りながら安全に大切なものを追跡でき、ストーキング被害を防ぐための追跡防止機能が搭載されていると説明していますが、これが決して安全とは言えません。

もしも悪質な人物が他人のバッグにAirTagを紛れ込ませた場合、AirTagを知らずに持ち歩いているiPhoneユーザーは通知が受け取れるだけでなく、AirTagも鳴り出し「あなたのAirTagではない」と警告してくれます。しかし、Androidユーザーの場合はAirTagが鳴り出すだけでスマートフォンに通知が届きません。他社が提供する忘れ物防止タグにこういった機能はありませんが、どうやらAppleはこの機能を真剣に見直す必要があリそうです。

私はAirTagの追跡防止機能を試すため、夫が車に乗る前に運転席の下にAirTagを取り付けました(もちろん彼は承諾済みです)。しかしその後、夫が車で何時間も走り続けたにもかかわらず、彼のiPhoneには通知が届きませんでした。なぜならそれは、彼のiPhoneがiOS 14.5にアップデートされていなかったからです。

そこで夫のiPhoneをiOS14.5にアップデートしてもらい、もう一度テストしてみましたが、またもや彼のiPhoneには通知が届きませんでした。一方私のiPhoneの「探す」アプリから彼の居場所は簡単に確認することができ、途中立ち寄った店まで把握することができてしまいました。もしかすると、今回のテスト時間が短かすぎたのが原因だったかもしれませんが、Appleは公式に追跡機能防止機能のアラートが何時間後に通知されるのかを明らかにしていません。

Image:Apple

また、今回試して分かったようにiOS 14.5にアップデートしていないiPhoneユーザーは追跡防止のアラートを受け取ることができません。そのため、まだ最新ソフトウェアにアップデートしていないiPhoneユーザーは、万が一のためにも早めのアップデートが安心と言えます。

ちなみにこの機能はAndroidユーザーにはほぼ効果がなく、仮にAirTagを使ってストーキングされても3日経たないとAirTagから通知音が鳴りません。世界中でAndroidスマートフォンを使っているユーザーは多くいるだけに、こちらも早急な改善が必要です。

AirTagはお手頃価格なだけでなく使い勝手もよいため、近い将来にはAirPodsのように町中で身につけている人を見かけるようになるかもしれません。だからこそ私はAppleに対し、「追跡防止機能をできる限り早く改善する必要があると思います」とコメントしました。それに対しAppleは「追跡防止機能をさらに強化するため、今後アップデートを通して改善する可能性がある」と答えました。

AirTagと他社の忘れ物防止タグを比較

忘れ物防止タグといってもメーカーによって機能は少しづつ異なります。ですが、AirTagが他社の忘れ物防止タグよりも優れているのは、物の見つけやすさです。

Tileはインターネットを使って落とし物を探しますが、AirTagは世界中にある数億台のiPhone、iPad、Macデバイスの協力を経て落とし物を探します。そのためAirTagのほうがTileより落とし物を見つけられる確率が高いわけです(全世界のAppleユーザー10億人vs. Tileユーザー3500万人)。また、現時点でTileはUWBに対応していませんが、UWB対応版は今年後半にリリース予定とのことです。

一方、Samsung(サムスン)のGalaxy SmartTag+はAirTagと同じUWBに対応し、落とし物をより正確に探し出せます。しかし価格は40ドル(約4,400円)と少しお高めで、SmartTag+は落とし物探しに協力することを許可したGalaxyデバイスのネットワークを使ってタグの位置情報が更新されていく仕組みです。対してAppleの「探す」ネットワークはBluetoothが届かない場所でもiPhoneユーザーがAirTagの近くを通ると最新の位置情報を更新してくれます。

Apple製品を購入すると、基本新規ユーザーは自分のデバイスをiCloudに登録し、「探す」ネットワークに登録する必要があります。そのため「探す」ネットワークに参加しているAppleユーザーが全世界に10億人いると考えたら、AirTagが見つかる確率もグッと上がります。

まとめ:AirTagaは買うべき?

もしもこのレビュー記事を読んでくれたあなたがiPhoneユーザーでよく物をなくしがちなら、AirTagを1個(または4個)買っても間違いありません。AirTagはお手頃価格で設定も簡単、加えて動作も完璧です。AirTagはすべての面においてAppleの真骨頂とも言えるデバイスです。

ワクチンを打って、また安心して旅行に行ける日がやってきたらAirTagをカバンに付けて、財布の中に入れたりして使ってみたいと思います。その頃には追跡防止機能も改善されていることを願いますよ、Appleさん。