コブラゴルフの最新モデル「キング ラッドスピードワンレングスUT」は、長さが同じ“ワンレングスUT”という一風変わったコンセプト。プロゴルファー・中村修と堀口宜篤が試打して、その性能をたしかめた!

7番アイアンの長さのユーティリティ

すべての番手のクラブ長が統一された「ワンレングスアイアン」は一定層からの根強い人気を誇っている。しかし、ユーティリティ(以下UT)のワンレングスモデルとなると、そうそうお目にはかかれないのではないだろうか。

コブラゴルフの「キング ラッドスピードワンレングスUT」はまさしくその名の通り、クラブ長が統一されたUT。クラブ長は同メーカーの最新アイアン「キング ラッドスピードワンレングスアイアン」と同じ37.5インチ(アーコスセンサーありの場合)で、ロフトは3番(19度)、4番(21度)、5番(24度)の全3番手ラインナップされている。

かなり珍しいワンレングスUT、はたして打ち心地はどのようになるのか。さっそくプロゴルファー・中村修と堀口宜篤の両名に、全番手を試打してたしかめてもらおう。ちなみにシャフトは純正カーボンのSフレックスを使用して行った。

構えやすくミスになりにくい24度の5番

ではまず24度ともっともロフトが寝ており、アイアンのすぐ上の番手にあたる5番から試打。はじめに、構えた印象はどうだろう。

「5番だとある程度フェースも見えますしヘッドの大きさからもやさしさを感じます。クラブ自体の短さは感じますが、いざアドレスしてみると構えやすいですね」(中村)

さっそく両者の試打結果を見てみよう。

【堀口のキング ラッドスピードワンレングスUT5番(24度)の試打結果】
HS38.7m/s キャリー196.3ヤード トータル215ヤード 打ち出し角17.2度 ボール初速55.6m/s スピン量3595回転

【中村のキング ラッドスピードワンレングスUT5番(24度)の試打結果】
HS37.3m/s キャリー191ヤード トータル207.7ヤード 打ち出し角16.5度 ボール初速55m/s スピン量4000.3回転

「やはりUTというヘッド形状もあって、同ロフト帯のアイアンと比べてより楽にボールが上がってくれる印象です。たとえば今あるアイアンセットから5番を抜いて代わりにコレを入れるのは十分アリだと思います。打感は少し弾く感じですね」(堀口)

中村はクラブの短さによる振りやすさに加えて「ヘッドの性能自体も良い」と言う。

「スイートエリアが広く、ミスヒットに強い印象です。ヘッドスピードに対してボール初速も出ていて、だから7番アイアンのクラブ長でも飛距離が期待できる、という側面はありそうです。また、ソール前方から後方にかけて2本のレール状の突起があることで、悪いライにも対応できそうですね」(中村)

ロフト21度の4番は「短い」印象で打ちやすい

続いては、ロフト角21度という設定の4番。こちらも5番同様37.5インチというクラブ長設定となっているが、ロフトが3度立ったことで「やはり5番よりも構えた時に『短いな』という印象がより強くなってきますね」と中村。

ロフトの変化によってデータはどのように変わるのか。両者の試打結果は以下のようになった。

【堀口のキング ラッドスピードワンレングスUT4番(21度)の試打結果】
HS39.3m/s キャリー204.7ヤード トータル230.3ヤード 打ち出し角15.4度 ボール初速57.5m/s スピン量3217.3回転

【中村のキング ラッドスピードワンレングスUT4番(21度)の試打結果】
HS37.1m/s キャリー190.3ヤード トータル210.3ヤード 打ち出し角15.5度 ボール初速54.3m/s スピン量3530.3回転

「僕の場合は、5番からトータル飛距離が約20ヤードほど伸びた形ですね。球は5番より強くなっていて、直進性も高まっているように感じました」(堀口)

一方キャリーでの飛距離は2名とも5番と大きく変わらない結果に。「クラブ長が変わらないぶん、やはりキャリーで大きくは差がつかないですね。ただ、7番と同じ長さなので入射角も一般的なUTより角度がつくぶん、ライが悪いところでも打ちやすそうな感じはあります」と中村は言う。

ロフト19度の3番は強い弾道で飛距離も出た

最後はロフト19度ともっとも立っている3番。試打データでも、ロフトなりに打ち出し角が低くなり、そのぶん強い球が出てトータル飛距離が伸びる結果となった。

【堀口のキング ラッドスピードワンレングスUT3番(19度)の試打結果】
HS39.4m/s キャリー208.3ヤード トータル237.3ヤード 打ち出し角14.4度 ボール初速58.3m/s スピン量3023回転

【中村のキング ラッドスピードワンレングスUT3番(19度)の試打結果】
HS38.0m/s キャリー196ヤード トータル225ヤード 打ち出し角13.9度 ボール初速56.3m/s スピン量2764回転

堀口が印象的だったのは「ロフトが立っていても、意外と左に来ないこと」だという。

「UTで一番嫌なのって左に引っかけちゃうことですよね。ロフトが立ってくるほど起きやすいミスですが、3番でもそういった球はまったく出ませんでした。ヘッド自体が球のつかまりを強めた性能ではないのに加えて、7番アイアンと同じ短さというのもあって一般的なクラブ長のUTよりもスウィングが安定していた、というのも大きいかもしれません」(堀口)

セットで使うか、「短いUT」として使うか

さて、全番手の試打を終えた両名。総評としては、7番アイアンと同じ短さによる振りやすさと、それを活かすヘッド性能の高さが印象的だったが、どんなセッティングに取り入れるのがベストなのか。

堀口は同じくコブラゴルフが手掛ける「キング ラッドスピードアイアン」のワンレングスモデルとの流れの良さはもちろんのこと、「一般的なクラブ長の階段があるアイアンセットの上に入れていくのもアリだと思いますよ」と話す。

「もちろんクラブ長はロングアイアンより短いのでクラブの長さの階段は崩れますが、そのぶん振りやすいうえに高さや飛距離も出ますから、個人的には5番アイアンの下に21度の4番を1本入れる、といった選択は十分アリです。この辺りはUTとアイアンの流れを重視しているか、それとも別物として考えているかで好みが分かれそうですね」(堀口)

加えて中村は「とくに飛び系アイアンとの相性が良いと思います」と付け加える。

「7番アイアンで27度くらいの飛び系アイアンは長い番手になるほど難しさが増していきます。なので振りやすく飛距離も出る6・7番辺りまでアイアンを入れて、それより上はUTの4・5番、あるいは3・5番といったように2本程度入れるのが良さそうですね」(中村)

短いことでより振りやすいUTに仕上がっているキング ラッドスピードワンレングスUT。「ワンレングスアイアンを使っていないから」と選択肢から外さずに、自身のアイアンセットとの相性を確かめてみてはいかがだろうか。

協力/PGST