Photo: Florence Ion / Gizmodo

サステナブルなスマートフォン。

スマートフォンってどのタイミングで買い替えていますか? 毎年新モデルを買うのはかなりのガジェット好きだとして、必要だから買う人はいつ替えますか? 壊れたから? 使いづらくなったから? キャリア変更のタイミングで? 買い替え理由は人それぞれでも、中には修理できなかったから(修理代が高すぎたから)という人もいるはず。

メジャースマホメーカーとは別の方向性で注目すべきスマートフォン、Fairphone。パーツごとに修理・交換ができ、長く使えるというのがモットーのオランダのスマホメーカーです。以前からギズモードでもニュースとして取り上げてきましたが、今回はFairphoneの最新モデルFiarphone 4を米Gizmodo編集部が触ってきたのでレビューをお届けします。

モジュールタイプのスマートフォンという考えは、その昔Google(グーグル)がProject Araとして取り組んでいた頃からかなり注目していました。パソコンを自分で組み立てたことのある人間からしたら、素晴らしいアイディアだと思います。ただ一般的ではなかったようで、Project Araはお蔵入りしていしまいましたけど。

コンセプトではなくリアルで使えるモジュールタイプのスマホの代表(というか一択のみ?)といえば、Firphone。オランダ発、モジュールタイプで修理ができるようデザインされたスマートフォンです。他がモジュール型で苦戦・失敗する中、第4世代となる最新機種Fairphone 4まで続いていることは賞賛に値すると思います。もっと注目されてほしい。

Photo: Florence Ion / Gizmodo

で、スペックは?

まずは簡単にスペックを。昨年のFiarphone 3+からの手堅いアップデート。ディスプレイは6.3インチのフルHD+。プロセッサはSnapdragon 750G、メモリが6GBで、容量は128GB。さらにFairphone初の5G対応(サブ6GHz帯ですが)。我が家は5Gエリアではないため試せず。

バッテリーは3,905mAh。昔の携帯電話のように簡単に背面から取り外し可能です。バッテリーこれで足りるかなと不安にも思ったのですが、ふと「あ、スペア持っていけばいいのか」と気づきました。簡単に取り外しできるということは、充電できないときはスペアバッテリーと入れ替えちゃえばいいということ! Fairphone公式ではバッテリーもちは200時間、1時間(20W充電)の充電で50%チャージということになっています。ケーブル含む充電器は同梱なし、お手持ちのものを使ってください。

Photo: Florence Ion / Gizmodo

カメラはリアが48MP、ソニーのIMX582センサで、レンズ口径はf/1.6。フロントのセルフィーカメラが25MP。前も後もToFセンサあり。デジタルズーム最大8倍。動画撮影は4K対応(30fps)、最大240fpsのスローモーション撮影もできます。

ありそうでないのはイヤフォンジャック。そこはBluetooth接続でお願いします。イヤフォンジャックがないことで、モジュールとしては扱いやすいのかも。

価格は400英ポンド、日本円だと7万5000円ほど。中価格帯スマホとして、機能も十分装備されています(他社のフラッグシップスマホと比べたらだめですよ、Fiarphoneの最大の機能は修理・パーツ交換できることなのでね)。で、機能は電源ボタンに搭載された指紋認証、NFC対応、microSDカードスロット。端末5年保証、2027年までは部品が必ずあるという保証つき。

ちなみに、568英ポンド(約8万6000円)のメモリ8GB&容量256GBモデルもあります。

Photo: Florence Ion / Gizmodo

Fiarphone 4のOSはAndroid 11で、Android 13まではソフトウェアアップデートに対応。というか、Fiarphone的にはAndroid 14だってAndroid 15だってその先だってサポートする想定なのですが、その場合Fairphone 4のチップセットのモジュールアップグレードの必要性がでてくる場合も。そこは、長く使ってこそのFiarphoneですからね。

使い勝手は?

Photo: Florence Ion / Gizmodo

デザインは、Motorolaの安価モデルMoto Gシリーズを彷彿とさせるような。個人的には、どうもブロックぽいというか、ゴツいというか、このハードデザインがなぁ。デザインのせいで、広い層にウケないような気がしています。これからしばらく使ってフルレビューしたいとは思いますが、数日一緒に過ごした感想としては上々。その昔、Project Araカンファレンスに出席したことがある自分からしたら、なんかワクワクするというか、感慨深いというか。

マイナーな端末ではありますが、一般的なメジャーなアプリはもちろん使えます。Pokémon Go、Office 365、Google Chrome問題なしです。Geekbench 5の全体的なシステム性能のベンチマークでは、シングルコアのスコアは638点、マルチコアで1,859点。Samsung(サムスン)やApple(アップル)のフラッグシップスマホには当然及ばないものの、GeekbenchスコアではサムスンのミッドレンジスマホGalaxy A71(Snapdragon 730、昨年リリース時で450ドル=約5万円)よりは上でした。

カメラも試してみましたが、Google Pixelのカメラアプリよりは扱いが難しい。例えば、撮影完了までちょっと間があったり、屋内撮影が苦手ぽかったり。Auto HDRは、色がビビットでいい感じです。ズームも悪くないのですが、ちょっとギザってしまいますね。現段階では、iPhoneレベルのカメラ性能はないものの、いつかモジュールスマホもその域に達するはずという将来的期待はかけたいところ。

風景写真もしっかり映ってます。 Photo: Florence Ion / Gizmodo

2倍ズーム。 Photo: Florence Ion / Gizmodo

8倍ズーム。ちょっと見づらくなるものの、何が写っているかは確認できます。 Photo: Florence Ion / Gizmodo

うちの庭の花、ビビットな色がいい。 Photo: Florence Ion / Gizmodo

ポートレートモードとかなくてもこんな感じ。 Photo: Florence Ion / Gizmodo

パーツ交換・修理は?

Fiarphone 4のUSB-Cモジュールを持ってみた。 Photo: Florence Ion / Gizmodo

前モデル同様のモジュール具合。全部で7つのパーツが交換可能です。カメラモジュールも交換可能。ディスプレイも100ドルほどで他に変更可(8つのミニネジで固定されています)。特筆すべきは、あのiFixitのレビューで10点満点を獲得した数少ない端末だということ。分解、修理可能が売りなので当然っちゃ当然ですけれど。

試しに、スピーカー&USB-Cモジュールを外してみました。Phillips 00のドライバーで難なくOK。自作PC組んだことあるので、パーツを扱うことに「ビビリ」はしなかったものの、久しぶりなのもあってちょっとだけドキドキはしました。外して、再びいれて、なんの問題もなく動きました! わかってはいたけど、わーい!

Photo: Florence Ion / Gizmodo

Fairphoneのミッションは、テック業界にひとつの可能性を見せること。大量生産の電子機器において、商業的成功と交換・修理簡単な端末を両立させることは論理的に可能であると示すことです。昨今、多くの企業がいかにサステナブルな取り組みをしているかアピールしていますが、電子廃棄物を減らすため、気候変動をくい止めるために、もっとできることはあるはずです。そう、1台の端末を長く使ってもらえるようにするとかね。

現在、Fairphone 4が販売されているのは、ヨーロッパの一部の国のみ。ただ、世界的にサステナブルの観点からも「修理する権利」がより注目される中、今後対応地域が拡大していく可能性は多いにあると思います。他社がFairphoneに影響されていく可能性も…。

Fairphone 4の存在が、これからのスマートフォンのひとつの姿=修理できるスマートフォンのいい例となっていってくれますように…。とはいえ、モジュールタイプのスマホが普及するにはユーザー側も変わる必要があると感じています。スマホは修理するものだという価値観へのシフトですね。今日の最新版至高のマーケティングも変わる必要がありますね。