12日のラ・リーガ第4節、アトレティコ・マドリーは敵地RCDEスタジアムでのエスパニョール戦を2-1で制した。

グリーズマンがアトレティコ退団前に臨んだ最後の試合は、2019年5月18日のレバンテ戦。それから848日が経ったが、シメオネ監督はそんな年月の距離などなかったかのようにバルセロナから出戻ったばかりのフランス人FWを先発で起用した。アトレティコのスタメンはGKオブラク、DFトリッピアー、サビッチ、フェリペ、エルモーソ、カラスコ、MFアンヘル・コレア、マルコス・ジョレンテ、コケ、グリーズマン、FWルイス・スアレスで、システムは5-4-1/3-4-3。

グリーズマン復帰で超がつくほどの強力な陣容となったアトレティコだが、シメオネ監督が「チームは選手名でつくられるものじゃない」と言っていた通り、やはり一筋縄ではいかない。ビセンテ・モレノ監督率いる昇格組エスパニョールとのこの対戦では、彼らのコンパクトなブロックを前に攻め手を欠き(グリーズマンと他選手の連係はやはりチグハグだった)、エンバルバとアレイクス・ビダルの両翼を起点とする速攻に苦しめられることになった。

そして40分、展開が予感させた通りにエスパニョールが先制点を獲得。右CKからM・ジョレンテのマークを引き剥がしてニアサイドに寄ったラウール・デ・トーマスが、巧みなバックヘッドでネットを揺らしている。前半はエスパニョールの1点リード、アトレティコの1点ビハインドで終了する。

シメオネ監督はハーフタイムにエルモーソ、トリッピアー、A・コレアとの交代でコンドグビア、ロディ、レマルを投入して4バックにシステムを変更(M・ジョレンテが右サイドバックに)。迎えた後半は積極的にハイプレスも仕掛けるようになり、攻勢を仕掛けた。そうして53分には、M・ジョレンテの折り返しからレマルが枠内にボールを押し込み一瞬スコアは1-1になったが、レマルのシュートの直前、オフサイドポジションのL・スアレスがプレーに絡んでいたとの判定でゴールは取り消しとなっている。

シメオネ監督は58分に4枚目の交代カードを切り、グリーズマンとの交代で手術した右足首のリバビリを終えたジョアン・フェリックスを今季初起用。しかし、6バック気味に守るエスパニョールの堅守をなかなか穿つことができない。シメオネ監督は71分に交代枠を使い切り、L・スアレスをクーニャと交代させる。元バルセロナのL・スアレスはピッチから下がる際、エスパニョールのサポーターからブーイングを受けていた。

その後も攻めあぐね続けたアトレティコだったが79分、カラスコが執念からペナルティーエリア内で質的優位とスペースを見つけ出した。ロディのパスをペナルティーエリア内左で受けたベルギー代表MFは、両足でボールを挟み込んでエスパニョールDF陣のボール奪取を拒否し、そこから得意な形での左足のフィニッシュに持ち込んだ。これでスコアは1-1。

レアルがゴールが取り消された際のVAR介入、フェリペが腰を強打した影響などで、後半アディショナルタイムは10分が取られることに。そして99分と試合終了間際になり、逆転をあきらめなかったアトレティコがドラマを起こした。レマルがボールを持ち込み、ペナルティーエリア内のカラスコにそれを預けると、カラスコのヒールパスが相手DFに当たったことでレマルへのリターンが成立。フランス代表MFが、この絶好機をしっかりと決め切りスコアをひっくり返した。試合は、そのまま終了のホイッスルが吹かれている・

L・スアレス、J・フェリックス、A・コレア、クーニャら豪華攻撃陣にグリーズマンも加わったことで“スーペル・アトレティコ”と称されるようになったアトレティコは、血と汗を流しながら勝利をつかむシメオネ監督のチームらしいスタートを切った。今季ラ・リーガの成績はこれで3勝1分となっている。