7月1日から4日間の予定で開催される「資生堂レディスオープン」。プロゴルファー・中村修が注目するのは第2回リランキングで15位にランクアップした堀琴音。フェードボールを武器にシード復活を目指すスウィングを解説。

「シードなし」から一転、復活シードが見えてきた

2014年のプロテストに合格し、2015年には賞金ランク33位で初シードを獲得。2016年には賞金ランク11位、2017年には日本女子オープンで2位……と「初優勝に一番近い選手」と呼ばれる活躍をするものの2018年を最後にシード権を手放していた堀琴音選手。

その後しばらく低迷していましたが、森守洋コーチに指導を仰ぎ、徐々に感覚を取り戻していきます。

2019年のQTランクは164位と奮わず、2020年も出場した3試合すべてで予選落ちに終わりましたが、2021年の開幕戦では2年ぶりに予選通過。

すると、ドライバーの球筋をドローからフェードに変えた堀選手の快進撃が始まります。推薦出場に頼る状況の中、翌週は8位タイと上位フィニッシュ。4月の「バンテリンレディス」でも6位タイと着実に賞金を積み重ね復調を感じさせていました。

シーズン途中の成績でその後の出場優先度を決める第1回リランキングで37位に入って以降の出場権を手にすると「ニチレイレディス」では10位タイ、そして高額賞金の先週「アース・モンダミンカップ」でも4位タイに食い込み、終了後に行われた第2回リランキングでは2700万円余りを積み上げ15位へとジャンプアップしました。

復活シードはもちろん、復活の初優勝も視野に入ってきています。そんな堀選手の、フェードボールを武器とするニュースウィングを見てみましょう。

コック少なめ。切り返しで左手首を手のひら側に折り、回転力で飛ばす

構え方や目線の取り方から、ドローからフェードに変えることを勧めたと森守洋コーチに聞きましたが、画像A左のアドレスを見ると、背骨の右への傾きが少なく右肩もそれほど下がってはいないことから、たしかにストレートからわずかにアウトサイドインに振り抜く軌道がマッチするアドレスです。

逆にインサイドからややアッパー軌道で振るドローヒッターでは肩の下がりボールを右から覗き込むような傾向がありますからね。

トップでも体の傾きは少なく、その場で縦にねじるように使い、手首のコックは少な目。高い位置にトップをとります(画像A右)。

画像Bの左では、左手首が手の平側に折れ、ボールをつかまえる動きが入りながら、上体の回転もドローヒッターに比べると早めに入っています。

切り返しで左手首を手の平側に折り、フェースをボール方向に向けているため、インパクトゾーンでのフェースターンは少なめ。方向性の良さを感じさせるスウィングです(画像B右)。

手首のコックを使ってクラブの運動量を増やすことで飛距離を出すタイプの選手もいますが、堀選手の場合は手首のコックは小さめ。その代わり、伸び上がるようにねじったトップから左サイドに踏み込み、インパクト前に左ひざを伸ばす動きを取り入れることで回転力を増し、飛距離に結びつけています。

選手の持つ姿勢や目線のクセを生かした球筋に変更したことで、クラブの動きと体の動きがマッチして再現性が高くなり、試合で結果の出せるスウィングに仕上がってきたという非常に良い例だと思いますし、スウィングの改善は復調の大きな要因だと思いますが、先週のラウンド後の会見では考え方の変化についても言及していました。

「森さんと出会ってスウィングはもちろん良くなったと思うんですが、一番は自分の考え方が変わったというか。ずっと100 点でやってたんですけど試合中に100点ってほぼないんだと思いましたし、そうなったときにいかにどうやって80点、60点の中でゴルフができるか、そういうときのマネジメント、気持ちの持ち方、それがすごく森さんと出会って変わったかなと思います」(堀琴音)

やはり長いシーズンを通して成績を出すにはスウィングの安定だけでなく、戦い方も大きな要因になるということですね。復活シードだけでなく初優勝が手に届くところまで調子が上がってきている堀琴音選手にこれからも注目していこうと思います。