ワイヤレスカメラから遠ざかる祝融号。

中国国家航天局(CNSA)が、火星からの新たな動画3本を公開。公開された映像の中には、探査車「祝融号」の動く音が録音されたものもありました。

CNSAが6月27日に公開した映像は、パラシュートの展開に降下・着陸、探査車「祝融号」が地表に降りる様子、そして6車輪の同探査車がワイヤレスカメラから離れていく様子を収めたもの。中国の火星探査機「天問1号」は2020年7月に打ち上げられ、2021年2月10日ごろ火星の待機軌道に入っていました。

1本目の動画は5月15日の着陸の様子を3つのカメラで捉えたもの。今年2月のパーサヴィアランス着陸時のNASAの映像のように、動画にはパラシュートの展開とバックシェルの分離が映っています。着陸そのものを記録するために探査車の障害物回避カメラが使われました。ミッション中に記録されたメディアは、現在火星を周回している天問1号を介して地球に送られます。

2本目の動画にはなんと映像だけでなく、音も含まれていました。着陸プラットフォームから延びたタラップを下って火星の地表に降り立つ探査車を目と耳とで楽しめます。ちなみにこちらは5月22日の出来事。映像は前面と背面の障害物回避カメラで撮影され、音は「大気密度や惑星の他のパラメーターといった火星の環境と状況」を研究するために使われるマイクで録音されたと、火星探査プログラムのLiu Jizhong副指令はSouth China Morning Postに説明しています。

CNSAのプレスリリースによれば、「(祝融号が)離れる音は主に駆動機構、車輪とタラップの摩擦、車輪と地面の摩擦から来ている」んだとか。NASAのヘリコプター「インジェニュイティ」の飛行中に録音された音のようにかなり控えめな音です。火星では大気が薄いため、音がくぐもって聴こえるそう。

3本目の動画は、祝融号と着陸プラットフォームのセルフィーの前に撮られたもの。地表にワイヤレスカメラを置いた後の探査車が、写真撮影のためにランダーへと後退する姿が映っています。

祝融号と着陸プラットフォームの“セルフィー” Image: CNSA

祝融号は6月27日時点で火星日42日目を迎え、すでに236メートルも移動しています。CNSAいわく、オービターと祝融号は共に「良いコンディション」。 ミッションは90日間を予定しており、探査車は地表下の水氷の探索に加え、火星の地質や気候、表土と内部構造を研究します。

Source: South China Morning Post, CNSA,