Photo: 武者良太

お値段高いけどQuest 2超えは果たしてる。高いけど。

ベースステーションなどの外部センサーが不要で、Qculus Quest 2のように単体でVRの世界にログインできるVRゴーグル「VIVE Focus 3」。業務用(商用施設用)として開発されてきた、インサイドアウト・トラッキング式(ゴーグル搭載のセンサーのみでトラッキングを行う方式)のVRゴーグルシリーズの最新型となります。

コイツは本当によくできてる。メディア向け内覧会で試してきましたが、いままで感じてきたスタンドアローン型VRゴーグルのネガティブポイントの多くを払拭してきましたよ。

Photo: 武者良太

ハードウェアとしてのスペックから見ていきましょう。片目あたり2448×2448ピクセルのパネルが2枚使われており、5K解像度を実現。視野角は120度で、ゴーグルのフレームがあまり気になりません。だからVRへの没入感がすっごい。このあたりは別途PCが必要となるVIVE Pro 2と同じです。

Photo: 武者良太

リフレッシュレートは90Hz。VIVE Pro 2の120Hzには及びません。使用しているパネルそのものはVIVE Focus 3とVIVE Pro 2で同じものとなるのですが、搭載されているSoC(Snapdragon XR2)のスペック上、90Hzとなっています。

Snapdragon XR2といえばOculus Quest 2で使われているSoCと同じです。Oculus Quest 2は1832×1920×2の解像度で120Hz表示が可能ですが、5K解像度のフルCGを90Hzで映し出せるスペックも持っていたのですね。なんでも発熱が多いチップとのことで、VIVE Focus 3には強力な冷却ファンが内蔵されており、長時間の利用が可能です。このあたりも業務用として必要な構造なのでしょう。

なおPCとはUSBケーブルを使った有線、Wi-Fiを使った無線の両方で接続が可能です。でもPC接続時も90Hzとなるのかな。VIVE Pro 2と同じ120Hz表示が可能という説明はなかったはず。このあたりは発売後に試してみたいところです。

Photo: 武者良太

もっとも素晴らしいと思えたのは、IPD(両目の瞳孔間距離)の設定です。ダイヤル式で無段階調整が可能なうえ、正しい位置にセッティングできるように映像でガイドしてくれるんです。

この機能のおかげで、僕のVR体験はまだまだ甘かったと気が付きました。いままでOculus Quest 2などのIPDセッティングは精度が詰めきれていないんだと思い知りました。だって、VIVE Focus 3が見せてくれるVRの映像美がすっごいの。いままで体験してきたVRヘッドセットのなかでもっともシャープかつ色鮮やかで、リアル度が高まっていたんですよ。もーね、いますぐVRChatのワールドに入って踊りたくなったくらいです。

Photo: 武者良太

スピーカーの音質も良好です。低音から高音まで、過不足なくバランス良く聴かせてくれるものでした。

Photo: 武者良太

ただVARKなどのVRライブを楽しむなら、イヤホン・ヘッドホンを使ったほうがいいでしょうね。音楽のダイナミズムをフルに楽しみたいという視点でいくなら、スピーカーサイズの大きなVIVE Pro 2のほうが勝ってましたし。

Photo: 武者良太

ゴーグル部の形状はQculus Quest 2などと似たようなスタイルですが、本体が動かないように後頭部から押さえるリアパッドのサイズがでかい。実はここに、交換式のバッテリーが入っています。

Photo: 武者良太

パッドを外すと、弧を描いたようなバッテリーパックが見えます。事前に充電したバッテリーを用意しておけば長時間使えるわけで、これもまた業務用ならでは、現場で求められる機能です。

Photo: 武者良太

後頭部に位置するバッテリー部は確固とした重みがありますが、ゴーグル部分の重みをある程度打ち消してくれる、カウンターウェイトともなります。だから頭部に装着したときの重量バランスがいい。頭を大きく勢いよく振ってもゴーグルがズレにくい。

ふかふかのヘッドパッドも装着時のストレスを低減してくれるし、身体を動かす『ビートセイバー』などのゲームがもっと楽しくなりそう。

Photo: 武者良太

コントローラは...うん。Oculus Quest 2のヤツとそっくり。ただちょっと大きいです。この大きさが功を奏したのか、ゴーグル部の前側に組み込まれているカメラから見えづらい位置に動かしても、トラッキングが外れなかった。すごいな。

Photo: 武者良太

外部にセンサーが必要なアウトサイドイン方式のように、大きく腕を振っても認識してくれるなら『ビートセイバー』でのミスが減るでしょうし、VRChatでの身振り手振りもさらにリアルになりそう。

Photo: 武者良太

USB Type-Cを使った充電式なところも好印象です。スタンドアローン式のVRゴーグルって、コストをかければこんなにもストレスのないモノに仕上がるんだ...。

Photo: 武者良太

ただし、お値段はお高めです。13万900円です。参考までにOculus Quest 2(64GB)の価格は3万7180円。VIVE Focus 3を1台買うとしたら、Oculus Quest 2は3台買えちゃう。すごい、トリプルスコアだ。

忘れちゃいけません。VIVE Focus 3はビジネスユース、業務用です。そう考えるとこの価格に納得できる仕上がりなのは事実です。

だから考えちゃいけない。コイツをPCと合わせて使う、個人用のVRヘッドセットにしようだなんて! SteamVRのゲームやアプリのためのVRゴーグルとするだなんて! 沈まれ、VIVE Focus 3の予約ページでマウスのクリックボタンを押そうとしている右人差し指よ...!

Source: HTC