Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

もう手にして大満足している人も多いのでは?

今年のiPhone 13 Pro / Maxシリーズはどう? 無印iPhone 13よりProの方がやっぱり良いのかな?

デザインは大きく変わらず、チップ、カメラ、ディスプレイ、バッテリー、全てが改良された13 Pro /Maxはかなり推せるようです。米GizmodoのCaitlin McGarryによるロングレビューをどうぞ!

昔はiPhoneを買う頻度は、だいたいiPhone“S” シリーズでした。それは携帯事業者の契約条件による理由が大きかったからです。

でも時代は変わりました。今はキャリア縛りもなく、SIMロックフリー端末(iPhoneアップグレードプログラムも利用もしたりして)を簡単に購入できるようになりました。カメラの性能も向上し、バッテリーは長持ちするようになり、防水性能をもち、落下させても割れない強化ガラスなど、iPhoneそのものの性能や耐久性が向上しているため、1年毎に買い換える必要性もなくなってきたのも事実です。

アップルは「大幅なモデルチェンジをしない目印」だった“S” ブランドを廃止しましたが、今回のiPhone 13は、かつての“S” ブランドとみなされ、外観は昨年から大きく変わっていません。

ほとんどの人は、毎年スマートフォンを買い換えなくなりましたが、今でもアメリカ人の多くがキャリア事業者を通してiPhoneを買い替えています。今年はVerizon、AT&T、T-Mobileが、iPhone 13に買い換えるようにいろんな施策を展開しています。言うまでもなく、あなたがiPhone 12ユーザーなら今すぐiPhone 13は必要ありません。それでもiPhone 13が欲しくて、そして無料や大きく割引価格で手に入れることができるなら、バッテリーの持続時間の点だけでも買い換える価値があります。

もしあなたがiPhone 11、XS、X、8など古いiPhoneユーザーだったら、iPhone 13はかなりのアップグレードになりますし、13 Pro / Maxにするならなおさらです。

iPhone 13 Pro / 13 Pro Max

これはなに?:アップルの新しいフラッグシップiPhone

価格:iPhone 13 Proは12万2800円から、 iPhone 13 Pro Maxは13万4800円から

好きなところ:とんでもなく長持ちするバッテリー、低照度環境で撮影した写真の画質が向上、改良された望遠レンズ、めちゃくちゃ滑らかなディスプレイ、パワフルなパフォーマンス

好きじゃないところ:シネマティックモードには改良の余地あり

進化したカメラは楽しいけどちょっとイラッとする点も

毎年iPhoneのカメラは改良され続けていますが、今年も例外ではありません。iPhone 13シリーズ全てにおいてレンズが改良され、低照度環境下での撮影性能が向上しています。また4つの新型iPhoneすべてに動画版ポートレートモードといえる、新しいシネマティックモードが搭載されました。昨年の12 Pro / Maxと同様、13 Pro / Maxにも望遠レンズを含む3種類のレンズが搭載されていて、廉価版のiPhone 13やiPhone 13 miniとは差別化されています。今年のカメラには、3倍の光学ズームに、至近距離で驚くようなディテールを撮影できるマクロ撮影機能が搭載されました。

例年と異なり、13 ProとPro Maxは同じカメラモジュールを搭載しているので、カメラの性能はどちらも同じです。より良いカメラを求めて大きくて高価なPro Maxにお金を費やす必要はありません。ProとPro Maxの両方に、センサーが大きくなった12メガピクセルの標準カメラと超広角カメラを搭載し、さらに新しくなった12メガピクセルの望遠カメラは、77mmの焦点距離を実現。カメラのアップグレードは、基本的に機器の内部で実装されがちですが、13 Pro / Maxでは、12 Pro / Maxと比較してもレンズは一目瞭然ででっかくなりました。アップルによれば、標準レンズ(ƒ/1.5)はiPhone 12 Proと比べて2.2倍の光を集めることができ、iPhone 12 Pro Maxと比べて49%性能がアップしたそうです。一方で、12メガピクセルの超広角レンズ(ƒ/1.8)は、新しいオートフォーカスセンサーを搭載し、去年のモデルと比べて集光力が92%アップしました。

至近距離で細部をクローズアップして撮影できるマクロ撮影モード Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

非常に暗いレストランにて、iPhone 13 Proのナイトモードで撮影 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

iPhone 13 Proのメインレンズで撮影。エフェクトなし。 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

13 Pro /Max は、前モデルの12 Pro /Maxと比べて、暗い環境下での撮影能力が格段に上がっています。そして、初めてナイトモードが望遠カメラを含むすべてのカメラに搭載され、今までのiPhoneより格段に画質が向上しました。iPhone 11は、モデルイヤーの頃よりも安くなっていますが、まだアップルから新品で購入できますが、カメラ性能の差において、これは大きなポイントかもしれません。 13 Pro /Max の望遠カメラも、12 Proにはなかったナイトモードに対応しています。今回ロサンゼルスのエースホテルで行われたルーシー・ダカスのコンサートで、会場の後ろの方の席から撮影テストを行いました。3倍ズームで撮影した写真や動画は、鮮明で色も正確で、自分が好きな2曲をインスタグラムでシェアしても恥ずかしくないクオリティの動画にすることができました(コンサートでは珍しいケースですが)。

Galaxy S21 Ultraで、ナイトモードをオンにして光学10倍ズームで比べてみました。結果、ステージ上のルーシー・ダカスにより近づいて撮影することができました。写真は完全に鮮明なものではありませんでしたが、iPhoneで撮影した写真では見えなかった彼女の赤いリップやギターの細部まで確認できます。Pixel 5のナイトシフトとデジタルズームでも試してみましたが、うまく撮影できませんでした。S21 Ultraの望遠レンズと比べると、iPhoneも光学ズームの性能をもうちょっと頑張ってアップしてくれればいいのにと思わなくないですが、3倍というのは、iPhone 12 Proの2倍(12 Pro Maxでも2.5倍)と比べて明らかに改善されています。

iPhone 13 Pro Maxの光学3倍ズームのナイトモードで撮影 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

Galaxy S21 Ultraの光学10倍ズームのナイトモードで撮影 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

Pixel 5のナイトシフトモードとデジタルズームで撮影 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

13 Pro/ Maxのカメラのもうひとつの大きな特徴は、新しく設計された超広角レンズと新しいオートフォーカスシステムによって実現したマクロ撮影機能です。マクロ撮影は、ポートレートモードのように切り替えるマニュアルモードではなく、2cm以内に被写体が近づくと自動的にマクロ撮影モードになります。マクロモードに切り替わる際、カメラアプリのプレビュー画面で、明らかにレンズの位置が移動します。これにカメラを使い始めた数日間はイラッとしていたのですがだんだん慣れてきました。このレンズの切り替わりによって、マクロモードが有効になったということを視認することができますが、アップルのソフトウェアとしてはちょっと雑な気もします。アップルはすでにこの問題の解決に取り組んでいて、ユーザーが自分で切り替えることができるマクロモードを追加することを計画中と言われています。

マクロ撮影の写真は、ちょっとした冒険気分です。草の葉が巨大な緑の短剣に見えたり、花びらがトンネルに見えたり、ハエは別の惑星から来たモンスターのように見えます。

iPhone 13 Pro Maxの標準レンズで撮影 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

iPhone 13 Pro Maxの標準レンズで撮影 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

そして今後もいろいろ使っていきたいと思っている新しいカメラ機能は、iPhone 13の全てのモデルに搭載されたシネマティックモードです。動画版ポートレートモードとも言えますが、正直に言うとこれは課題が残ると思います。でもうまくいくと良い感じに撮影できます。

まず、映画のような映像を撮るのに適したシチュエーションを熟慮した上で撮影に臨む必要があります。例えば白昼の屋内、もしくは屋外で、さらに誰をどのように撮影するかが重要です。光が少ない環境は無理、そこそこの明るさでも全然無理。大勢の人がいる中で1〜2人の顔にピントを合わせようとするのも厳しい。撮影リストを持っているプロでもない限り、映画のような映像を撮るには相応の努力が必要だし、挫折しそうです。それでも私は楽しんで試すことができました。

いくつか異なる場面で試してみましたが、アップルのプロモーションのようなプロ並みの映像はできませんでした。でもゴルフをしながらのテスト撮影は楽しめました。アマチュアゴルファーが上達するためには、自分のスイング映像が必要不可欠なのですが、シネマティックモードの映画のような映像で、下手なスイングが上手く見えるとまではいきませんが、映像全体はかっこよくなりました。

シネマティックモードの背景のぼかしは自然に見えますが、私のポニーテールのあたりではちょっとやりすぎ感。動画をGIFに変換したため画質は落ちています。 Gif: Caitlin McGarry/Gizmodo US

シネマティックモードは、ポートレートモードと同じように背面カメラと前面カメラ、両方で利用することができます。私はこの自撮りカメラでインターネットに公開できるような動画を撮影できませんでしたが、この機能を試すこと自体はとても楽しかったです。(ポートレートモードもそうですが)この機能が改善されていくことに期待したいところです。映画のような映像を撮るためだけに、今すぐ iPhone 13 Pro /Maxを購入する必要はないと思いますが、これから iPhone 13 Pro /Maxで撮影した作品がどんなものかは興味深いです。(しかしなんでアップルは一般人に映画を撮らせたいんでしょうね?)

そして最後に、iPhone 13の全モデルに搭載されたカメラ機能は「フォトグラフスタイル」と呼ばれるものです。これもカメラアプリのツールバーに埋もれている設定です。アップルは暖色系、寒色系、高コントラストなどのフィルターをデフォルトで用意していて、すべての写真を適用可能なカスタムスタイルも作成することができます。注意すべきは、撮影する前に「スタイル」を選んでおかなくてはいけないので、後から適用するフィルターとは使い方が少し異なります(撮影後に「鮮やか」から「クール」に変更することはできません)。アップルによると「フォトグラフスタイル」では、肌のトーンなどの細部は変えずに、写真のさまざまな部分を調整することができるとのことです。

フォトグラフスタイル「標準」 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

フォトグラフスタイル「リッチコントラスト」 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

フォトグラフスタイル「鮮やか」 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

フォトグラフスタイル「暖かい」 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

フォトグラフスタイル「冷たい」 Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

上の写真のように、フィルターのように写真のスタイルを変更してくれます。基本的に他の競合製品と比べて、iPhoneのカメラは、よりリアルな写真を撮ることができるのですが、「フォトグラフスタイル」を使えば、サムスンみたいに強引な感じではない、ドラマチックな写真に仕上げることができます。

また「Prores」という主にプロが利用するファイルフォーマットにも対応しました。フォトグラファー向けの「ProRAW」フォーマットにも通じるところがありますね。ほとんどの一般的なiPhoneユーザーには必要ないと思います。

アホみたいに長持ちするバッテリー

世界がUSB-C化してるというのに、iPhone 13 Proは例外だった Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

iPhoneユーザー全員が全員、最高の写真を撮りたいと思っているわけではないと思いますが、バッテリー持続時間の向上については、全員賛成してくれる項目だと思います。この件に関してはアップルは大きく前進させてくれました。すでにiPhone 12 Pro /Maxでも、購入できるスマートフォンの中でも最も長持ちする2機種でしたが、13 Pro /Maxではバッテリーが超大型化しさらに進化しました。

米ギズモードの動画によるランダウンバッテリーテストでは、13 Proは16時間21分で、12 Proよりも2時間11分長く、12 Pro Maxにはたった10分だけ届かず。そして13 Pro Maxは、12 Pro Maxよりも3時間長い19時間30分でした。

滑らかなディスプレイに高級感のあるデザイン

シエラブルーは、13 Proから登場した新カラーです Caitlin McGarry/Gizmodo US

例年同様、6.1インチの13 Proおよび6.7インチの13 Pro Maxは、廉価版の兄弟モデルよりもハイエンド仕様になっています。Proモデルでは、アルミニウム製ではなくステンレススチール製のフレーム、背面はマットガラス仕上げで、特に新色のシエラブルーではその質感が際立ちます。Proのカラバリは、他にグラファイト、ゴールド、シルバーがあります。

またiPhone 13のすべてのモデルで、ノッチ(インカメラ等が配置されている端末上部の黒い切り抜き部分)が20%もスリムになり、これまでのiPhoneよりも少し突き出した印象になりました。少しだけ画面が広くなりましたが、これで得られる恩恵はあまりないように思います。一番上のステータスバーにバッテリーの%表示がされるわけでもなく、なぜ今回アップルがわざわざこうしたのかはよくわかりません。でも来年にはノッチそのものが無くなるかもしれませんね…!

なんらかの理由でノッチが小さくなりました Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

そしてProモデルが無印の13、13 miniと大きく異なるのは、新しい120Hzディスプレイです。これは見ているコンテンツに応じてその都度リフレッシュレートを調整するというもので、例えば静止画を見ている時は低いリフレッシュレートで、ウェブサイトをスクロールしていたりゲームをしている時は高いリフレッシュレートに自動的に調整してくれます。iPad Proに搭載されているProMotisonディスプレイと同じものですが、60HzのディスプレイのiPhoneと並べて比べてみると、古いiPhoneだとスクロールする時にギザギザになっていることがよくわかります。リフレッシュレートを重要視する一定のユーザー層にとってはこれは大きな意味を持つかもしれませんが、ほとんどのユーザーは気づかないと思います。

ちなみにAndroid端末には何年も前から120Hzのディスプレイが導入されています。開発者はサードパーティ製のアプリを新しいiPhoneのリフレッシュレートに最適化する必要があるので、今すぐに一新されるわけではありませんが、これは歓迎すべき変化だと思います。

期待通りの圧倒的スピード

新しいA15 Bionicプロセッサを搭載していて5Gにも対応しています Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

iPhone 13シリーズには、6コア CPUと5コア CPUのアップル最新のA15 Bionicチップが搭載されていますが、これはスマートフォンの中で最もパワフルなチップです。システム全体のパフォーマンスを測定するGeekbench 5のベンチマークでは、13 Pro/ Maxは、クアルコムのSnapdragon 888チップを搭載したAndroidフラッグシップ端末を圧倒的な差で追い抜いています。サムスンの「Galaxy Z Fold 3」でも、マルチコアが3419、シングルコアが1077で、Pro Max(マルチコアが4770、シングルコアが1744)に惨敗です。A15 Bionicチップは、iPhone 12に搭載されているA14 Bionicよりもはるかに高速ですし、11、XS、X、8等からの買い替えユーザーであれば、なおさら全ての動作がスムーズになったと感じられると思います。

iPhone vs. Galaxy vs. Pixel

どんなスマートフォンにも欠点はあります。サムスンの実験的なハードウェアや前衛的なカメラは、まるで未来人のガジェットのように感じさせてくれます。しかしその最先端のハードウェアにおけるソフトウェア体験は、どうしても当たり外れがあります。例えばここ数年、サムスンは複数の端末でポートレートモードでの動画撮影機能を提供していますが、フラッグシップモデルのGalaxy S21 Ultraですらその仕上がりにはかなりむらがあります。

グーグルは、ソフトウェアの利便性には優れていますが、Pixelスマートフォンはかなり時代遅れで、AIを活用したカメラマジックはもはや時代をリードするものではありません。アップルは、ハードウェアとソフトウェアの統合のバランスの良さがウリですが、どちらも安全策をとっています。

しかし状況は面白くなってきました。グーグルの自社製チップセットを搭載したPixel 6と6 Proが間もなく登場しようとしています。サムスンは折りたたみ式のスマートフォンをヒットさせています。(気が早いですが)来年の「iPhone 14」では、ノッチを廃止したデザインになると噂されています。そしてマイクロソフトは…、試行錯誤中です。

iPhone 13 Proは買う価値あり?

Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

Photo: Caitlin McGarry/Gizmodo US

最近、ギズモードだけではなく主要なメディアや技術系サイトのレビューも含む過去のiPhoneのレビューを読んだのですが、特に「S」の年のレビューは面白いですね。全ての「S」機種で、カメラが改善され、チップが高速化されています。iPhone 4Sは「見慣れた電話により高速なCPU、より優れたカメラ、そして新しいカメラが加わった」と評され、iPhone 5Sのチップは、iPhone 5の2倍の速さでしたが、とあるレビューでは「以前は誰もiPhoneの速さに不満を持っていなかった」と書かれていました。

また、iPhone 4Sでは良くも悪くもSiriがやってきました。iPhone 5Sでは初めてTouch IDが導入されました。顔認識機能(Face ID)を搭載したiPhone Xを発表した年は、何百万人もの人々が同年に発表された実質的には7SであるiPhone 8を購入しました。

毎年iPhoneは少しずつ進化していますが、後にどの新機能が響いてくるのか、すぐにはわからないこともあります。4Sになったときには、複数のタイマーが設定できないSiriが私の敵になるとは思いませんでしたし、iPhone 5Sの指紋センサーがこのマスク時代で憧れの存在になるとは誰も予想しませんでした。

iPhone 13/Maxは、見慣れたiPhoneが、より速く、より良いカメラになって、改良されたソフトウェアが詰め込まれています。もし買い替えが必要なら、買う価値ありです。もちろん来年のiPhoneの方が良いかもしれませんが、いつだって来年のiPhoneの方が良いに決まってますからね。