ゴルフを始めて一年足らずで100切りを達成したという、元女子バレーボール日本代表の狩野舞子。今後、さらにステップアップをするために課題としているのがユーティリティ(以下、UT)だ。今回、USLPGAティーチング会員の小澤美奈瀬にUTの打ち方を教えてもらった。

小澤:UTの時に出るミスの傾向は?

狩野:基本右に行くことが多くて、それを嫌がって手で引っ張り込んで引っ掛けるミスも出ます。真っすぐな球だけ、打てないんです(笑)。

小澤:そうなんですか(笑)。では、UTで真っすぐな球を打てるように、やっていきましょう。

狩野:よろしくお願います!

――最初に、狩野が5番UTを打つと、1球目は右に。2球目は左に飛んだ。

小澤:1球目はインパクトの時のフェース面が4.2度オープンになっています。2球目の左に飛んだ時は5.7度クローズで当たっています。

狩野:フェースが向いている方向に飛んで行っているということですね。

小澤:そうなんです。インパクトの時のフェース面の向きは80パーセント打ち出し方向に影響するんです。ですからインパクトでのフェース面のコントロールができるようになると、ショットも安定してまっすぐな球が打てるようになってくると思います。

――さっそく、インパクトでのフェース面のコントロールをできるようにするレッスンを開始。

小澤:バックスウィングでシャフトが地面と平行になったところで止めてみてください。

狩野:こうですか。

小澤:はい。この時に、狩野さんはフェース面が開いて上がっているんですね。

狩野:へぇ、開いていたんですね。

小澤:そうなんです。ではコレを閉じて上げていきます。目安は、腰の位置に上がった時にフェース面のリーディングエッジが前傾した背骨と平行になるように上げていきます。

狩野:普段のバックスウィングとはちょっとイメージが違いますね。

小澤:そう感じるのは狩野さんだけではなくて、じつは多くの人がフェースを開いて上げているんです。理由は、クラブの構造上の問題で、シャフトの軸線よりもクラブヘッドのバックフェース側に重量が配せられているので、どうしてもフェースが開きやすくなるんですね。この自然に開きやすくなる動きを、意識してちょっと抑えて上げていくとスクェアに上がっていくようになります。

――バックスウィングで自然に開きがちなフェースを、意識して閉じる時のやり方を小澤が伝授する。

小澤:まず、バックスウィングでフェース面とボールがずっと見合っているような感じで上げみてください。そうするとフェース面が閉じて上げられると思います。

狩野:なるほど。閉じて上げるって、こんな感じなんですね。

――次に小澤が取り出したのは、犬が遊ぶ時に使う人形だ。もちろん人形でなく、ヘッドカバーやティッシュボックスなどでも代用可能だという。

狩野:これをどうするんですか。

小澤:ボールと反対側のクラブヘッドにくっつけるように人形を置き、この人形をクラブヘッドで後ろに真っすぐ押すようにしてバックスウィングをしてください。

狩野:わかりました。

――小澤の指示通りに、バックスウィングで人形を後ろに押してクラブを上げる狩野。すると、2球連続でミスの方向が左になった。

小澤:さっそく効果が出ていますね。バックスウィングでフェースが開かなくなったので、球がつかまってきています。

狩野:本当ですね。

――そして、3球目はきれいなストレートボールが出た。

小澤:ナイスです。今のショットのインパクトでのフェース面は0.8度クローズでした。フェースアングル2.5度以内はもう許容範囲なので、0.8度は完璧と言っていいと思います。

狩野:でも、どうして人形を後ろに押しただけで、UTが真っすぐ打てるようになったんですか。

小澤:バックスウィングでクラブヘッドをヒョイと上げてしまうと、上向きのプレーンが強くなっていくので、そうなるとダウンスウィングでは打ち込むスウィングになりカット軌道で右へ打ち出される球が多くなります。

狩野:私の球が右に出ていたのは、バックスウィングに原因があったわけですね。

小澤:それをこの人形を後ろに押すイメージにすることでヘッドが低く上がっていき、ダウンスウィングの軌道もシャローに横から入りやすくなります。

狩野:確かに、ダウンスウィングってクラブを上げた軌道に戻ってきますもんね。

小澤:そうなんですよね。

狩野:じつは、UTって払って打つのか、上から打つのか、そこが分かっていなかったので苦手だったという部分もあったんです。

小澤:迷うところですよね、私は、上と横の中間の軌道がいいと思っています。その中間の軌道は、今回やったバックスウィングを低めに引くということでできてくると思います。

狩野:でも、ちょっとした“物”を使って意識を変えることで、スウィングがあんなに変わるんだってちょっとびっくりしています。

小澤:意識してやろうとしても難しいので、こういう道具を使って動きを覚えることは有効ですよね。今回のドリルは、普段練習場でやる場合は、ヘッドカバーやテッシュボックスなんかを使ってやるといいと思います。

狩野:今度、ぜひやってみます。

撮影:野村知也
撮影協力:レッツゴルフ銀座