Photo: Graham Colby(Getty Images)

これも地球温暖化の悪影響…。

夏が来るたびに猛暑のニュースが流れることにも、いつのまにか慣れっことなってしまいました。極地の氷が、かつてないスピードで解けていっている話は、もう何度も耳にしています。しかしながら、そのせいで海水面の上昇という問題が生じているのみならず、新たな危機につながる恐れが、このほど科学ジャーナルの「Proceedings of the Royal Society B」に掲載された論文で明らかにされていますよ。

氷河からウイルスが解け出している

カナダの最北部にあるヘイゼン湖において、氷河の溶解と、それによって湖内に流れ込んでくる、氷河中に閉じ込められてきたウイルスとの関係を調査した研究チームによれば、何万年と氷河のなかで眠っていたウイルスが、現代の新たな宿主を見つけ、それがパンデミックを引き起こす危険性すら否定できないそうです。

通常であれば、ウイルスが入った宿主には、それを排除しようとする作用が生じ、ただちにパンデミックにいたることはほとんどありません。ところが、数千年あるいは数万年もの間、地球上に存在していなかったタイプのウイルスが入ってしまうと、一切の免疫がないため、大惨事になってしまう可能性がないとはいえないみたいですね。

これは気候変動が多くの問題を引き起こしていることを示す新たなエビデンスだ。とはいえ、これが次のパンデミックにいたると警告しているのではない。いつ、どこで、どんな宿主から、どのようなウイルスが、次のパンデミックを引き起こすことになるかを予測するための研究ではない。

同論文を執筆したオタワ大学の生物学者のStephane Aris-Brosou氏は、こんなふうに語り、研究結果に過剰反応を求めてはいないとしつつも、どんどん氷河が解けることで、氷のなかのウイルスが次々と放出されていることは事実だと警告。

今後の研究で、その昔からよみがえった形のウイルスに、どれほどの感染力があり、致死的な影響力があるかどうかなどが判明していくだろうと述べました。

いずれにせよ、急激な地球温暖化が、かつてない問題を引き起こしていることは明らかなようですね。

Source: Proceedings of the Royal Society B