「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回は3番ウッドの選び方ついて教えてもらった。

みんゴル取材班(以下、み):地面から打つクラブでは一番長い3番ウッドは、ほとんどのアマチュアが上がらない、つかまらない、その結果飛ばないの三重苦を味わっています。ロフトが立っていることも原因と思いますが、ロフト15度のフェアウィウッドを使うことでアマチュアにとって何か利点があるのでしょうか。

宮城:ティーショットで使う分にはドライバーよりやさしいですが、よほど自信がない限り地面からは打たない方がいいでしょう。ぼくだって3番ウッドは最初から入れていません。

み:3番ウッドも設計する宮城さんですら使わない。その理由を教えてください。

宮城:3番ウッドを外す理由は二つあります。一つめは毎回飛ぶという保証がないからです。ティーアップして打てば3番ウッドは飛びますが、フェアウェイから打つなら5番ウッドのほうが飛ぶ確率は高くなります。二つめは球の上がりにくいクラブで無理に上げようとすることでスウィングに悪影響があるからです。すくい上げる癖がついてしまうとドライバーやアイアンの調子も悪くなる可能性があります。

み:では3番ウッドはなんのためにあるのですか。

宮城:アマチュアのみなさんは3番ウッドをティーショットで使う以外にパー5で2オンさせるためのクラブだと誤解しています。先日「Choice」の対談企画で競技アマの和田博さんとお話させていただく機会がありました。和田さんは日本アマ、ミッドアマ、シニアで優勝経験があり文字通りのトップアマです。その和田さんですら3番ウッドでグリーンを狙うことはなく飛ばすためのクラブといっているくらいですから、ふつうのアマチュアで2オンを狙える人なんていません。

み:確かにそうですね。いまバッグに入っている3番ウッドをどうしましょう。

宮城:意識を変えるといいかもしれません。3番ウッドできれいな球を打とうとするのがそもそもの間違い。低めのライナーで転がって距離を稼げれば十分だし、ミスが起こってもそのほうが怪我は少なく済みます。和田さんも13.5度のクラブを入れて、あえて低い球を打てるようにしているそうです。

み:さすがに13.5度は見た目のプレッシャーが半端ないです。

宮城:16.5度くらいのハイロフトモデルを入れるというのも手です。もともとは4番ウッドのロフトなので頑張らなくても球が上がります。もしくは「ステルスプラス」などの飛ぶ5番ウッドを買いましょう。ゴルフはナイスショットを打つよりミスを誘発しないことが大事です。やさしいクラブを使うほうがスコアはよくなりますよ。