ドラコンの世界大会「PLDAロングドライブ世界選手権」に日本代表として2021、22と2年連続で出場したドラコン選手の徐絢一。2021年の大会では、予選時にグループ内での最長飛距離403ヤードもマークした日本屈指の飛ばし屋である徐に、その飛ばしの極意を聞いた。

身長188センチ、体重100キロ。ウェートトレーニングで鍛えた徐絢一のマッチョな体を見ると、やっぱり飛ばしはパワーかと思ってしまうが、それだけではない。何しろ、徐がゴルフを始めたのは2年前なのだ。この僅か2年という短い期間で世界のトップクラスの飛ばし屋に伍する飛距離を身に付けることができたのは、徐が基本にしている“飛ばしのコツ”があったからだという。

「僕が飛ばしで大事だと思っているのは、『体の連動性』です。例えば、ゴムを捩じって手を離すとクルっと素早く戻るじゃないですか。これが連動性で、それを体でやるのが僕のスウィングのイメージなんです」(徐、以下同)

徐が言う「体の連動性」の原理を詳しく解説することにしよう。まず、徐が言うところの「ゴム」=かまぼこの板のような形の硬質ゴムであるとイメージする。それを縦に立てて上下の端をつまみ、下端は固定をしておき、上端をマヨネーズの蓋を開ける要領で捩じってみよう。ゴムが捩れてテンション(張力)が生じ、そこにパワーが蓄えられる。これがゴルフスウィングで言えばトップオブスウィングである。

次に、上端をつまんでいた指を離すとゴムは、固定されている下端から上に向かってコイルが巻き戻されていくように、蓄えられたパワーが解放されていく。この下から上へのパワーの伝達がゴルフスウィングでも行われるのが「体の連動性」である。

「僕は小中高と野球をやっていたのですが、野球のバッティングも同じように体の連動性で動いています。足元から腰、そして胸から腕、そしてバットへと体は動いていきます。ゴルフのスウィングも同様に、体の下の方から動き、腰が捻じれてきて、それに遅れて上半身から腕にパワーが伝わるみたいな感じです」

この体の連動性という概念は「キネマティックシークエンス(運動量の連鎖)」とも言われ、ゴルフのスウィングのもっとも重要なポイントとされているものだ。徐が言うように、このキネマティックシークエンスはゴルフだけに留まらず野球ならバット、ボクシングならグローブというように、先端に力を伝える場合のパワーの伝わり方(連鎖)の一定の法則のようなものである。

このキネマティックシークエンスが示す動き方ができていれば「下半身と上半身の捻転差」や「ダウンスウィングのヘッドのタメ」、「ヘッドを鞭のように使う」といったスウィングの基本であり、飛ばしに必須の動きが自然にできるようになるというわけだ。

「体の連動性」を覚えて、徐絢一のようにビックな飛ばしにチャレンジしてみてほしい。