新しいクラブを選ぼうと試打して、スペックを教えてもらったはいいがなんだか納得いかない。そう思っているせいかコースで使うと結果もイマイチ。データだけでは読み取れないスペック選びをギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人に聞いてみた。

クラブフィッターの小倉です。今回は、個人的な見解のお話です。みなさんは、自身のヘッドスピードを把握していますでしょうか。最近は、ショップなどの試打室に計測器が付いていることが多いですし、練習場などで使える、ポータブル計測器が普及していますので、おおよその数値を把握している方は多いかと思います。よくメーカーのクラブ選び、とくにシャフトのフレックス選びの目安として、ヘッドスピードが用いられます。HS42m/s前後ならフレックスS、HS38m/s前後ならRといった具合です。ボールの外箱にもよく推奨ヘッドスピードが記載されていますね。

これらの目安は、たくさんのゴルファーが少しでも選びやすいように「あくまで目安」として設定しているもので、全員に当てはまるものではありません。

同じヘッドスピードをもつ複数のゴルファーが、同じモデルのクラブを選んだとしても、全員が同じスペックにはならないでしょう。個々のゴルファーには体型や体重といった個性があります。さらにそこにスウィングの個性が加わります。ヘッドスピードが同じだとしても数値に見えない部分にたくさん違いがあるのです。ケースバイケースなので、断定は難しいですが、簡単な例を挙げると、ヘッドスピードが速い方でも、インパクト付近の強弱が少ないスウィンガータイプの方は、軟らかめのフレックスのほうが、結果がよくなるケースがあります。ヘッドスピードがそれほど速くなくても、インパクトで強い負荷をかける方は、硬めのフレックスのほうが安定するケースがあるといった感じです。

シャフトのフレックス同様、クラブの総重量も個々のゴルファーの個性に合わせることが重要です。ヘッドスピードが速くなくても大柄な方は、重めのほうがスウィングを安定させやすくなりますし、ヘッドスピードが速くても小柄な方は、軽めのほうがマッチする場合が多いです。このあたりは、これは私が今までフィッティングをおこなってきたひとつの結果です。見る人によって異なってきますので、意見はたくさんあると思います。

最近は、弾道のデータも比較的簡単に確認できるようになってきました。より飛距離や質の高い弾道を目指すために弾道の数値を追いかけるのも良いとは思いますが、ミート率やタイミングの取りやすさ、スウィングの再現性といった部分を無視してしまうと、安定したプレーをすることは難しくなります。たくさんの数値が目で見えるようになった今こそ、目に見えない部分をいかに自身に合わせるかが、重要なのかなと思います。