開幕2連勝中のマンチェスター・ユナイテッドと1勝1敗のレスター・シティが、8月26日に”夢の劇場”オールド・トラッフォードで激突する。

実力と勢いで勝るのは、やはりマンチェスター・Uである。ウェスト・ハムとの開幕戦を4−0で大勝し、スウォンジーとの第2節も4−0で勝利。2試合合計で8得点、いずれもクリーンシートと、理想的な形でシーズンをスタートさせた。

特にウェスト・ハムとの開幕戦での充実度は目を見張った。解説者の元イングランド代表FWアラン・シアラーも「ジョゼ・モウリーニョ政権下としては過去最高の試合だった。速さと活力、鋭さのどれもが申し分なかった。すべてのエリアを支配できていた」と絶賛している。

複数ある好調の理由のうち、要因を一つ挙げるとするならチェルシーから加入したMFネマニャ・マティッチの存在だろう。チェルシー在任時代に自らの手で買い戻したセルビア代表MFを、自身の強い希望でマンチェスターに招き入れた。この補強により、ユナイテッドに不足していた「ダイナミズム」が著しく向上し、中盤の守備強度も高まった。

実際、ウェスト・ハム戦では自陣深くで敵からボールを奪い、推進力の高いドリブルで前方に持ち上がるマティッチの姿があった。敵にプレスをかけられても足技を生かしてヒラリと交わし、サイドにできたスペースに素早くパスを展開。前方へのドリブル突破と積極的なフリーラン、そして力強い守備を高度にこなすMFは、これまでユナイテッドの中盤に欠けていたピースだった。

しかも、マティッチの加入でMFポール・ポグバの輝きが増すという相乗効果も見られる。後方に守備力のあるマティッチが控えることで、フランス代表MFは躊躇なく前方へ仕掛けられるようになった。ポグバの自由度が増して危険度も高まったと、そう言っていいだろう。

■岡崎が語るユナイテッドの“狙い目”とは?

このマティッチとポグバという強力なセントラルMFコンビとマッチアップする機会が多くなりそうなのが、レスターの岡崎慎司である。開幕から2戦連発と勢いづく中、この試合のポイントをどう見ているのか。

敵地での一戦になるだけに「守備がやっぱり一番大事ですね」と気を引き締める。相手がボールをポゼッションする時にはチーム全体で守備ブロックをきっちり固め、いかに隙を与えないか。セカンドストライカーの位置に入る岡崎も、前線からのプレッシングやプレスバックで後方部を援助したい。

一方の攻撃面については「チャンスは少ないと思う」(岡崎)。直近2試合はアグレッシブな攻めの姿勢で2得点につなげているが、パスの起点となるマティッチやポグバをマークしながら、カウンターから少ない得点チャンスをうかがう展開になりそうだ。

その中で岡崎が狙いに定めているのが、最終ラインに控えるCBのフィル・ジョーンズだという。センターバックのコンビを組むエリック・バイリーは、速さも強さもあって盤石の守備を見せているが、パートナーのジョーンズは俊敏性の点で難が見える。

ユナイテッドは今夏、ディフェンスラインにビクトル・リンデロフを補強したが、「プレミアへの適応に時間がかかっている」(モウリーニョ監督)との理由でスタメンを外れていて、レスター戦でもジョーンズの先発が濃厚だ。

岡崎は相手ディフェンスラインについてこう語る。

「スウォンジー対マンチェスター・U戦も見たけど、やっぱり(フィル)ジョーンズのあたりはちょっと危ういかなと。(隙の少ない)バイリーのところを外して、ジョーンズの裏を(ジェイミー)ヴァーディーとかと狙っていけば……。自分もその裏を狙ったり、ヴァーディーがジョーンズの周辺で足元で受けたり。カウンターがチャンスになると思います」

レスターの攻撃を端的に言えば、ヴァーディーをメインにしたカウンターが一次攻撃。やや遅れてペナルティーエリアに飛び込む岡崎に合わせる形が二次攻撃になり、相手の守備ブロックが整ったら、リヤド・マフレズの個人技を中心に3次攻撃を繰り出す。

マンチェスター・Uから得点を奪うには、敵の守備が整う前の「速攻」、つまり一次攻撃と二次攻撃がポイントになる。その意味では、プレスやマークといった守備タスクはもちろん、攻撃面でも岡崎にかかる期待は大きい。

取材・文=田嶋コウスケ