Photo: 小原啓樹

Apple Watchに色気を。

のっけから個人的な話で恐縮ですが、時計ライターの端くれとして活動している私は、時計であれば高級機械式時計からディスカウントストアで売ってる安いデジタル時計まで、どれも好物だったりします。

スマートウォッチやアウトドア用のGPSウォッチも好物ですが、そのデザインにはやや物足りなさを感じていました。ガジェットとしてのデザイン性は高いものは多いですが、時計として考えると本来持っているべき官能美に欠けている気がするんですよね。シンプルでスマートという方向性は理解できますが、平面的でいまいち色気に欠けるというか。着けるなら時計らしいデザインも楽しみたいのです。

同じように感じている人たちに注目してほしいのが、今回紹介するスウェーデンのラグジュアリーブランドGolden Concept(ゴールデンコンセプト)のApple Watchケースです。これはApple Watch全体を覆ってしまうアウターケースで、付属のネジで装着することによって、ルックスを大変貌させてしまうもの。バリエーションも豊富で、自分好みのデザインが選べるのが魅力です。早速レビューしてみましょう。

まず重厚な化粧箱に心躍る

まずご対面して最初にいいなと感じたのが、製品が収められている化粧箱。ずっしりした木製で、この箱だけでもかなりコストがかかってそうです。

実は結構な高級時計ブランドでも、ここまでいい箱を使っている例は少ない。中には外装が湿気で癒着してしまって、長く保管しているとまともに開かなくなったりする箱もあったりします。その点、この箱は作りがしっかりしてて耐久性も高そうですし、光沢あるニス塗りの仕上げも美しいです。いけてるプロダクトは、こういう付属品も抜かりがないのです。

あ、念のために書いておくと入っているのはケースのみ。Apple Watchは別売りですよ。

44mmと40mmあわせて70モデルがラインナップ

今回メインで取り上げるのはシルバーステンレススチールの44mmモデル。上の写真のように40mmモデルも用意されています。

ケースを装着するとApple Watchよりも一回り大きくなるわけですが、デカすぎ感はないです。最近は落ち着いてきたとはいえ、時計業界ではビッグサイズブームがまだ継続していますし、むしろこのサイズ感は好ましいのでは。

バリエーションは44mmが41モデル、40mmが29モデル。今回ハンズオンしているシルバーのステンレススチールから、ラグジュアリースポーツ系のゴールド、マットなトーンのブラックなど色味も豊富です。ブレスレットもステンレスだけでなく、レザーやラバーなどいろいろチョイスできます。

Apple Watchへの装着は、ケースの表側と裏側で本体を挟み、同梱のネジで締める方式です。専用の精密ドライバーも付属しています。

ネジが小さいので紛失したり、ネジ山をなめてケースを傷つけたりしないように気をつけて作業する必要がありますが、作業自体はネジ留めだけなので難しくはありません。

独特の輝きと立体感を生み出す仕上げの美しさ

装着してみると、やはり素のApple Watchとは雰囲気がかなり変わります。特に評価できるのは仕上げの美しさ。Apple Watch自体も仕上げは良いのですが、Golden Conceptは確実にワンランク上を行ってます。

ポイントはポリッシュ(磨き)の使い分け。ベゼルの前面をヘアライン、サイドを鏡面で仕上げるなど、部位によって仕上げを変えることで、独特の輝きと立体感を生み出しています。

あとケースが横に張り出したことによってベゼルが緩やかにカーブしたフォルムも、ちょっとグラマラスでかっこいいです。Apple Watchのフラットなフォルムに比べると、時計っぽさは俄然アップします。ケースを留めるネジもスポーティな雰囲気で、デザインのアクセントになっています。

素材として使われているのは、316Lステンレススチール。これはいわゆるサージカルスチールと呼ばれるもので、もともと医療用器具に使われる硬質な鋼材です。腐食や金属アレルギーに強いこともあって、近年では高級時計にもよく使われています。

ステンレスのブレスレットはフラットタイプで着け心地も上々。コマの構造がしっかりしているので、長く使っていてもゆるむことはなさそう。バックルも耐久性が高そうです。

レザーやラバーバンドのモデルもあり、いずれも質感は高いです。特にレザーは肉厚な素材が使われており、かなり優秀な工房が手掛けているものだと思われます。

気になるApple Watch本体の操作性は

質感の良さを最も感じたのはリューズです。Apple Watchのデジタルクラウンのギザギザに噛み合わせる方式で、ケースを装着することでリューズも一回り大きなサイズになります。

作りがしっかりしていて回しやすく、押したときのクリック感もいいです。こうした操作に関わる感触が良いのは、毎日使うものだけにうれしいですね。

気になるApple Watch本体の操作性はというと、リューズもサイドボタンも効きは問題なし。天面にガラスなどはなくタッチパネルに直接触れるのでApple Watch単体の操作感と大きな違いはありません。

ただ、裏面はケースの厚みがある分、手首への触覚による通知は若干弱い印象。好みに応じて触覚の設定を「はっきり」にしてもいいかも。また、心拍計などヘルスケア機能が十分に働かなくなる可能性があり、この点は注意が必要です。

Apple Watch本体をはるかに超える価格は自信の証

このようにApple Watchのミニマルさやガジェットぽさに比べると、Golden Conceptははるかに時計っぽいといえます。シルバー系なら理知的に、ゴールド系ならエレガントな雰囲気に演出できますし、全体の質感はリッチです。

ラグのエッジの立て方や、ポリッシュの細やかさなど、仕上げにはかなり腕の良い時計職人が関わっていることが感じられますし、そうしたディテールの積み重ねがプロダクトが放つオーラにつながっていると思うのです。

前述のように44mmサイズでも大きすぎるとは感じさせません。カジュアルでもフォーマルでもいけそうなスタイリングで守備範囲は広そうです。スーツに合わせたとしても袖口で邪魔になることはなさそうですし、ビジネスシーンでも活躍してくれるのではないでしょうか。

あとは価格に納得できれば買いですね。

今回ハンズオンした44mmのシルバーステンレススチールが13万2000円。最安モデルでも8万8000円、クリスタルモデルは27万5000円という価格で、いずれもApple Watch本体を大きく上回るどころか、ちょっとした機械式時計が買える金額です。

しかし、使われている素材や仕上げのクオリティを考えれば、この価格も決して高くないと思います。実際のところ、高額なクリスタルモデルなどは入荷するとすぐに売れてしまう人気商品のようで、自分のApple Watchを彩ってくれるこうした製品に対する潜在的な需要は高かったのではないでしょうか。

今後は本家Apple Watch同様に、チタンなどのさらに高級感ある素材も展開していくと、さらに面白くなると思います。

Photo: 小原啓樹
Source: Golden Concept
問い合わせ:info@goldenconcept.jp (ゴールデンコンセプト)