決して“懐古厨”になるわけではない。今もこれからも、フットボールは面白く、魅力的であり続けるだろう。

だが、昔話をするとき「あの頃は熱かった」と言いたくなる時代を誰しもが持っている。今をおとしめるのではなく、素晴らしくて懐かしい思い出として、心の中に残っている瞬間があるからだ。

1990年代から2000年代前半にかけ、ラ・リーガ(リーガ・エスパニョーラ)の熱狂を心のなかにとどめている人なら、この男の名前を聞いただけで数々のシーンが浮かんでくるのではないか?

フェルナンド・モリエンテス――。

ラウール・ゴンザレスとともに“史上最高の2トップ”としてレアル・マドリーに数々の栄光をもたらした名ストライカーである。その後、モナコやリヴァプール、バレンシアといったクラブでも活躍した元UEFAチャンピオンズリーグ得点王はこの度、ラ・リーガのアンバサダーとして来日。忙しいスケジュールの中、『Goal』と『DAZN』の独占インタビューに応じてくれた。

白い巨人のレジェンドは、新監督を迎えたバルセロナや、ラ・リーガの優勝争いをどう見ているのだろうか?

■新シーズンの優勝クラブは3強ではない?

――バルセロナは新たな監督を迎えました。今、どういった状態にあると感じられますか?

ルイス・エンリケがクラブを離れてから新しい監督について議論がありましたが、バルベルデ監督はアスレティック・ビルバオで結果を出してきた人物です。バルサのことをよく知っていて、リーグのことも熟知している。一から学ぶ必要がないですし、とてもポテンシャルを秘めた監督ではないかと思います。

チーム全体を見ると、あまりラインナップは変わっていません。今までと同じように、3トップの(ルイス)スアレス、ネイマール、そして(リオネル)メッシがチームをけん引していくのではないでしょうか。

――ネイマールの周辺ではパリ・サンジェルマンへの移籍が再燃していますが、どのように見ていますか?

うわさだけに終わるのではないかと思います。しないでしょうね。

――バルサがマドリーを倒してタイトルを奪還するために必要なことは何でしょう?

昨シーズンも別にバルサが悪いプレーをしていたというわけではありませんでした。キーとなる試合で負けてしまったことで、なかなか追いつけなかった。一方、レアル・マドリーの勝因となったのは「常に勝ち続けたこと」「コンスタントに結果を出したこと」だったと思います。新しいシーズンでも、それがカギになってきそうですね。常に一定の状態を保てるか、というところです。

――なるほど。では、アトレティコはどうでしょう? FIFAの選手登録禁止処分により、今夏は実質的に補強が行えない状況にあります。その中で主力選手の(アントワーヌ)グリーズマン、コケ、ステファン・サヴィッチらは残留する見込みとなっていますね。

ビトロの加入(※選手登録が禁止されているため、来年1月までラス・パルマスへレンタル)が印象的ですね。ここ8年や10年の間にマドリーやバルサと並ぶほど力をつけたチームだと思います。リーグ優勝をしていますし、チャンピオンズリーグ決勝に2度進出しました。どんどん強くなっていて、ラ・リーガの中でも重要なチームと認識しています。

――そうなると、優勝すると思うクラブは……?

バレンシアだね。

――意外な名前が挙がりましたね! バレンシアを推す理由は何でしょう?

昨シーズンはあまり良い結果を残せなかったですが、どんどん前進してほしいという期待を込めて、という感じですね。実際に優勝できるかどうかは別として。

なかなか結果を予想するのは難しい。ただし、レアル・マドリー、バルサ、そしてアトレティコの後にはバレンシアが来るのではないかと思っています。

※第4回に続く

インタビュアー=大川佑(Goal編集長)

■フェルナンド・モリエンテス独占インタビュー掲載予定

第1回  元スペイン代表FWが抱く日本の印象と、鹿島対セビージャの注目点は?
第2回  モリエンテスに聞く古巣レアル・マドリーとジダン監督
第3回  モリエンテスが予想するリーガ優勝クラブは?レアル、バルサではなく…
第4回  「乾貴士と柴崎岳に良い印象を持っている」と元スペイン代表FWが語るワケ