みんなのゴルフダイジェストのYouTubeでは、プロゴルファーの癸生川喜弘と小島慶太の二人による“ガチ”がコンセプトのシリーズ試打企画「みんゴルガチギアトラック」を公開中。2024年2月2日発売のテーラーメイド『Qi10 LS ドライバー』の性能を検証した。

『Qi10』シリーズのロースピンモデル

「Qi10」シリーズはクラウンに使われているカーボン使用量を97%まで大幅にアップした新しいカーボンヘッド構造により慣性モーメントを向上させたヘッドが特徴で、今回試打する『Qi10 LS』はロースピンに特化したアスリートモデル。ヘッドスピードが速いプレーヤーに向けて、ロースピンで、低弾道で飛ぶように設計されている。プレーヤーの好みに合わせ弾道を調整ができる「New エアロトラック スライディングウェイト(18g)」を搭載。前作の『ステルス2 プラス』と比べ、ウェイトをより前方かつ、低い位置に移動することが可能になり、より高い寛容性とロースピン性能を実現したとのメーカーサイドの謳い文句だ。

試打担当の癸生川プロ(PGAトーナメントプレーヤー)が打感やインプレッションをコメントし、データ分析担当の小島プロ(PGAトーナメントプレーヤー&トラックマンマスター)が試打結果から得られた数値や弾道などから、性能や特徴に鋭く切り込んでいく。弾道計測器にはトラックマン4とGCクワッド、ボールにはプロV1、試打場所は実際のコースで実施している。

タイガー・ウッズなど世界のトッププレーヤーが好む、ディープフェースにコンパクトなヘッド形状との触れ込みだが、まずはその“顔”について、癸生川プロに聞いてみた。「見た目がタイガー好みの、ちょっと縦に細長くて昔の洋ナシ型のドライバーヘッドのような印象がありますね。トウ側に長くなった分、ヘッドターンしやすくなっているのかどうか……。検証してみましょう」。

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早速、試打を開始!

まず癸生川プロの通常のスウィング、ヘッドスピードを落とさずに打ってみる。

1打目
<トラックマン4のデータ>
弾道はストレート
クラブスピード(ヘッドスピード)●46.8m/s
ボールスピード●69.2m/s
打ち出し角●12.8度
スピン量●3208rpm
キャリー●246.5ヤード
トータル飛距離●263.3ヤード

<GCクワッド>
Hインパクト(左右打点)●13ミリトウ
Vインパクト(上下打点)●上下0ミリ

1打目はイイ感じのほぼストレートの弾道で、癸生川プロは「イイ感じ。LSってロースピンの略だから、球が上がらないんじゃないかというイメージがあるけれど、この『Qi10 LS』は、しっかり球は上がるし、振れるし、難しさはそんなに感じない」と、最初から好感触だ。

しかし、ここで小島プロから重大な一言が。

小島  データ分析担当としては言わなきゃいけないんですけど。今のスピン量は3208rpmでした

癸生川 ウワァ〜オ!

LS(ロースピン)モデルのクラブの試打としては想定外の数値が出て、思わずのけ反る癸生川プロ。

癸生川 クラブが上から入っているってこと?

小島  いえいえ。アタックアングルは0.4度のアッパーです。実はインパクト時のロフトは19.5度で、これでスピンが増えたわけですが、さて要因は何でしょう?

癸生川 シャフトしか思いつかないけど……

小島  その通り。癸生川プロのクラブスピードに対してシャフトが軟らかくて、インパクトでのシャフトのしなり戻りの量が多くてロフトがつき過ぎて、スピンが多くなったということなんですね。打点は13ミリ先ではあるんですけど、高低はゼロの真ん中で当たっているので、打点の影響ではなく、シャフトの軟らかさで増えたんだと思います。

癸生川 いまの球は自分ではけっこう上手く振れて、イイ感じだと思ったんだけどね。

小島  弾道は良かったですよ。だからあの1発目を見た印象としては、LSモデルでも軟らかいシャフトでスピンが増えてくれるのであれば、ハードヒッター以外の人でも使える可能性があるのかなと思います。

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HS40〜42m/sで打ってみた

次に、ヘッドスピードを40〜42m/sに下げて振ってみることでスピン量がどうなるかを検証してみた。

スピン量は、すべてGCクワッドのデータで2739rpm、3199rpm、2600rpm、2399rpm、と言う結果に。

試打をした癸生川プロの感想は、「ヘッドスピード40m/s前後で打つと、球がいろんな飛び方をしないから、球の飛び方は良いですね」

この結果に関して小島プロが解説する。

「3199rpmのときは打点が11ミリ下に当たっているのが原因です。2600rpmのときは打点が11ミリトウで2ミリ下。この時のインパクトロフトが20.3度、アタック角が2.1度アッパーで、スピンロフト18.2度という数値ですから、まあまあスピンが入るかなというインパクト条件なんですけど、それでもスピン量が2600rpmということは、やはりLS(ロースピン)モデルであるとは思いますよね。ただ、前作の『ステルス2 プラス』は凄いスピン量が減るなという印象があったので、それに比べるとスピン量が極端に減るという感じではないと僕は思います」。

2人の試打後の印象は?
試打をした癸生川プロの感想は。

「前作の『ステルス2 プラス』と比べたら、僕はこの『Qi10 LS』のほうが断然、打ちやすいと思います。『ステルス プラス』より『ステルス2プラス』のほうが打ちやすいし、『2 プラス』よりもこっちのほうが打ちやすくなっているという気がしますね」

データ担当の小島プロの分析は。

「僕も、前作の『ステルス2 プラス』もロースピンモデルなんですけど、それと比べて『Qi10 LS』はスピン量が多く入るという印象を持ちました。逆に言うと『LS』だけどスピンが減り過ぎないとも言える。スピン量って少なければ少ないほど良いって言うわけじゃなくて、ある程度のスピン量がないと、ボールコントロールをすることも、ボールを持ち上げることもできないので。その意味で適正なロースピンモデルになっているんじゃないかなという印象は持ちましたね」。

今回の試打では、ヘッドスピードが40m/s前後のゴルファーが打っても充分にスピンが掛かり、球も上がることがわかった。クラブ選びの参考にしてみてはどうだろう。

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PHOTO(クラブ)/Tomoya Nomura
THANKS/アコーディア・ゴルフ 技術研究所