4月12日から開催される「KKT杯バンテリンレディスオープン」の練習グリーンで「BETTINARDI(以下、ベティナルディ)」のパターを発見。名前は聞いたことある人も多いと思うが一体どんなパターなのか。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からレポートをお届け。

「ベティナルディ」は元々医療機器や車の精密部品の加工などを手掛けることを生業とし、30年以上前からスコッティキャメロンやタッド・モアといった削り出しパターのOEM製作をしていました。その後スコッティキャメロンがタイトリストと協業するようになった25年ほど前に独自ブランドを立ち上げたといいます。

パターの特徴は単一素材による削り出しで、打感の良さ、操作性、質感といった削り出しパターの良さを前面に出した物作りがツアーでも受け入れられています。PGAツアーではフレッド・カプルス、マット・クーチャー、マシュー・フィッツパトリックなどが使用し、USLPGAでは畑岡奈紗、セリーヌ・ブティエ、パティ・タバタナキットらも使用しています。

ピンタイプやマレットなどのオーソドックスなデザインの形状にひと工夫を与え独自のデザインに仕立て上げ、様々なモデルを展開しています。その中から気になったいくつかのモデルを紹介します。

まずは畑岡奈紗選手も使用するマレット型のセンターシャフトモデル「SS3 センター DASS」から。303ステンレススチールに2度の熱処理を加えたツアーパターのみに使われる特別な素材「DASS」から削り出されたこのモデルは、敢えてフェースにミーリングを施していないもので、しっかりとした打感が特徴。ボールの感触をダイレクトに伝えてくる打感と半円形ではなくヒール側を少し絞り込み操作性を持たせたモデルになっています。青木瀬令奈選手はこのモデルにフェースミーリングを施したモデルを早速オーダーしていました。

続いてセンターシャフトのモデル「BB28SB センター」。練習日に手にした原英莉花選手が34.5インチで注文したモデルになります。センターシャフトではありますが、わずかにヒール寄りにネックが装着されていることでフェースが空を向くフェースバランスではなく、少しトウ側に傾くことでブレード型のような操作性を持たせているといいます。工藤遥選手が先週から投入したこのモデルは、短いネックまで一体に削り出しているためライ角の調整も可能だとか。

フェース面に溝を施しアルミ素材と組み合わせた大型マレット「INOVAI 9.0 Plumber プロトタイプ」。高速カメラでボールの転がりを計測する「クインテック ボールロール」の開発者と共同開発したというフェースミーリングは、ボールの転がりを最適にするといいます。

どのパターでも芝の上にわずかに沈んだボール浮き上がらせるために2から3度のロフト角がついていますが、そのために打ち出しの瞬間に空中に飛び出したボールにはバックスピンがほんの少しですがかかります。ボールが着地した瞬間からバックスピンから順回転へと移るなかでボールのスピン軸が傾くとボールは真っ直ぐに転がらなくなります。そのためボールのスピン軸を傾けずにスムーズな順回転を作る工夫が各メーカーフェース面に見て取れます。

テーラーメイドのスパイダーやトラスのシリーズにもボールの転がりに影響を与える横方向の溝が刻まれているのも同じ理由からですが「ベティナルディ」の場合は、インサートではなくステンレスの塊から削り出していることが特徴になっています。

市販モデルでもロフトやライ角、長さやグリップもオーダーできるようになっているので自分にマッチしたモデルを選べるのもメリットになるでしょう。削り出しのパターを好むゴルファーは一度手に取ってみてください。

写真/中村修