現地時間1日、イングランドFAカップは決勝戦が行われ、アーセナルとチェルシーが対戦した。

2年ぶり9回目の優勝を目指すチェルシーと、最多優勝記録(13回)の更新を狙うアーセナル。ともに選手としてFAカップを掲げたランパードとアルテタは、監督としての初タイトルを懸けてビッグロンドンダービーを戦う。

互いに攻撃的な入り方を見せた立ち上がり、先手を取ったのはチェルシー。5分、プリシッチのパスをエリア内左で受けたマウントが中央のジルーに預けると、ジルーのヒールでの落としをエリア内で受けたプリシッチが抜け出し、GKマルティネスを破ってチェルシーが先制する。

10分にもドリブルでスルスルと抜け出したプリシッチがシュートまで持ち込むなど、1点をリードしたチェルシーが畳み掛けるように攻め込んでいく。

リーグ戦を8位で終えているアーセナルは、FAカップに優勝すればヨーロッパリーグの出場権も手にできるため、是が非でもタイトルが欲しいところ。すると25分、セバージョスのクサビのパスをラカゼットが落とし、オーバメヤンがつないだボールをペナルティーエリア手前からペペがダイレクトで狙う。これが綺麗な弧を描いてネットを揺らすも、ラカゼットが受けた時点でオフサイドとなりノーゴールの判定に。

同点の歓喜がぬか喜びに終わったアーセナルだったが、直後の26分、ティアニーからのロングパスに抜け出したオーバメヤンをアスピリクエタがエリア内で倒してしまいPK。アスピリクエタにはイエローカードが提示される。このPKをオーバメヤンが自らゴール右へと沈め、アーセナルが同点に追いつく。

追いついたアーセナルはチェルシーのプレッシングに対して後方からのビルドアップと前線のスピードを生かしたロングボールの使い分けが上手くハマり、徐々に試合の主導権を握り始める。

なかなかチャンスが作れなくなってしまったチェルシーはさらに35分、アスピリクエタがハムストリングを痛めてクリステンセンとの負傷交代を余儀なくされる。

これでさらに勢いづいたアーセナルが攻勢に試合を進めるものの、逆転には至らず1-1のまま後半へ。迎えた後半開始早々、ドリブルで切り込みエリア内左からシュートまで持ち込んだプリシッチが、足を抑えてピッチに倒れ込む。ドリブルの最中にハムストリングを痛めたようで、急遽ペドロが投入される。チェルシーは2つの交代カードを負傷により切ることとなってしまった。

それでも、左サイドに入ったマウントが果敢に仕掛けて攻撃のアクセントとなり、後半はチェルシーのペースで試合が進む。しかし、迎えた67分、カウンターからベジェリンがドリブルで一気に加速し、ペナルティーエリア手前でクリステンセンと接触。このこぼれ球を拾ったペペがエリア内左で待つオーバメヤンに展開すると、シュートフェイントでズマを抜き去り、最後は華麗なチップキックを沈めて守勢の続いていたアーセナルが逆転に成功する。

逆転を許したチェルシーは73分、追い打ちをかけるようにコヴァチッチが2枚目のイエローカードを受けて退場。1点を追いかけるチェルシーは残り20分近く、10人での戦いを余儀なくされる。

攻めるしかないチェルシーは79分、ジルー、マウント、リュディガーを下げてエイブラハム、バークリー、ハドンソン=オドイを投入する3枚替え。ランパード監督が思い切った交代策を見せる。

リードしていることに加えて数的優位のアーセナルは82分、ラカゼットに代えてエンケティアを投入。残り時間が少ないこともあり、上手く時間を使いながら試合を進めていく。87分には足を痛めたダビド・ルイスに代わってパパスタソプーロスを投入。10人のチェルシーに対しても前線からしっかりを守備をして逃げ切りを図る。

アディショナルタイムの7分間は、10人でもパスをつないで猛攻を仕掛けるチェルシーに対し、アーセナル守備陣は人数をかけて守りつつ、前線のスピードを生かしたカウンターも狙う。

95分には、ドリブルで仕掛けたペドロがGKマルティネスと接触した際に肩を痛め、治療により試合が一時中断。ペドロはストレッチャーで運び出され、すでに交代枠を使い切っていることから、チェルシーは9人での戦いを余儀なくされる。さすがに2人少ない状況で守備に重きを置いたアーセナルからゴールを奪うことは難しく。最後はコラシナツを投入する徹底ぶりで逃げ切ったアーセナルが、自ら持つ最多優勝記録を更新する14回目のFAカップ制覇を成し遂げた。

■試合結果
アーセナル 2-1 チェルシー

■得点者
アーセナル:オーバメヤン(28分PK、67分)
チェルシー:プリシッチ(5分)