Image: NASA / Gizmodo US

見事な正面衝突!

NASAの宇宙探査機「DART」が小惑星「ディモルフォス」に衝突し、それに伴い米東部時間の9月26日午後7時14分、予定通りの時刻に探査機からの信号が途絶えました。このキネティック・インパクターが小惑星の軌道を変更できたか確認するべく、科学者たちはデータを詳しく調べることになります。

体当たり作戦は見事成功

NASAの初となる地球防衛戦略の実証実験は非常にうまくいったようで、宇宙探査機DARTは二重小惑星「ディディモス」への約10カ月に及ぶ旅路を経て、標的のディモルフォスへの体当たりに成功しました。

その様子は、DARTに搭載されているDRACO(ディディモス偵察および光学ナビゲーション用小惑星カメラ)が事細かに捉えています。カメラは1秒につき1枚のペースで、徐々に大きく映し出される小惑星を撮影。1フレームごとに岩石や塵、影といった地表の様子が次第に鮮明になっていきます。そしてDARTが時速1万4000マイル(約2万2500km)に達する速度でディモルフォスに突進した直後、信号消失を示す赤い画面へと変わったのでした。

IMPACT SUCCESS! Watch from #DARTMIssion’s DRACO Camera, as the vending machine-sized spacecraft successfully collides with asteroid Dimorphos, which is the size of a football stadium and poses no threat to Earth. pic.twitter.com/7bXipPkjWD

— NASA (@NASA) September 26, 2022

信号の消失が祝う理由になるなんて滅多にないことですが、今回の衝突実験は危険な小惑星に対する惑星防衛戦略の開発につながる可能性があるため、これまでの宇宙ミッションの中でもDARTは最も重要なミッションとなっているのです。NASAが実験のターゲットにこの連星小惑星を選んだのは、地球にとって脅威となるからではなく、ぶつかった影響を観測しやすいからでした。衝突によってディモルフォスの速度は1%だけ変化して、大きな片割れディディモスを周る軌道が変わるはずだと予測されています。この変化は地上望遠鏡から計測できるそうです。

DART探査機自体は役目を終えましたが、同探査機から数週間前に配備されたイタリアのキューブ型衛星LICIACubeは今も動作していて、噴煙と衝突クレーターを求めて現場検証を行います。また、ディモルフォスの激突されていない側の撮影も試みる予定。さらにハッブル宇宙望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡も、ディモルフォスの明るさの変化(衝撃によって巻き上げられた物質の量を示す)を観測していたとか。NASAや欧州宇宙機関、そして観測機器類が集めたデータはDARTがディモルフォスに及ぼした影響の度合いを評価するのに役立ちます。

総予算3億800万ドル(約550億円)のDART(二重小惑星進路変更実験)ミッションは、これで新フェーズに入りました。宇宙探査機はなくなってしまいましたが、今回の実験と観測データによって、地球に衝突するリスクのある小惑星の軌道を逸らす戦略の実現可能性を含め多くのことが明らかになるでしょう。

宇宙ゴミの衝突かも。月面に出現した謎のクレーター NASAの人工衛星、ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)が捉えたところによると、数ヶ月前にロケットの一部と思われる物体が月に衝突したことがわかりました。 https://www.gizmodo.jp/2022/06/moon-crash-site-double-crater-nasa.html

Source: Johns Hopkins APL, Twitter