9月10日からスタートしたPGAツアー2020-2021シーズンは先週のRSMクラシックで11戦を消化し、年内は12月3日からはじまるマヤコバゴルフクラシックを残すばかりとなった。意外なチャンピオンが続出したシーズン序盤戦をまとめてプレーバック。

全米オープンはブライソン・デシャンボー、マスターズはダスティン・ジョンソンが順当に勝ち、メジャーの栄冠は世界ランク上位者の頭上に輝いた。しかーし、その他のチャンピオンはゴルフ関係者も「ん? 誰だっけ?」と首を傾げる顔ぶればかり。

まず驚かされたのが開幕戦のセーフウェイオープン。47歳のスチュワート・シンクが2009年の全英オープンでトム・ワトソンをプレーオフで破りメジャータイトルを獲得して以来じつに11年ぶりの勝利を納めたのだ。

シンクのように長いブランクを経て復活優勝を遂げた選手が多くマーティン・レアードとブライアン・ゲイが7年ぶり、RSMクラシックを制したロバート・ストレイブは6年ぶりに勝利の美酒を味わった。

CJカップで勝ったジェイソン・コクラックはツアー10年目、35歳にしてツアー初優勝。マスターズの前哨戦ヒューストンオープンではメキシコ出身のカルロス・オルティスが無印ノーマークからトロフィー奪還に成功した。

それぞれの選手にはそれぞれの事情があり、たとえば大ケガを乗り越えたり、言葉の壁を乗り越えたりとドラマがあるのだが、それはさて置き大会前にはまったく注目されていなかったというのが共通点。11試合で複数回優勝した選手はいない。11人中5人が世界ランク300位圏外からの大番狂わせ だった。

デシャンボーやジョンソンが400ヤード飛ばそうという時代に飛ばないチャンピオンが多いのも珍事といえるだろう。バミューダ選手権で7年ぶりに勝ったゲイはドライビングディスタンス293.1ヤードで部門別ランキング177位。ストライブに至っては280ヤード台で200位以下。40代だったり飛ばなかったり…少々難あり(失礼)の選手がワンチャンスをものにして勝ったのだからこれもまたゴルフの面白いところ。

パット・イズ・マネーはひと昔。いまやドライバー・イズ・マネーの時代に様変わりしたが、ツアーで戦うレベルの選手になれば実力の差がそのまま結果に反映するわけではない。その週、パターが入りまくれば勝つチャンスはあるし、その逆ならたとえマキロイやタイガーでも優勝には手が届かない。

ゴルフという摩訶不思議なスポーツを象徴するような序盤戦の展開。来年も番狂わせは続くのか? 実力者の逆襲はあるのか? 2021年の主役は果たして誰だ。