「練習器具の目的や効果は、練習器具の声(メッセージ)をキャッチできるかどうかで変わります」と語る横田英治プロ。練習器具の効果を得るためのコツを聞いてみよう。

横田英治は素振り棒について、こう説明する。

「練習器具で最も多いのが素振りアイテムです。素振り棒は重いモノ、軽いモノ、軟らかいモノの3つに大別できます。まずは重いモノ。アマチュアによっては筋力強化やヘッドスピードアップのため、思い切り振ろうと考えるかもしれません。ですが、重いモノは大きくゆったり振ります。重さに任せて振ることでスウィングプレーンが整うからです。ショットと同じ意識で前傾姿勢のままスウィングしましょう。このとき一球一球、ボールを打つイメージを持ちと、より効果が高くなります。

反対に軽いモノは、ゆったり振っても意味がありません。思い切り振ることで自分の限界スピードを体感することが重要です。できるだけ速く振ることで、ヘッドスピード40m/sの人でも50〜60m/sくらいは出せます。それを体感することが軽い素振り棒の一番の目的なんです。

素振りアイテムはパワー(重さ)、スピード(軽さ)、テクニックと目的を3つに分けて使用するべきです」(横田プロ)

「また、『リズムマイザー3』のように、ぐにゃぐにゃとしなる、軟らかい素振り棒は、ゆっくり振るのが基本です。注目はトップからの切り返し。しなりを感じながら切り返すタイミングをつかみます。力みのない、スムーズな切り返しを体感しましょう」(横田プロ)

素振り棒の次に紹介するのが、バランス系の練習器具。

「バランス系では、台状のアイテムを足で踏む練習器具も効果が高いです。ポイントはテークバックでの右足、インパクトでの左足の踏み込み。できるだけ力を逃さない意識が重要です。そうすることで力が伝わるスウィング軸が生まれます」(横田プロ)

パターマットも大事な練習器具のひとつ。そのポイントは1mをメインに練習することだ、と横田プロ。

「パットは家の中で練習できますからパターマットは常備しておきたいアイテム。パットで重要なのはタッチ(距離感・感性)ですから、毎日パターを握る習慣をパターマットで実現させます。ポイントは1mをメインに練習することです。

またパターマット選びと練習方法にポイントがあります。実際のグリーンを想定するのであれば、カップ周りの上り傾斜が小さい、もしくはないもの(フラット)がおススメです。カップ周りが上って台状になっているものは避けましょう。実際のパットとタッチが合わなくなる可能性があります。

パターマットにはストレートのラインやボール位置があります。それで練習します。斜めのラインで狙うのは間違いです。1mのストレートラインをコツコツ練習しましょう」(横田プロ)

練習器具を効果的に使って、シーズンインに備えよう!

※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月31日号「練習器具のトリセツ」より一部抜粋