育休ママの挑戦〜赤ちゃん連れ留学体験記〜③

1歳3カ月差の年子兄弟を育てるアラフォーママ(この春、新聞記者に復職)です。長男、次男と立て続けに出産し「長期間にわたる育休明けに手ぶらで復帰したら戦力外と言われるのではないか」との不安に襲われた私は、育児休業の間、計6カ月にわたってフィリピン・セブ島とニュージーランドに母子3人で留学することを決意しました。乳幼児を連れての海外なんて不安だらけの私を迎えてくれたのは、経験豊富な親子留学カウンセラーでした。

これまでのお話

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育休明けの「戦力外通告」が心配に 苦手な英語鍛え直す場所を探した

次男の出産を2カ月後に控えていた2018年4月。ネットで親子留学について調べ、問い合わせメールを送りまくっていた私は、フィリピン・セブ島で「子育て中のママのためのママ・赤ちゃん留学」なるものを実施している留学エージェント「留学情報館」(東京・新宿)に向かった。

復帰に備えて「苦手な英語をブラッシュアップしたい」という私の思いは日に日に増していた。だが、当時まだ1歳半にもなっておらず、自分で歩くこともままならない第1子・シンシンも合わせ、2人の乳幼児を抱えての「海外留学」が可能なのか、心配はつきなかった。

担当してくれたのは同社の「ママ・赤ちゃん留学」マネジャー、近藤英恵さん(40)だ。

留学情報館のカウンセラーで「ママ・赤ちゃん留学」マネジャー近藤英恵さん=本人提供

私   「うち、乳幼児2人ですけど、大丈夫でしょうか」
近藤さん「2人連れて行かれる方、増えていますよ!」

なにー。

近藤さんによると、第1子の育休中は、ママも初めてのことだらけで、とにかく余裕がない。日々の子育てに必死のうえ、「早く職場に戻らなければポジションがなくなるかもしれない」という焦燥感から、育休を楽しむことなく、バタバタと仕事復帰するママが多い。

「でも、2度目の育休になると、皆さん少し慣れてきて、大きく意識が変化するのです。『社会に出て経験を増やそうかな』とか『英語の勉強しようかな』とか思われるみたいですよ」と近藤さんは言う。

目から鱗。子どもが増えるほど余裕が出てくるなんて、やはり母は強しだ(私にはまだ余裕なんてないけど)。

同社が提供する「ママ・赤ちゃん留学」は、そんなママの気持ちに寄り添いたいと作られた。英語スクールのプランに、学校が独自にトレーニングしたシッター兼家政婦が含まれているのが特徴という。赤ちゃんのお世話だけでなく、料理、洗濯、掃除もしてくれるという。なんという至れり尽くせり。

ママ・赤ちゃん留学体験者の話を聞く交流会にも行ってきた。後列左から2番目がわたし。当時妊娠8カ月=留学情報館のHPから

セブ島には100校を超える語学学校があるそうだ。なかには無認可のものもあるというが、それでも、政府にきちんと認可されている学校は88校(2019年6月現在)。親子留学ブームもあり、小さい子どもを受け入れるところも増えてきたという。同社が提携している学校のうち、3校が0歳児連れでもOK。ただ、詳細を聞くと、あくまで「語学学校」という立場であり、「赤ちゃん連れのママ目線」を取り入れた学校はまだ少ない。

例えば、0歳児は受け入れますが、学校では専属のベビーシッターは手配せず、シッター経験のある女性を紹介するのみなので、個人で直接契約をしてくださいね、といった具合だ。

人脈もつてもない子連れのママに、自分でフィリピン人シッターを探せだなんて。そもそも、これから英語を学ぼうとする私たちに、英語で交渉しろなんてハードル高すぎる。子どもを安心して預けられる相手を探すとなれば、なおさらだ。

それに、共同生活となる寮タイプの宿舎も、赤ちゃんの夜泣きを考えると非現実的だ。他の学生に気兼ねしてまで留学したいわけではない。さらに、子ども用品(オムツや粉ミルク、ベビーフード)などがすぐに買えるスーパーが徒歩圏内にある必要がある。セブの海が一望できる絶景ペンションだったとしても、スーパーがないと母ちゃんは困る。

私の要望は
・シッターは学校が手配し、その質も責任も学校側に担保された人であること
・住まいはキッチン付きコンドミニアム、清潔でお湯なども出る独立した部屋であること
・近くにショッピングモールやスーパーなどがあること

すべてを満たす条件を備えた学校は、一つしかなかった。

Kredokids.(クレドキッズ)。もともと、IT英語の専門学校として日本人が建てた学校で、その分校だ。2018年5月にセブで初となる赤ちゃん連れを想定した「親子留学専門校舎」がオープンしたばかりで、割引つきで引き換えにモニター生を募集していた。

早速見積もりを出してもらった。(*見積もり金額は当時のもので、現在とは異なる場合があります)

<4週間の場合>
①シッター兼家政婦料金(週5日×8時間)=6万円

②授業料(1日4〜6時間)+滞在(コンドミニアムでの宿泊)費=約36万円

③空港出迎え料金

④その他(ビザ代、事前にまとめて払う光熱費代など)
合計=約42万〜 *1日単価15,000円

私の場合、上記に加えてB型ベビーカー(1週間500円)をレンタルし、ワンルームではなく1LDK使用の少し広めの部屋をお願いしたため、もう少し費用がかさむ見込みだという。

……うーん、安くはない。

これに保険や航空券を加えたら軽く50万は超える。しかも、日々の食費はこれとは別料金だ。ちなみに滞在日数が増えれば増えるほど、1週間あたりの単価は安くなっていくのではあるが。。。

近藤さんは、「確かに、親子留学を実施している他校に比べると少し高いかもしれません。ただ、赤ちゃん連れであることを考えると、治安や清潔感のあるエリアを最優先する必要があります。学校と滞在先のコンドミニアムが位置するのはセブ島でも治安がいい立地で、コンドミニアムから歩いて2,3分のところにセブ屈指のショッピングモールがあります。日本語スタッフが常駐するセブ最大の病院にも近く、小さな子ども連れのお母さんには、一番安心していただける立地だと思います。それに、同じ条件でハワイやオーストラリアで滞在しようと思うと、軽く倍はかかってしまいますよ!」と説明した。

家に帰宅した私は、早速夫に相談してみた。
私「二人目が生まれたあと、1カ月か2カ月くらい、セブに行って英語勉強してきたいんだけど」
夫「いいじゃない。せっかくなら半年くらい行ってきたら?!」

え!太っ腹。(って、留学費用は自分の貯金から出したので、夫に金銭面ではお世話にならなかったのだが、快く送り出してくれたフトコロがありがたかったのだ。)

そういえば夫は、シンシンが生まれてから、出張を極力控え、仕事もかなりセーブしていた。結婚前は大好きだったお酒の席も、「この会に行かないと人間関係にひびが入り人生に著しくマイナスになる」レベルじゃなければ行かないで欲しい!と強く要求していたから、久々に羽を伸ばしたかったらしい。何より、英語が出来ない夫は私の「英語コンプレックス」を誰よりも理解してくれていた。

夫婦の合意が形成された。あとは、無事に出産するだけだった。

2カ月後、ルール−は無事に生まれてくれ、1カ月健診でも順調に成長が確認された。近藤さんとのやりとりを経て出発は9月中旬、ルール−の3カ月の予防接種を終えてから、ということになった。

留学期間は、滞在日数が長くなるほど1週間あたりの費用は安くなっていくのと、冬休みにセブで合流したいという夫の希望を反映し、最終的には4カ月半以上にあたる17週間を選んだ。費用はおよそ160万円。「スキルアップのための自己投資」だと思うことにした。

***次回は、準備に向けた予防接種や、子どもの常備薬などについてお話します。かかりつけの小児科医から「こんな小さなうちに連れてくの?!勝手なママね〜」と怒られたこととか。