鹿島アントラーズは22日、『明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017』でスペインの古豪セビージャと対戦する。2016年、FIFAクラブワールドカップで“世界2位”の快挙を成し遂げたJリーグの常勝軍団はどのような戦いを見せるのか? 試合を前に大岩剛監督に思いを語ってもらった。

■セビージャはレベルの高いチーム

――セビージャ戦が迫っています。監督の中ではどういう位置づけの試合になりますか? 

スペインの強豪チームですし、こういう機会はなかなかない。鹿島としては、常に勝利を目指してやるのはもちろんですけど、アグレッシブにゲームに入れるように準備したいなと思います。

――セビージャの印象はいかがですか?

基本的な技術は本当に高いものがあるし、みんなサッカーをよく知っていると感じました。一人一人のレベルも高いし、コンビネーションもうまく、新しい監督の中でやろうとしているチーム戦術も見えました。セレッソさんがあれだけボールを動かされるシーンは、Jリーグではなかなか見られないので、すごくレベルの高いチームだと思います。

――注意したい選手は?

選手にはセレッソ戦の映像しか用意できませんし、今度の試合に同じ選手が出てくるかわかりませんが、普段からラ・リーガの映像を見ているなかで把握できている選手の特徴は伝えようと思います。15番の(スティーヴン)エンゾンジ、17番の(パブロ)サラビア、中盤の7番の(ミカエル)クローン=デリなんかはずっといる選手。あとは、キーパーもセルヒオ・リコだと思うので、ある程度の情報は入れようと思います。ただ、そこから先は、ゲームに入って選手がしっかりと判断することが一番重要なことかと思います。

――海外のクラブと対戦するときに注意すべきことは?

普段、あまりやり慣れてないので、まずはゲームに入ってすぐ自分たちがいろんなことを掴むこと。相手の特徴、個人の特徴、チームとしての攻撃のやり方、守備のやり方というものをいち早く理解して判断するということ、それが大事なんじゃないかと感じますね。

■自分たちからアクションを起こすサッカーを

――試合前はどんな言葉を選手たちにかけますか?

どこかで僕は、こういうゲームを楽しんで欲しいと思っています。ただ、その“楽しむ”という意味を軽いものだと思って欲しくない。やっぱり自分のポテンシャルの100パーセントであったり、チャレンジするという気持ちであったり、敵に勝ちたい、一対一に勝ちたいという気持ちであったり、そういうものを出した上で、それより上回られたときの楽しさというのがあるわけですよ。

勝った、負けた、というのが楽しいのは当然ですけど、いかにして相手の裏をかいてボールを奪ったり、守備をしたり、奪ったボールを相手が取りに来てもそれをいなして攻撃につなげたり、というのが楽しいわけでしょう。だから、選手にかける言葉としては『勝つんだ』ということだろうし、『アグレッシブにやる』ということだろうし、『チャレンジする』ということなんだろうけど、結果的に選手がそうなっていたらいいんじゃないかなとは思います。

――西選手もインタビューのなかで、監督が「勝たなきゃいけない」という言葉ではなく、「勝ちに行くんだ」という言葉を使ってくれることでポジティブに受け止められると言っていました。意識して使っているのですか?

そうですね。僕自身が「アグレッシブに」とか「ポジティブに」とかいろんなことを言っているのに、そういう言葉で選手に伝わる感覚がネガティブじゃいけないと思っているのは確かです。それが、そういう言葉のチョイスになっているんだと思います。

先程言った“楽しむ”という言葉も軽く受け止める選手もいるのかもしれないし、それは選手だけじゃなくて、メディアの皆さんも、その先で聞いているサポーターの皆さんもそうです。僕が「楽しむ」と言えば、「そんな軽い気持ちでやるの?」と受け取る方もいるかもしれない。だから、どういう受け取られ方をするのか、監督になってからより注意深く気にするようになりました。

――では、最後に試合に向けてサポーターの皆さんにひと言お願いします。

僕たちも積極的に自分たちからアクションを起こすサッカーを展開していきたいと考えています。レベルの高いセビージャに対してどこまでやれるのか、チャレンジしていきますので楽しい試合になると思います。現地に来ていただいて、応援していただければうれしく思います。鹿島アントラーズとセビージャの試合、ぜひ楽しみにしてください。

●インタビュー・文=田中滋