「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はプロが海外メーカーのフェアウェイウッドを好んで使う理由について考察した。

みんゴル取材班(以下、み):日本のメーカーのドライバーやアイアンを使っていても、フェアウェイウッドだけはテーラーメイド、ピン、キャロウェイなど海外メーカーのモデルを使うプロが多いような気がします。なぜ外ブラのフェアウェイウッドは人気があるのでしょう。

宮城:フェアウェイウッドはドライバーと違って芝から打つシチュエーションが圧倒的多いので、じつはライ角が重要になってきます。

み:日本メーカーと海外メーカーではライ角の設定が違うというわけですか。

宮城:昔はドライバーが56度で、3番ウッドが57度、5番アイアンでで60.5度が基準でした。テーラーメイドの「ステルス」のライ角は56度で昔のままですが、日本のドライバーはアスリートモデルでも59度くらいとアップライトで、中には61度とか62度くらいのものもあります。

み:日本のドライバーは3度から5度くらいアップライトになったわけですね。

宮城:しかも長さは昔と比べて3インチくらい伸びているので、その数値以上にアップライトになってきたことになります。これに対してアイアンは長さもライ角もほとんど変わっていません。

み:フェアウェイウッドはどうでしょう。

宮城:フェアウェイウッドもアイアンに合わせておけばよかったのに、日本人は真面目なのでドライバーに合わせてアップライトにしてしまったのです。もともと球がつかまらないアマチュアなら恩恵を受けられますが、そうでないと左に飛んでしまいます。とくにプロは地面から打つフェアウェイウッドに先端剛性の高いシャフトを使うので、トウダウンでフラットになることもあまりありません。

み:外ブラのフェアウェイウッドがプロに好まれる理由は飛距離ではないと。

宮城:外ブラはヘッドの重心設計でスピンを減らして球が前に飛ぶのも確かです。しかし、日本のメーカーの中でもライ角がフラットなヤマハなんかのフェアウェイウッドが評価されていることを考えると、やはりプロは左を気にせず構えられて、思った方向に打ちやすいフェアウェイウッドを求めているといえますね。