image: 理化学研究所

理化学研究所などの研究グループが、「サイボーグ昆虫」なるものを作ったんですって。

将来的には、昆虫を遠隔操作して災害現場における操作とかに役立てたいと考えているみたいですよ。

どうやってサイボーグ化させるの?

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理化学研究所のリリースによると、厚さ4マイクロメートルの柔軟な超薄型有機太陽電池を、腹部の背中側に貼り付けたそうです。

太陽電池を全面に貼り付けてしまうと腹部の動きに影響が出てしまうので、接着剤を貼り付ける部分と貼り付けない部分をつくる「飛び石構造」を採用。

胸部の背側には、無線移動制御モジュールとバッテリーをつけた柔らかいバックパックを貼り付けています。

そして、ここから伸びた刺激信号を送る銀のワイヤを、尾葉と呼ばれるお尻の先っぽあたりに位置する器官に接続しています。

動きにくくないの?

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腹部のフィルムが動きに影響を及ぼすかどうか、については、障害物踏破試験で、厚いフィルムを貼った場合と、飛び石構造の厚さ3マイクロメートルのフィルムを実装した場合とを比較して、3マイクロメートルの飛び石構造接着ならフィルムなしの場合とほとんど同じ踏破時間だったのを確認しています。

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当然ですが、起き上がり能力への影響も検証されています。

さまざまな厚さのフィルムで試した結果、超薄太陽電池なら60秒以内に通常の状態に起き上がれる確率が100%だったそうです。

サイボーグ化させる理由は?

わざわざ生き物を使わなくても、と思いますが、サイボーグにしたほうが消費電力の面で省エネなのだそうです。

たしかに、全身をロボットにしたら、それを動かす電力が必要になりますし、必然的に大きくなっていきそう。サイボーグにするなら、脚をうごかす電力は要らなくなりますよね。

他の生き物でもできる?

できます。

飛び石構造で超薄型の電子素子を取り付けるという戦略なので、他の昆虫にも取り付けられます。 

この研究でマダガスカルゴキブリが選ばれたのは、成熟すると5〜7. 5cmになる大型の昆虫だということ。また、飛翔能力がなく、環境に順応しやすく、飼育下では5年ほど生きる寿命の長さが理由です。

マダガスカルゴキブリはどう思っているのだろう?

私は虫を含めて生き物が好きなので、こういった研究内容を聞くたびに、生き物の気持ちを考えてしまいます。

そこで昆虫に脳や感情はあるのか、ということを少し調べてみました。

まず、昆虫にも脳にあたる部分、つまりヒトと同じニューロンと呼ばれる神経細胞が集まったものは存在します。ただ、ヒトが1000億個だとしたら昆虫は100万個程度なのだとか。このことから、処理している情報は大幅に簡素化されていると解釈できます。ヒトと同じように考えられるのか、思考能力があるのか、と言われたら「あまりなさそう」という答えになるのでは。

ちなみに、昆虫の場合、神経細胞が集まる場所が頭部だけではなく、胸部や腹部にもあるので、頭部を切断されても体が動くといった現象が見られます。

次に感情の部分ですが、感情をどう定義するのかによって変わってくるかもしれません。不快な物理的刺激を与えられたり、普段と違うことが起こったりしたときに反応するので、その反応を刺激の感知だけでなく困惑と捉えれば、気持ちがあると解釈できるのかも。

映画『Wall-E』のウォーリーとゴキブリのように、持ちつ持たれつの関係になれたら理想なんですけどね。サイボーグゴキブリが災害現場などで活躍する日がきたら、ゴキブリの地位向上がすすむかな、なんて。

Source: 理化学研究所