発売から好調な売り上げが続いているというカーボンフェース搭載の「ステルス グローレ」。どんなゴルファーに合っているのか? どんなゴルファーが選ぶと飛距離アップできるのか? ゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広が分析した。

10月の発売から1ヶ月ドライバー売り上げランキングでトップだったというテーラーメイド「ステルス グローレ」。2012年3月に初代「グローレ」が発売されてから10年、モデルチェンジのたびに発売時の最新で最善の設計という、拘ったヘッドを投入している「グローレ」シリーズですが、最新作の「ステルス グローレ」はグローバルモデルの「ステルス」シリーズと同じく60層のカーボンフェースを採用したモデルです。

「グローレ」のカーボンフェース搭載モデルとしては2012年に「グローレリザーブ」、2013年に発売された「グローレ」以来となります。

今回発売されたのは「グローレ」シリーズとしては初めてとなる2モデル同時発売で、標準モデルの「ステルス グローレ」とスリーブ機能搭載モデルでセレクトフィットストア限定販売モデルの「ステルス グローレプラス」の2モデルです。

今回は「ステルス グローレ」を検証してみました。まず外観。ひと目で「グローレ」とわかるデザインは上質な雰囲気のイメージですね。クラウンのカーボン部分は落ち着きのあるブラックにゴールド系のクリア塗装、これがさらに高級感を演出していますね。投影面積は大き過ぎず、クラウンのフェース寄りの白い部分がターゲットに合わせやすいですね。ソールの形状を見てみるとソール後方に配置しているウェイトが「ステルス」や空力に拘った「SIM MAX」に似たイメージです。

アドレス時の感じはややオープンフェースでフェースアングルは先代の「SIM グローレ」よりも開いています。ライ角度は58度と先代の「SIM グローレ」と数値は同じですが、アップライトに見えます。ボールがつかまりやすいイメージはありますが、プレーヤーの身長や構え方によってはトウ側が浮いて少し構えにくい感じを抱く方もいるのではないでしょうか。
さっそく打ってみました。「ステルスグローレ」は打球感にもこだわったとのことで、軟らかさの中に少し弾き感がある感じです。「ステルス」シリーズが「ウェット」なフィーリング感じに対してやや「ドライ」な感じです。

フェースセンターでヒットした時とオフセンターでヒットした時の打感の差は結構感じられました。使用するボールによっても打球感に差が出る感じがしたので、いくつかの銘柄のボールを打ってみましたが、アスリートモデルのボールでは軟らかさの中にも「カチッ」としたソリッドなフィーリングを得られ、「ステルスグローレ」本来のターゲットのプレーヤーが使用すると想定される軟らかいボールを打った際の打球感はもう少し軟らかい感じがしました。
純正シャフト仕様のクラブは46インチで総重量は278グラム、ヘッド重量は約193gでバランスはD3と重めですが軽量モデルらしく気持ちよく振っていけます。

シャフトは先端部に動きがあり、打ってみて気持ちいいフィーリングですが、48グラムのSフレックスで振動数251cpmと純正シャフトとしてはしっかりとしています。長めかつ軽めでパワーのない方にも振り抜いて飛ばせるコンセプトになっていますが、一般的な純正シャフトのSフレックスとしてはやや硬めに感じますので、長さを含めて合う方と合わない方にハッキリと別れるでしょう。

弾道はイメージ通りやや高めのドローボールが出やすいです。つかまりのよさはミート率の高い上級者にはより感じやすく、つかまったフェードボールも打ちやすいと感じるでしょう。ヘッドスピードが速くなくてもセンターヒット時のボールスピードは速いと思います。

いっぽうで、ミスヒット時の寛容性は非常に高いわけではなく、打点のブレが多い方にとってはボールスピードもムラが出やすく、弾道も揃いにくい感じでした。プレーヤーの技術レベルによって弾道安定性のイメージは結構変わるヘッドだと思います。

バックスピン量は平均してやや多め、ドロー回転の際はスピン量は減り、2500rpm前後と理想的な数値ですが、フェード回転がかかった際はバックスピン量の多さが気になりました。ヘッドスピードが45m/s以上のバックスピン量が多めのプレーヤーにとってはバックスピンが減りにくい構造のヘッドだと思います。

ヘッドスピードが速めのゴルファーが使う場合、もう少しバックスピン量は低減したいですね。このあたりはシャフト選びで改善できるポイントになるでしょう。
打ち出し角度は高めです。打点によってさらに弾道が高くなりすぎる場合もありますので、キャリーとランのバランスを考え、ロフトを慎重に選んで頂きたいところです。

どんなプレーヤーにピッタリ?

とくにゴルフ歴が長い熟練ゴルファーで比較的ドライバーのミート率が高いプレーヤーに合うと思います。ミートするのがうまい方で、最近ヘッドスピードが落ちて軽量クラブに変えて飛ばしたいと考えている方にはいいイメージを抱いてもらえるでしょう。歴代「グローレ」のヘッドが合っているという方もカーボンツイストフェースのパフォーマンスが感じられるのではないでしょうか。

この「ステルスグローレ」が売れている理由としては、まず「グローレ」シリーズはブランドとして確立されていて、すでに「グローレ」ユーザーが多くいますし、カーボンフェース採用の「ステルスグローレ」は歴代モデルユーザーからも注目度が高く、カーボンフェースへの期待値から購入された方が多くいたこと。

さらに今年発売された「ステルス」シリーズからの買い替え需要。アスリートモデルの「ステルス」シリーズで結果の出なかったテーラーメイドユーザーの方が、ボールのつかまりもよく、しっかり上がる「ステルス グローレ」や「ステルス グローレプラス」にチェンジしたケースがわりと多くあったこと。

そしてテーラーメイドのカーボンフェースドライバーに興味はあったものの「ステルス」シリーズだと手強そうに感じていて別ブランドを使うゴルファーが「ステルス グローレ」なら使いやすいのでは、ということでチョイスしたこと。このあたりが発売1ヶ月間の初動の売り上げ好調を生んだ要因ではないでしょうか。

今回「ステルス グローレ」をテストして改めて思ったのですが、「ステルス グローレ」と「ステルス グローレプラス」の販売方法には違和感を感じてしまいます。

ロフト調整機能を搭載したスリーブ機能付きモデルの「ステルス グローレプラス」をセレクトフィットストア限定で販売していますが、「ステルスプラス」のように使い手を選ぶほど「ステルス」と比べてヘッド性能に差があるなら理解できますが、「ステルス グローレ」に関してはメーカーからはヘッド性能には差がないとされています。

一般販売店で取り扱われる「ステルス グローレ」の試打クラブのシャフトバリエーションの少なさや、打点による弾道の高低等を考えると、固定ネックモデルの「ステルス グローレ」をセレクトフィットストアモデルにした方が合っているのでは? と思います。

セレクトフィットストアの本来の目的がフィッティングでプレーヤーに合ったシャフト、クラブレングス、ロフト角度等をきちんと選ぶという事を目的とするなら「ステルスグローレ」こそセレクトフィットストア用に向いていると思います。

お店で購入した後もスリーブ機能を生かして弾道を自分で調整できる「ステルスグローレ プラス」の方を一般販売店用にする方が自然なのではないか、と私は思いました。