新型コロナウイルスの変異株に対し、世界保健機関(WHO)はギリシャ文字を「名前」として使っている。ギリシャ文字は24文字。それが尽きたらどうするのか。誰もが疑問に思うかもしれない。

変異株は当初、最初に見つかった国や地域の名前で呼ばれていたが、偏見や差別が生まれる懸念があることから、WHOは2021年5月末からギリシャ文字をあてがうようになっている。

変異株を警戒レベルの度合いによって、感染力が強まったり、ワクチンの効果を弱めたりするものを「懸念される変異株(VOC=Variants of Concern)」、複数の国や地域でクラスターが発生するなど拡大しているものを「注目すべき変異株(VOI=Variants of Interest)とそれぞれ分類している。VOCの方がより警戒度合いが高い。

また、VOIから一段、警戒レベルが格下げになったものは「監視中の変異株(VUM=Variants Under Monitoring)」と呼んでいる。

9月30日現在、ちょうど半分となる12文字目のミュー(μ)までが使われており、このうちVOCが四つ(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ)、VOIが二つ(ラムダ、ミュー)となっている。

最後のオメガ(ω)まで使われたらどうなるのか。WHOの新型コロナウイルス技術主任で疫学者のマリア・バン・ケルコフ氏はイギリスのメディア「テレグラフ」に対し、「ギリシャ文字を使い果たす可能性があるが、すでに次の名前のシリーズを考えていて、実は星座の名前を検討しています」と述べた。

アリエス(おひつじ座)やジェミニ(ふたご座)、オリオン座などといった名前が使われる可能性がある。国際天文学連合が定めた星座は全天に88あり、その学名はラテン語で表記されている。

ギリシャ神話に登場する神々や女神たちの名前を検討したこともあったが、発音が難しいなどの問題点から除外された。

星座の名前を採用した場合、誰かを傷つけることにならないか、ウイルス進化作業部会とWHOの法務チームがダブルチェックしているという。

WHOや厚生労働省の発表を元にまとめた各変異株の情報は以下の通り(2021年9月30日現在)。

【懸念される変異株(VOC)】(名前、最初の検出時期と場所)

アルファ株(α) 2020年9月 イギリス

ベータ株(β) 2020年5月 南アフリカ

ガンマ株(γ) 2020年11月 ブラジル

デルタ株(δ) 2020年10月 インド

【注目すべき変異株(VOI】

ラムダ株(λ) 2020年12月 ペルー

ミュー株(μ) 2021年1月 コロンビア

【監視中の変異株(VUM)】

イプシロン株(ε) 2020年5月 アメリカ

イータ株(η) 2020年12月 複数の国

イオタ株(ι) 2020年11月 アメリカ

カッパ株(κ) 2020年10月 インド

新型コロナウイルスの変異株と対応するギリシャ文字の一覧=GLOBE+編集部作成新型コロナウイルスの変異株と対応するギリシャ文字の一覧=GLOBE+編集部作成